その日が来る前に、
最新 最初 🆕
#501 [愛華]
「お互い様だよ……」

「…ん?梓なんか言った?」

「なーんも!!それよりさ
はやく仲直りしなよ?
こんなケンカみたいなことして
クリスマスばらばらなんて
あたし許さないからね!!」

「ありがと!」


あたしと梓は色々見たけど
結局きまらないままだった。

⏰:10/08/25 22:13 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#502 [愛華]
「あんだけ見て結局なんも
買わなかったってどゆことー?」

梓がココアを飲みながら
文句を言う。
いつのまにか外はまっくらに
なっていた。

うう………申し訳ない(泣)

ふと横を見ると、
『クリスマスプレゼントに!
今、売れてます!!』
の文字と一緒にアクセの写真が
貼ってあった。

⏰:10/08/25 22:22 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#503 [愛華]
「………那佑?なしたの?」

「あ、ここちょっと見てい?」

「それは構わないけど…」

あたしが気になったのは
人気のアクセじゃなくって
それと一緒に写っていた
ブレスレットだった。

店に入って、手にとって見る。
ゴツゴツしすぎてなくて
シンプル。

⏰:10/08/25 22:30 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#504 [愛華]
「…あ、それ人気のやつと
一緒に写ってたやつ?
タカっぽいね、なんか」

みんな人気のあるほうを
買っていくようで、その
ブレスレットはけっこう
あまっていた。
でも、あたしとしては
断然コッチ!!

「きめた!あたしコレにする!」

「そっか、よかったね!」

値段も手頃で隆則に似合いそう。

⏰:10/08/25 22:39 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#505 [愛華]
プレゼントを買うと、
隆則の声をききたくなった。

あれから声きいてないしな…
ききたいな。

梓と別れたあと公園で
一人でぼーっとしていた。
寒いのに家に帰る気はしない。

……電話かけてみよう。

⏰:10/08/25 22:44 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#506 [愛華]
きめたのはいいものの
ボタンを押すのにはかなり
勇気が必要だった。

でもこのままでいいわけない。
あたしは番号をおしていく。


プルルルル……

隆則に繋がる番号。

⏰:10/08/25 22:50 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#507 [愛華]
「……もしもし」

わ、でた。
あたし緊張してる。
どーしよう。声がでない。

「……なんかしゃべれっつの」

黙ったままでいると
しびれをきらしたように
隆則が言った。

「あ、ごめん……久しぶりだね
一週間ぶりくらいかな」

「んーそだな。あれから
会ってなかったしな……」

⏰:10/08/25 22:56 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#508 [愛華]
隆則の言葉にドキっとする。
あれから……

「…あのときはごめんね。
ごめん。ほんとうに……」

「いや、俺がごめん。
無理矢理あんなことして…
泣かせて。俺のせいだ」

「隆則はなんも悪くない。
それに………



いやなんかじゃなかったよ」

⏰:10/08/25 22:59 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#509 [愛華]
「そっか……」

「隆則?」

「………なに」


「…………泣いてるの?」

「泣くわけねーだろばか」


嘘ばっか。声、震えてんじゃん。

⏰:10/08/25 23:02 📱:840SH 🆔:75bqmNoo


#510 [愛華]
電話の向こうから、
隆則が鼻をすすっているのが
聞こえる。

隆則ってこんな泣き虫だったの?
金髪だったくせにー…
なんか、かわいぃな。

愛しい人が泣いてる。
抱きしめたい。いますぐ。

「隆則。今あたしがなに
考えてるかわかる?」

⏰:10/08/26 02:58 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#511 [愛華]
「………なんとなく」

「あたし……隆則に会いたい。
会って話したい。いっぱい」

「………うん」

「あたし隆則がすきだよ」

「知ってるし………ばか」


なんだろう。
電話なのに
すぐそこに隆則がいるみたい。

言葉がつむがれて
心がつながっていく。

⏰:10/08/26 17:06 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#512 [愛華]
いっぱい話そうね。
いっぱい信じたいから。
傷ついて傷つけて。
傷の治しかたを知らなかったから
遠回りしちゃったね。


守ってくれてありがとう。


だいすきだからね。

⏰:10/08/26 17:09 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#513 [愛華]
「ただいま」

「那佑、おかえりなさい」

……なに?なんか様子がへん。

「なんかあったの?」

「この間の検査の結果……
病気が進行してるみたいでね。
薬がちょっと増えたの」


ドクン

⏰:10/08/26 17:13 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#514 [愛華]
病気の進行。

