その日が来る前に、
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#628 [愛華]
那佑はもう一度、頭を俺の胸に
つけた。震えていた。


「……ケンカしたっていい。
血だらけになったって
足が折れたって、別にいい」


別にいいのかよ……




「…ボロボロになってもいい。
でも……ぜったいに帰ってきて。
最後は私のとこに帰ってきてね」

⏰:10/09/05 17:47 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#629 [愛華]
「…………」


「置いてかれるのはもう嫌。
置いてかないで。一人はやだ。
だから帰ってきてね」


泣きながら言う那佑。

俺の目の前で
『置いてかないで』
といった17歳の女の子は

とても幼く見えて。
とても愛しく見えた。

⏰:10/09/05 17:52 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#630 [愛華]
その言葉を聞いただけで

今までの彼女の孤独とか

悲しみとか痛みとか。

彼女の心についた無数の

傷をつけたものの正体が

すべてわかった気がして。


目の前の彼女が

ひどく小さく見えて。

⏰:10/09/05 17:59 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#631 [愛華]
心の傷は治せないから。

だから。

君の前で、今誓う。



「あたりまえじゃん。
那佑のとこに帰るから。
帰ってくるから」

「………うん。うん……」

一生懸命うなずく那佑。


俺の帰る場所は………ここ。

⏰:10/09/05 18:03 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#632 [愛華]
「………那佑。手、だして」

「……なんかくれるの?」

「まぁそんなとこ。目つぶって」


静かな時間。
やさしくて、あったかい。


「………なんかしてる?
指、冷たい感じするんだけど…」

「………目、あけていーよ」

⏰:10/09/05 18:14 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#633 [愛華]
「わ…………」

那佑の指には小さな小さな
指輪がはめられていた。
ハートのモチーフの
キラキラ輝く指輪。


「…………」

「なんか………言えよ」

わ、俺ぜってぇ顔赤い。
はずっっ……
頼むからなんか言ってくれ……

⏰:10/09/05 18:17 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#634 [愛華]
「すごい………かわいい。
すごいすごい………かわいい」

「あ、えと………よかった」

「隆則………ありがとう。
大好き。大好きだからね」

「あ、うん」

「嘘じゃないよ。嘘じゃない」

「なんで2回ずつ言うんだよ」

俺はふっと笑った。

⏰:10/09/05 18:25 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#635 [愛華]
「うー……」

「わっっなんで泣くの!」

「や、嬉しすぎて…とまんない」

「ばかじゃねーの……」

そういって那佑を抱きしめる。



「寒いから……帰ろっか」

「…帰んの?クリスマスだよ?」

⏰:10/09/05 18:30 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#636 [愛華]
「だって隆則、血だらけだし。
あたしもう満足だし」

「え〜いいのかよ……」

そう言って、手をつなぎ
那佑と歩きだす。



…………まぁいっか。

⏰:10/09/05 18:32 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#637 [愛華]
嬉しい時も涙って出るのか。
流したことないからわかんないな
でも、よろこんでくれるなら…
そんな涙もいいかもしれない。
素直にそう思った。



「……さっきさ、人めっちゃ
いたのに、急にいなくなったよね
なんでかなぁ?」

「ほら、イヴだからさ
不思議なことが起こるんだよ。

⏰:10/09/05 18:41 📱:840SH 🆔:1433GB1M


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