その日が来る前に、
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#512 [愛華]
いっぱい話そうね。
いっぱい信じたいから。
傷ついて傷つけて。
傷の治しかたを知らなかったから
遠回りしちゃったね。
守ってくれてありがとう。
だいすきだからね。
:10/08/26 17:09
:840SH
:0wYw1oSI
#513 [愛華]
「ただいま」
「那佑、おかえりなさい」
……なに?なんか様子がへん。
「なんかあったの?」
「この間の検査の結果……
病気が進行してるみたいでね。
薬がちょっと増えたの」
ドクン
:10/08/26 17:13
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:0wYw1oSI
#514 [愛華]
病気の進行。
そっか……そうだったね。
でもショックは少なくて。
どうしてかわからなくて。
ふと顔をあげると
お母さんが泣いてた。
「……なんで泣いてんの」
「……ごめんなさい…ごめ…」
なんだろ。
涙って……人の心を溶かすのかも
:10/08/26 17:18
:840SH
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#515 [愛華]
憎くて憎くて仕方なかった。
傷つこうがなんだろーが
関係ないって。
それは変わったわけじゃないけど
でも。
私のために泣いてくれてる。
あぁ………そっか、同じだね。
傷ついて、また傷つけて。
同じだったんだね。
じゃあ間違っちゃダメだね。
:10/08/26 17:21
:840SH
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#516 [愛華]
「………お母さん」
「……!!」
やっぱり許せない。
あの時のことを思い出すと
それだけで心臓が止まるみたいに
苦しくなって、悲しくなる。
だけど。
「あたしはまだ許せないよ。
お母さんも、お父さんも。
でも、戻ってきてくれたから。
あたしのために泣いてくれたから
だから……あたし頑張る」
:10/08/26 17:26
:840SH
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#517 [愛華]
「……那佑……」
「時間はかかるかもしれない。
でもやっぱりお母さんだから」
あたしはお母さんの手をとって
ゆっくり自分の胸にあてる。
何年ぶりだろう、お母さんの手。
あたたかい。
「聞こえる?心臓の音」
「うん……聞こえる」
:10/08/26 17:29
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#518 [愛華]
「この心臓はね、あたしの大切な
人が動かしてくれてるの。
その人のおかげで、あたしは
生きたいって思えたの。
あたしは死なない。絶対に。
だから泣かないで」
「………那佑っ……」
お母さんは泣き崩れた。
あたしも泣いてた。
あーぁ……こんな人のために
泣くなんて…あるわけないって
思ってたのにな。
:10/08/26 17:34
:840SH
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#519 [愛華]
いつか家族に戻れたら。
そんな風に思えたの。
自分の中に勝手に作った壁。
向こうには待ってくれてる人が
いるのに壊せなくて。
傷つけあうのは終わり。
壊すのに時間はかかるけど
ちょっとずつ。ちょっとずつ。
いつか笑顔で
「お母さんって」
呼べるように
:10/08/26 17:45
:840SH
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#520 [愛華]
「じゃあクリスマスは
タカとすごせるんだ!!」
「うん!ありがとね、梓」
「なんもしてないよ〜
でもよかった。いっぱい話しな」
明日はいよいよクリスマスイブ。
はやく隆則に会いたい。
:10/08/26 17:51
:840SH
:0wYw1oSI
#521 [愛華]
その日の夜。
「え、那佑…明日いないの?」
「うん、でかけてくるから」
見るからに残念そうなお母さん。
はやめに言うべきだったなぁ…
そういえば、何年も家族と
クリスマスなんてやってない。
それが当たり前になっちゃって…
「お母さん、あたし彼氏いるの」
:10/08/26 23:08
:840SH
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