そっか……そうだったね。
でもショックは少なくて。
どうしてかわからなくて。

ふと顔をあげると
お母さんが泣いてた。

「……なんで泣いてんの」

「……ごめんなさい…ごめ…」

なんだろ。
涙って……人の心を溶かすのかも

⏰:10/08/26 17:18 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#515 [愛華]
憎くて憎くて仕方なかった。
傷つこうがなんだろーが
関係ないって。
それは変わったわけじゃないけど
でも。

私のために泣いてくれてる。

あぁ………そっか、同じだね。

傷ついて、また傷つけて。
同じだったんだね。
じゃあ間違っちゃダメだね。

⏰:10/08/26 17:21 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#516 [愛華]
「………お母さん」

「……!!」

やっぱり許せない。
あの時のことを思い出すと
それだけで心臓が止まるみたいに
苦しくなって、悲しくなる。
だけど。

「あたしはまだ許せないよ。
お母さんも、お父さんも。
でも、戻ってきてくれたから。
あたしのために泣いてくれたから
だから……あたし頑張る」

⏰:10/08/26 17:26 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#517 [愛華]
「……那佑……」

「時間はかかるかもしれない。
でもやっぱりお母さんだから」

あたしはお母さんの手をとって
ゆっくり自分の胸にあてる。
何年ぶりだろう、お母さんの手。
あたたかい。

「聞こえる?心臓の音」

「うん……聞こえる」

⏰:10/08/26 17:29 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#518 [愛華]
「この心臓はね、あたしの大切な
人が動かしてくれてるの。
その人のおかげで、あたしは
生きたいって思えたの。

あたしは死なない。絶対に。
だから泣かないで」

「………那佑っ……」

お母さんは泣き崩れた。
あたしも泣いてた。

あーぁ……こんな人のために
泣くなんて…あるわけないって
思ってたのにな。

⏰:10/08/26 17:34 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#519 [愛華]
いつか家族に戻れたら。
そんな風に思えたの。
自分の中に勝手に作った壁。
向こうには待ってくれてる人が
いるのに壊せなくて。

傷つけあうのは終わり。
壊すのに時間はかかるけど
ちょっとずつ。ちょっとずつ。


いつか笑顔で
「お母さんって」
呼べるように

⏰:10/08/26 17:45 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#520 [愛華]
「じゃあクリスマスは
タカとすごせるんだ!!」

「うん!ありがとね、梓」

「なんもしてないよ〜
でもよかった。いっぱい話しな」

明日はいよいよクリスマスイブ。

はやく隆則に会いたい。

⏰:10/08/26 17:51 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#521 [愛華]
その日の夜。

「え、那佑…明日いないの?」

「うん、でかけてくるから」

見るからに残念そうなお母さん。
はやめに言うべきだったなぁ…
そういえば、何年も家族と
クリスマスなんてやってない。
それが当たり前になっちゃって…

「お母さん、あたし彼氏いるの」

⏰:10/08/26 23:08 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#522 [愛華]
「へぇー……ってえぇ!?」

予想通り。でもいずれかは
ばれるだろうし……

「ど、どんな人?かっこいい?」

ん?

「まぁ……かっこいいよ」

「お母さんも会いたいなぁ」

あ、あれ?

⏰:10/08/26 23:11 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#523 [愛華]
「………反対しないの」

「ん?なんで?」

「だってあたし…病気…」

「関係ないでしょ。
那佑は普通の子なんだから。
好きな人と好きなように
つきあっていーんだよ」


なんだろ、これ。
今まで忘れてたこの温もり。
心地好いけどなんか恥ずかしい。

⏰:10/08/26 23:14 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#524 [愛華]
「……わかったようなこと
言わないでよ。言ったよね?
まだ許したわけじゃないって」

「あ……ごめんね」

………言い過ぎたかも。
こんなの慣れてないから、
突っぱねるクセがあるみたい…


なんとなく気まずくなる。
やっぱり、一度こじれたものは
簡単には戻らない。

⏰:10/08/26 23:18 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#525 [愛華]
「………明後日」

「ん?なに?」

「明後日なら大丈夫だから
クリスマスやろう。…三人で」

お母さんの顔がぱぁっと
明るくなる。

「お父さんもよろこぶね!!」



天使みたいだと思った。
一瞬だけ、
お母さんがお母さんでよかった
って 思った。

⏰:10/08/26 23:22 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#526 [愛華]
明日はきっと素敵な日になる。
やっとあなたに会えるね。

