その日が来る前に、
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#518 [愛華]
「この心臓はね、あたしの大切な
人が動かしてくれてるの。
その人のおかげで、あたしは
生きたいって思えたの。

あたしは死なない。絶対に。
だから泣かないで」

「………那佑っ……」

お母さんは泣き崩れた。
あたしも泣いてた。

あーぁ……こんな人のために
泣くなんて…あるわけないって
思ってたのにな。

⏰:10/08/26 17:34 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#519 [愛華]
いつか家族に戻れたら。
そんな風に思えたの。
自分の中に勝手に作った壁。
向こうには待ってくれてる人が
いるのに壊せなくて。

傷つけあうのは終わり。
壊すのに時間はかかるけど
ちょっとずつ。ちょっとずつ。


いつか笑顔で
「お母さんって」
呼べるように

⏰:10/08/26 17:45 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#520 [愛華]
「じゃあクリスマスは
タカとすごせるんだ!!」

「うん!ありがとね、梓」

「なんもしてないよ〜
でもよかった。いっぱい話しな」

明日はいよいよクリスマスイブ。

はやく隆則に会いたい。

⏰:10/08/26 17:51 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#521 [愛華]
その日の夜。

「え、那佑…明日いないの?」

「うん、でかけてくるから」

見るからに残念そうなお母さん。
はやめに言うべきだったなぁ…
そういえば、何年も家族と
クリスマスなんてやってない。
それが当たり前になっちゃって…

「お母さん、あたし彼氏いるの」

⏰:10/08/26 23:08 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#522 [愛華]
「へぇー……ってえぇ!?」

予想通り。でもいずれかは
ばれるだろうし……

「ど、どんな人?かっこいい?」

ん?

「まぁ……かっこいいよ」

「お母さんも会いたいなぁ」

あ、あれ?

⏰:10/08/26 23:11 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#523 [愛華]
「………反対しないの」

「ん?なんで?」

「だってあたし…病気…」

「関係ないでしょ。
那佑は普通の子なんだから。
好きな人と好きなように
つきあっていーんだよ」


なんだろ、これ。
今まで忘れてたこの温もり。
心地好いけどなんか恥ずかしい。

⏰:10/08/26 23:14 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#524 [愛華]
「……わかったようなこと
言わないでよ。言ったよね?
まだ許したわけじゃないって」

「あ……ごめんね」

………言い過ぎたかも。
こんなの慣れてないから、
突っぱねるクセがあるみたい…


なんとなく気まずくなる。
やっぱり、一度こじれたものは
簡単には戻らない。

⏰:10/08/26 23:18 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#525 [愛華]
「………明後日」

「ん?なに?」

「明後日なら大丈夫だから
クリスマスやろう。…三人で」

お母さんの顔がぱぁっと
明るくなる。

「お父さんもよろこぶね!!」



天使みたいだと思った。
一瞬だけ、
お母さんがお母さんでよかった
って 思った。

⏰:10/08/26 23:22 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#526 [愛華]
明日はきっと素敵な日になる。
やっとあなたに会えるね。

机の上に置いたプレゼント。

……よろこんでくれるかな。

わたしは…プレゼントなんて
いらないな。
隆則にぎゅってしてほしい。
頭をなでてほしい。
それだけで十分。


明日はイヴ。
一年に一度の素敵な奇跡の日。

⏰:10/08/26 23:27 📱:840SH 🆔:0wYw1oSI


#527 [愛華]
「〜♪」
赤鼻のトナカイを口ずさみながら
お気に入りの服を着る。
プレゼントをバックに入れて
ちょっとだけメイクをする。

入院してばっかだったので
自分でいうのもアレだけど
肌は真っ白。死人かってくらい。
あ、ちょっと縁起でもないな。
例えをまちがえた…

ひとりでツッコミをいれて
鏡の前に立つ。

⏰:10/08/27 23:32 📱:840SH 🆔:rtpMYb7w


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