その日が来る前に、
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#598 [愛華]
「………誨……さん」

「なーにやってんの?
今日イヴだよ?遊ばないの?」

誨さんはあたしの家の前にいた。

………待ってたの?なんのため?


「……あたし友達少ないんで」

「そーなの?ふーん……」


あたしは家に帰る気になれず、
そのまま家を通り過ぎ、歩いた。

⏰:10/09/02 23:31 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#599 [愛華]
ザクザク……

「……なんでついてくんですか」

「俺もこっちに行きたいだけー」

「……あ、そーですか」


ザクザク……


無言のまま歩き続ける。

何か話すつもりもなかったし。
誨さんもそれはわかってたん
だと思う。

⏰:10/09/02 23:34 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#600 [愛華]
ザクザク……


「寒いねぇー」

「……そうですか?」

「うん。てゆかさ隣、来ない?」

「………は?」

「あ、嘘。うそでーす」

「…………」


あたしは黙って、歩調を合わせ
誨さんの隣に来た。

⏰:10/09/02 23:36 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#601 [愛華]
「へ……あ…」

「…なんですか?隣に来いって
誨さんが言ったんですよ?」

「あ、そーでしたね……はい…」



ザクザク…………



「………誨さん」

「んー?なに?」

⏰:10/09/02 23:39 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#602 [愛華]
あたしは自分が誨さんを呼んだ
ことに驚いた。
知らないうちに…呼んでた。


「……タカの中学時代
知ってます?」

「え……知らねぇけど」

「………ひどかったんですよ」

「ひどい……?」

⏰:10/09/02 23:42 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#603 [愛華]
「毎晩血だらけで帰ってきて。
お父さんとお母さん亡くした
ショックからなのかな?
わかってたのに……
あたしはなんもできなかった。
なにひとつ」

「んなこと……」

誨さんも言葉が見つからない
みたいだった。

「毎晩ケンカに狂って。
髪も染めて。…どんどん離れて…
それが怖くてなにもできなくて。
そのままアメリカに留学」

⏰:10/09/03 01:45 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#604 [愛華]
「あたし逃げたんです、タカから
なにもできない自分がいやで
でも、帰ってきたらもしかしたら
前のタカに戻ってるかも…って」

何が言いたいんだろ、あたし。
でも……とまんない。
吐き出さなきゃ、潰れちゃうよ。


「………ダメでしたけどね」

⏰:10/09/03 01:48 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#605 [愛華]
「……梓ちゃん」

「……あたしは何もできなかった
のに……今は那佑のことを話す
だけでタカを止められる。
タカの心を動かせるのは
これからも那佑だけなんです」


そう。わかってた。
そして納得もしてた。
だから笑ってられた。
だから、よかったねって言えた。

でも………でもね。

⏰:10/09/03 01:52 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#606 [愛華]
「たまに思っちゃうんです。
自分のほうが……って。
そんな自分が………たまらなく
嫌になるんです……」

ずっとずっと溜めてた想い。
今さらなのに、こんなの。



「幸せだとか嘘ばっかついて…
自業自得でしょーそんなの。
自分で自分傷つけてんじゃん」

「うるさいですねっ!!
言っただけですよ!!
吐き出すために!全部!」

⏰:10/09/03 01:56 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#607 [愛華]
「俺には無理だねー
そんなボロボロの恋愛」

「……ボロボロで悪いですか」

「…………」


だまんないでよ!
なんか言えよばーか!!



「………悪くないんじゃん?」

「え…?」

⏰:10/09/03 01:59 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


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