机の上に置いたプレゼント。

……よろこんでくれるかな。

わたしは…プレゼントなんて
いらないな。
隆則にぎゅってしてほしい。
頭をなでてほしい。
それだけで十分。


明日はイヴ。
一年に一度の素敵な奇跡の日。

⏰:10/08/26 23:27 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#527 [愛華]
「〜♪」
赤鼻のトナカイを口ずさみながら
お気に入りの服を着る。
プレゼントをバックに入れて
ちょっとだけメイクをする。

入院してばっかだったので
自分でいうのもアレだけど
肌は真っ白。死人かってくらい。
あ、ちょっと縁起でもないな。
例えをまちがえた…

ひとりでツッコミをいれて
鏡の前に立つ。

⏰:10/08/27 23:32 📱:840SH 🆔:rtpMYb7w


#528 [愛華]
「………よしっ」
ニヒッと自分に笑いかける。
今日一日、素敵に笑えるように。


リビングへ行くとお父さんがいた

「あ、那佑おはよう」

明日のことを聞いたらしく
気分ルンルン。うーん…複雑。
でも悪くない。こんな感じも。

「今日は夜遅くなるかも。
夜ごはんいらないから」

⏰:10/08/27 23:37 📱:840SH 🆔:rtpMYb7w


#529 [愛華]
「友達と食べてくるのか?」

お父さんの質問に
お母さんとあたしはギクッとする
お母さんを見ると首をふった。
どうやら「言わないほうがいい」
の意味らしい。

……でもなぁ。隠しとくのも…
なんていうか…ねぇ?

的な視線をお母さんに送る。
お母さんはクスッと笑って
ぽけーっとしている。

⏰:10/08/27 23:43 📱:840SH 🆔:rtpMYb7w


#530 [愛華]
…なにぽけーっとしてんだ。
とか思ったけど
お母さんはにやけながら
ぽけーっとどっかの世界にワープ
したまま。

どうやら、あたしと
アイコンタクトできたことが
嬉しくてたまらないらしい。

……小学生か!

でも悪くない。こんな感じも…

⏰:10/08/27 23:49 📱:840SH 🆔:rtpMYb7w


#531 [愛華]
ワープしたままのお母さんは
ほっといて……

「誰となんだ?友達か?」

お父さんは引き下がらない。
しつこいなぁ……

「しつこいってば!!」

スクランブルエッグを食べながら
あたしは怒鳴る。

⏰:10/08/28 22:36 📱:840SH 🆔:BijV78wY


#532 [愛華]
「そうよ、お父さん。
しつこいのはダメよ。ねっ?」

といいながらアイコンタクトを
送ってくるお母さん。

……こっちもね(笑)

「彼氏とすごすんだよ」

「「!!」」

二人の表情が固まる。

⏰:10/08/28 22:44 📱:840SH 🆔:BijV78wY


#533 [愛華]
「なっばっ……なにをっ」

お父さんは驚きすぎて
言葉になっていない。

「なんで言っちゃうのー!!
那佑との秘密……
アイコンタクトが……」

言わないほうがいいって……
それが理由ですか?母よ。

あたしは呆れながら黙々と
朝ごはんを食べる。

⏰:10/08/29 01:38 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#534 [愛華]
「ごちそーさま」

あたしは病気の薬をザラッと
流し込む。もう慣れたこと。


「じゃーいってくんねー」

「あ、うんいってらっしゃい!」

「待ちなさい、那佑!
誰なんだ彼氏って!?
どこで知り合ったんだ!?
待ちなさ…ま、待って下さい!」

⏰:10/08/29 11:44 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#535 [愛華]
プライドもなにもない父。

「いってきまーす」

「那佑ー!!」

お母さんに押さえ付けられた
お父さんが叫ぶ。
あたしはそれを無視して家を出た

…朝から疲れたな…
でも、なんていうか
愛されているのかもって
ちょっとだけ思えたな。

ほんとはもっと前から、そう
だったのかもしれないけれど
気づいていなかったんだ。

⏰:10/08/29 11:50 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#536 [愛華]
幼さが原因でいっぱい傷つけた。
でもしょうがなかった、
なんて言えない。




いい天気だなぁ。

あたしは足早と
隆則との待ち合わせ場所に
向かった。

⏰:10/08/29 11:58 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#537 [愛華]
−隆則side−

⏰:10/08/29 18:39 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#538 [愛華]
那佑から電話がきた時。
ほんとうにびっくりした。

声がききたくてたまらなくて。
でも聞いたら会いたくなる。
合わせる顔なんてないのにな…
頭の中でぐるぐると同じ考えが
サイクルしていて
やっとのことで電話を決心。

そんな時、電話がきた。

那佑。おまえは俺の考えが
読めるのかよ?

⏰:10/08/29 18:43 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#539 [愛華]
那佑の声をきいていると
不思議と涙がでた。

……ばかかっつの。
俺は自分が思ってるよりも
ずっとずっと……弱い。


ごめんな、那佑。
いっぱい話そう。
思ってること全部。

そしたらきっとまた強くなれる。
また笑顔になれるからさ。

⏰:10/08/29 18:50 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#540 [愛華]
クリスマスは那佑と
すごすことになった。


となると………


「頼むよ、誨!!」

「ぜってぇやだ!!」

「そんなこと言うなよ!
親友だろ!?」

「なんで、てめぇの彼女の
クリスマスプレゼントなんか
選ばなきゃなんねんだよ!」

⏰:10/08/29 18:56 📱:840SH 🆔:nVEg4Z9s


#541 [愛華]
「長谷に言っても、断られた
からさぁ……」

「長谷さんに頼んだのか!?」

「うん、断られたけど…
長谷に頼むのはダメだった?」

「あたりめぇだろ!!
あんなオッサンに那佑ちゃんの
プレゼント選ばせてみろ!!
あのオッサン、股引きとか
腹巻き持ってくっぞ!!」

長谷さんざんに言われてんな…
ちょっと同情。ちょっとな。

⏰:10/08/30 00:18 📱:840SH 🆔:xOCwaBhc


#542 [愛華]
なんとか誨に頼みこんで
夕飯をおごるという条件で
ついてきてもらうことになった。

「で……那佑ちゃんには
なにあげようとしてんの?」

「んー…どうすっかなぁ…」

「………きめてねぇのかよ…」

あてもなく、とりあえず
ブラブラと店をまわる。
誨は隣であくびをしながら
見てるだけ。
……ちょっとは意見しろよ!!

⏰:10/08/30 00:23 📱:840SH 🆔:xOCwaBhc


#543 [愛華]
なにもきまらないまま
空は赤くなっていった。
冬は日が暮れるのが早い。

「なぁ〜腹減ったよぉ〜」

誨が文句を言いはじめたので
とりあえずメシを食うか…
と思っていた時。

「あれ、タカじゃん」

「………梓!!」

「ん?隆則、その子だれだよ?
お前まさか……」

「んなわけねーだろ!
幼なじみだよ、ただの!!」

⏰:10/08/31 17:45 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#544 [愛華]
隆則が、ただの を強調した時
梓が少し淋しそうな顔をしたのを
誨は見逃さなかった。

「はっじめまして!!
俺、隆則の親友の誨っす!」

「あ、タカの幼なじみの梓です。
えと……タカとルームシェア
してる方ですよね」

「そうだよ!てゆか幼なじみ
なのに、今まで会ったこと
なかったよな?」

⏰:10/08/31 17:49 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#545 [愛華]
「はい。私、ちょっと前まで
アメリカに留学してたので…」

………留学。なるほどね…

「そーなんだぁ。
ま、よろしくね。梓ちゃん」

「あ、はい……」

「おい誨。梓に変なちょっかい
かけてんじゃねーぞ」

「話してただけじゃーん☆」

「てゆかタカ、こんなとこで
なにやってんのー?」

⏰:10/08/31 17:53 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#546 [愛華]
「あ、あ〜ちょっとな……」

「………隆則、俺帰るわ。
もう遅いしさ、梓ちゃん送るよ。」
「……はぁ!?」

「か、誨さん。でも電車……」

「いーからいーから!!」

なんてやろうだ。第一、
俺との用事も済んでねぇのに。
しかも梓を送るだと?
そっちのほうが危険だボケ!!

「おま…なにいいだすんだ!?」

⏰:10/08/31 17:59 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#547 [愛華]
「夕食おごるの無しでいーから。
お前もまだ用事すんでねぇだろ」

グサッ

「……梓に変なことすんなよ」

「おっけー☆」

「え、ちょ、タカ!?」

⏰:10/08/31 18:03 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#548 [愛華]
確かに外は暗いし。
誰かに送ってもらったほうが
安全だ。
それに誨の夕食代も浮く。
正直、誨は役に立たなかったし。

そう隆則が思っていた一方。

一番意味がわからないのは
梓だった。
自分は買い物に来ただけなのに…
なぜこんな軽そうな男
(しかも5分前に知り合った)
に送ってもらわなければ
ならないのか。

⏰:10/08/31 18:08 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#549 [愛華]
「タカのばかーっっ!!」

「梓〜気ぃつけてな〜」

梓をズルズル引きずりながら
歩いていく誨。


さて。誨はいなくなったし
どうしようか……

考えていると、
横にアクセサリーショップが
見えた。

⏰:10/08/31 18:14 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#550 [愛華]
.





梓と誨は夜道を歩いていた。

「寒くなってきたねぇ梓ちゃん」

「………そーですね」

「息しろいよーホラ!」

「………そーですね」

さっきからずっとこんな調子だ。

⏰:10/08/31 18:17 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#551 [愛華]
「…梓ちゃんさぁ、
彼氏とかいないわけー?」

「……いませんけど」

「ほんとー?かわいいのにー!」


……なんなんだ、この男は。
さっきからふざけた感じで
ヘラヘラ関係ないこと聞いてきて
タカもなんでこんな男と……


梓はイライラしながら、
誨の前をずんずんと歩いていた。

⏰:10/08/31 18:23 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#552 [愛華]
「……じゃあさぁ……



好きなひととかはぁ?」


ピタ


誨の言葉で梓の足が止まる。


「……いませんよ」

「…ほんとかなぁーってねー」

誨がトテテテと無邪気そうに走り
前を歩いていた梓を追い越す。

⏰:10/08/31 18:29 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#553 [愛華]
「俺さぁ、わかっちゃうんだー
そーゆーの。才能みたいな?」

「………」

梓は黙ったまま。
見透かされてるみたいで
気持ち悪かった。


「……いつから隆則のこと、
好きだったの?」

誨は優しく、心を撫でるように
聞いた。

⏰:10/08/31 18:34 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#554 [愛華]
「……小さい頃からですよ。
それがなんですか?」

梓は、誨に嘘をつく気には
なれなかった。

だって嘘じゃないし。
ほんとうのことだし。


「ふーん…那佑ちゃんとのことは
知ってるの?」

梓はやっと理解できた。

⏰:10/08/31 19:54 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#555 [愛華]
誨さんは釘を刺しに来たんだ。
親友は今、大事な恋人がいる。
あたしが隆則を好きなのを知って

手をだすな。余計なことするな。

と。

でも、あたしは……


「…知ってます。那佑は…
あたしの親友です」

「親友?じゃ、病気のことも?」

「もちろん、です」

⏰:10/08/31 20:00 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#556 [愛華]
誨は驚いた顔をした。
てっきり、知らないとばかり。
知らなくて想いを寄せていると…

「……なのに、好きなの?」

「ダメなんですかね?」

「いや、ダメじゃないけど…」

面くらったかんじだ。
本当はもっと別のことを言う
つもりでいたのに……

「叶わないってわかってるのに、
好きでいるの?」

⏰:10/08/31 20:04 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#557 [愛華]
梓はにっこり微笑んだ。

「あたしは、隆則が幸せなら、
那佑が幸せならそれでいい。
どちらか一個なんて嫌です。
どっちとも幸せになってほしい。
想ってるだけでいいんですよ」

誨には理解できなかった。

だって傷つくじゃん、そんなの。
現に今、悲しそうな顔
してんじゃんか。


自分の中の、何かが
壊されたような。
でも心地好い痛み。

⏰:10/08/31 20:09 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#558 [愛華]
「……つらくないの?」

「さっきから聞いてばっか」

梓はふっと笑った。

「たまに辛いかな?ぐらい。
二人の笑ったとこみると、
安心するし。

あたしはそれで充分。
充分すぎるくらいですよ?」

「君はしあわせに……」

なりたいと、思わないの?

でも言葉が出てこなかった。

⏰:10/08/31 20:38 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#559 [愛華]
誨の中に一瞬だけ、ひとつの
想いがめぐっていった。

「ん?なんですか?」

「あ、いや……」

なんだ?今の…?

いつのまにか梓の家に着いていた

「電車のほうが早かったのにー」

そういって笑った彼女。
女神みたいな。
なんか、そーゆー系の。
すっごい綺麗な笑顔だった。

⏰:10/08/31 20:42 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#560 [愛華]
「送ってくれて、ありがと。
一応いっときますね?一応」

「なんかムカつくなー」

「……」

ん?急に黙った。

「……大丈夫ですからね!
あたし、タカをとる気なんか
砂粒ほどもないですから!!」

「……うん、わかったってば。
てか、寒いから部屋はいんな」

「はい。……さよならっ」

⏰:10/08/31 20:47 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#561 [愛華]
カチャン


家の中から
「さっぶかった〜」
などと、梓の声が聞こえ、
たまらず誨は吹き出す。


……オッサンかよ。



あの時、頭にめぐったひとつの
一瞬の、想い。

⏰:10/08/31 20:49 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#562 [愛華]
誰だって幸せになりたいと思う。
そんなの当たり前。
でも、そんな想いが叶わない時
だってある。

なら……
俺が 君を しあわせに。


「……ばかみてぇ、俺」

傷つくの、わかってるし。
もう傷つくのはうんざりだ。

痛みから逃げて、逃げすぎて。
とうの昔に、恋の仕方なんて
忘れちまった。

⏰:10/08/31 20:53 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#563 [愛華]
ってゆーか
これは恋じゃないだろ。

なんつーか
同情?みたいな?

うん。傷ついてんのに
痛みに我慢しちゃってさ。

なんか、かわいそーだなって。
俺には絶対無理だもん。


それだけ。
ただ、それだけ。


雪が降ってきた。

世間は恋人達のクリスマス。

⏰:10/08/31 20:57 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#564 [愛華]




………やっと買えた。
ほんとに疲れた。
人生でベスト3に入るくらい。
あーそれは大袈裟かなぁ。

しかし、人にプレゼント買うの
って、こんな大変なんだな。
サンタさんは大変だろーに。
あ、でもサンタさんは
プレゼント届けるだけか。
ん?プレゼント買う専門の
サンタさんがいるのか?
したら、ラッピング専門の
サンタさんと、
トナカイの世話するサンタさん…

⏰:10/08/31 21:15 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#565 [愛華]
「なにブツブツ言ってんの、
隆則!!おーい!!」

「あ……誨?なんでここに?」

「ちゃんと買えたのか心配でさ…
ってかお前、なんか痩せた?」

「気のせいだろー…」

「そっか?ならいーけど。
お、ちゃんと買えたんだな」

淡いピンクの小さい箱。
最後は直感で選んだ。

⏰:10/08/31 21:19 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#566 [愛華]
「超つかれた……精神的に」

「うん、見ればわかるわ。
まぁよかった。んじゃ帰るか」


そういえば……


「梓、ちゃんと送ってくれた?」

「んぁ?あーうん」

「変なことしてねーよな?」

⏰:10/08/31 22:58 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#567 [愛華]
「うん。てゆーか、なんで
そんなに心配するわけ?」

「梓は妹みたいな存在だから」

「ふーん……そりゃ無理だわな」

「ん?なにが?」

「いや、こっちの話」

…?全くわけがわからない。
でも誨の顔を見ると……
いや、なんかあったなこりゃ。
気になるけど
聞くのはまた今度にしよう。

⏰:10/08/31 23:01 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#568 [愛華]
いつも読んで下さって、
ありがとうございます

ここで、ちょっと
読んで下さってるみなさんに
伺いたいことがあります。

この小説は、自分として
アイディアが出た時に
ばーっと書いちゃう感じで
けっこう速いペースで更新
してるのですが
みなさんから見ると、
どうなんでしょうか?

ペース的にもう少しゆっくり
または、もう少しはやく!でも
なんでもいいのですが

更新するペースについて
参考にしたいので
意見を書いてほしいです

よろしくお願いします

⏰:10/08/31 23:42 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#569 [我輩は匿名である]
いつも楽しく読ませて頂いてます^^

私的には、少しずつでもいいのであまり日を空けないで更新してほしいです(^O^)
なんだか図々しくてすみません;;

あと、意見はココでよかったでしょうか?もし感想板の方がよかったなら申し訳ないです(;_;)

では、これからも頑張ってください(*^o^*)

⏰:10/08/31 23:51 📱:SH004 🆔:tsCioqDQ


#570 [愛華]
>>569
ご意見ありがとうございます
参考にしますね!

ここに書いてもらっても
全然かまいません
感想板のほうにもぜひ
きてくださいねテ


意見、感想まっています。

⏰:10/09/01 20:08 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#571 [愛華]
>>567


そんなこんなでイヴがきた。
いつもとなにも変わらない日。
だけどなんとなく違う。

「誨〜出かけてくっからなぁ?」

「ん〜眠いんだから寝かせろよ」

「……ったく。残りもん勝手に
食べてろよ?」

「……夜は俺いねーよ」

⏰:10/09/01 20:15 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#572 [愛華]
「ん?誰かと遊ぶのか?」

「………内緒〜」

? 全く謎なやつだ。

「じゃーなぁ」

俺は家を出た。
雪がかなり積もっていて
思うように歩けない。

雪かきぐらい誰かしろよ〜


駅まで歩いていくため
かなりきつい。

⏰:10/09/01 20:19 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#573 [愛華]
足で雪をどかして歩く。
クリスマスなのでそれなりに
人通りも多いとこまで来た。
でもまだ駅までは距離がある。

人も多くて歩きずれぇな……

しょうがないので、
いったん道を外れて
人通りの少ない道を通って
近道することにした。

雪は残っているけれど
さっきよりは歩きやすい。

⏰:10/09/01 20:24 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#574 [愛華]
ザクザクザク………

雪を踏み込む音が響く。


………………ピタ


なんだ?……誰か、いる?

根拠はない。でも視線を感じた。

………気のせいか?

ザクザクザク……

また歩きだす。

⏰:10/09/01 20:26 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#575 [愛華]
………!!

俺ら振り向いた。

間違いじゃない。
視線を感じた。
でも誰もいない。

……なんなんだよ。

時計を見ると、かなり時間が
ヤバかった。
急がなきゃいけない。
早く行かなきゃ。

⏰:10/09/01 20:28 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#576 [愛華]
俺は足をはやめて歩いた。


ザクザクザク……


ザク



今、足音が二重に……


ドカッ!!



早く、行かなきゃ。
那佑のところへ。

⏰:10/09/01 20:31 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#577 [愛華]
-那佑side-

⏰:10/09/01 20:33 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#578 [愛華]
約束の時間から20分。


隆則は………まだ来ない。


……どうしたんだろう。
言いようのない不安。

携帯へ電話しても繋がらない。
メールの返事もない。

なにかあったのかもしれない。
でも、ここを動くわけには……


待ってよう。隆則は来る。
絶対に……来る。

⏰:10/09/01 20:38 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#579 [愛華]
-隆則side-

⏰:10/09/01 23:35 📱:840SH 🆔:t33.xaf2


#580 [愛華]
ポタッ……

真っ赤な血が、真っ白な雪を
深紅に染めていく。

「………ってぇな……」

頭を触ると、手が血でべっとりと
濡れていた。

頭割られた……
なぜかわからないけど
不思議なほど冷静で。

⏰:10/09/02 16:42 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#581 [愛華]
ふ、と後ろを見ると、
そこにはバットやらなんやらを
持った男たちが5人。

よく見たら……


「てめぇら那佑の時の……」

「覚えてたのか」

そいつらは、那佑を拉致った
男たちだった。
あの時の報復だろう。


「頭割っただけじゃすまねぇ。
痛い目にあわせねぇとさ。
これの分」

⏰:10/09/02 16:49 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#582 [愛華]
そう言って笑った男は、
那佑をヤろうとしたやつで
歯が二本なかった。

「あの時のやつか。
三本折ったと思ったのになぁ…
で、どーしよーってわけ?」

「言うまでもねぇだろーがよ」

男たちは俺を囲みはじめた。
人通りが少ない道なので
誰も来ない。

⏰:10/09/02 16:54 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#583 [愛華]
………さて、どうする。

那佑と出会って……
もう人を傷つけるのはやめた。
ケンカはもうしない…って。

でも。

「こーゆーやつは口で言っても
わかんねんだよなぁ……」

「あぁ?なんか言ったかよ?」

「お互いのためにさ。
こんなことやめとかない?
無駄な血みたくないし。
ケンカしたいわけでもねぇし」

⏰:10/09/02 16:58 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#584 [愛華]
「それ…俺たちが聞くとでも?」

男たちはジリジリ近づいてくる。


「………言ってみただけだよ」


那佑。あと一応、イエス様にも。

ごめんなさい。

「クリスマスにケンカかぁ…」


ごめん。ちょっと遅れるよ。

⏰:10/09/02 17:03 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#585 [愛華]
ブンッッ!!

振り下ろされたバットを軽く避け
みぞおちに一発。

「がはっ!!」


ひるむ隙を与えず、弁慶に蹴りを
二発。これでもう立てない。


「いてぇぇぇ!いてぇよぉ」

「骨、検査したほうがいーよ」

手加減しなかったし。

⏰:10/09/02 22:43 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#586 [愛華]
「てめぇ!」

何人かがいっぺんに来る。

俺は倒れたやつのバットを取って
さらに弁慶を叩く。
ちなみに、金属。
痛いだろーなー


ビギッッ!!


嫌な音が響いた。

さらに顔面に強めの一発。
バットはまずいから拳で。

⏰:10/09/02 22:48 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#587 [愛華]
「うぎゃぁぁ!!」

この声に誰か気づいて
来てくんねぇかなー…


そんなことを思っていると。


ドガッッ!!


後ろからやられた。

さらに血が吹き飛ぶ。


何かが、 壊れる。

⏰:10/09/02 22:52 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#588 [愛華]
「ぎゃはははは」

笑いながら殴られつづける。


………やべ、死ぬかも。



戻っていく。 あの頃に。
狂っていく。 あの頃みたいに。


なんてことねぇ。
なんてことねんだよ。

⏰:10/09/02 22:55 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#589 [愛華]
「…………がばっっ!!」


俺は、殴っていた男の首を掴み
壁に打ち付けた。

「ちょ……マジ……死…」

ギリギリと容赦なく首を絞める。

「言ったよな?次はねぇって。
こうなるの覚悟で来てんだろ?
もう、止める気ねぇから」

「か…は……」

⏰:10/09/02 22:59 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#590 [愛華]
自分で自分がコントロール
できない。
今の俺は……過去の俺そのもの。


「…………!!」

さらに拳で殴ろうとした時。




「…………タカ!!!?」

⏰:10/09/02 23:01 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#591 [愛華]
「………梓」

なんでここに?
いや、そんなのいいや。

ドカッ!!

俺は殴っていた。

「タカ!!タカ、やめてよ!」

梓が俺の腕を掴み、離さない。

「離せよ、梓。こいつはな…」

「…………那佑が待ってる!!」

⏰:10/09/02 23:05 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#592 [愛華]
那佑………?

「那佑……待ってる?」

「那佑、きっと待ってるよ。
いってあげなきゃダメだよ。
こんなとこで…こんな日に。
那佑が喜ぶと思うの!?」

那佑。那佑が待ってる。



引き戻される。一瞬で。

⏰:10/09/02 23:08 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#593 [愛華]
「……梓わりぃ……俺……」

「話は帰ってきてからでいいよ。
今は那佑のとこに行ってあげて。
その血、拭いてからね」


「わかった……さんきゅな」



俺は走った。ただひたすら。

⏰:10/09/02 23:11 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#594 [愛華]
………さて。
この後始末はどうしようか。

あたしは男たちに近づいた。


「……だいじょうぶ?」

あたしは血をハンカチで優しく
拭いて、言った。

「今日はクリスマスイヴだよ?
くだらないことしちゃダメだよ。

あとね、これ、ここだけでね。
警察とか言ったら、あんたらも
ダメージくらうからね?」

⏰:10/09/02 23:15 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#595 [愛華]
「………」

悔しそうな顔をする男。

「あんたらも運わるいよ。
ほんとに……死んでたかもよ?
感謝しなよね」

あたしは立ち上がった。

「……あ、それからね」

「……まだなんかあんのか」

「次。最後だよ?多分。
タカがほんとに本気になっちゃう
のは。これに懲りたら
プライドとかそんなものより
自分だいじにしなよ」

⏰:10/09/02 23:20 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#596 [愛華]
あたしはそれだけ行って、
そこを出た。


ザクザク………


街を歩くと、楽しそうに笑う
人たちとすれ違う。


……なんだろう、この気持ち。


今日はなんとなく嫌な予感がして
なんとなく出歩いていた。

⏰:10/09/02 23:24 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#597 [愛華]
今ごろ、タカと那佑は……
そんなことを考えながら。

そしたら予感が当たってしまった



………ほら。
あたしの方がタカをわかってる。
あたしの方が助けられる。
あたしのほうが……


「こーんにーちわっっ!!」

⏰:10/09/02 23:27 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#598 [愛華]
「………誨……さん」

「なーにやってんの?
今日イヴだよ?遊ばないの?」

誨さんはあたしの家の前にいた。

………待ってたの?なんのため?


「……あたし友達少ないんで」

「そーなの?ふーん……」


あたしは家に帰る気になれず、
そのまま家を通り過ぎ、歩いた。

⏰:10/09/02 23:31 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#599 [愛華]
ザクザク……

「……なんでついてくんですか」

「俺もこっちに行きたいだけー」

「……あ、そーですか」


ザクザク……


無言のまま歩き続ける。

何か話すつもりもなかったし。
誨さんもそれはわかってたん
だと思う。

⏰:10/09/02 23:34 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#600 [愛華]
ザクザク……


「寒いねぇー」

「……そうですか?」

「うん。てゆかさ隣、来ない?」

「………は?」

「あ、嘘。うそでーす」

「…………」


あたしは黙って、歩調を合わせ
誨さんの隣に来た。

⏰:10/09/02 23:36 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#601 [愛華]
「へ……あ…」

「…なんですか?隣に来いって
誨さんが言ったんですよ?」

「あ、そーでしたね……はい…」



ザクザク…………



「………誨さん」

「んー?なに?」

⏰:10/09/02 23:39 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


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