その日が来る前に、
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#970 [愛華]
俺は何も考えられないまま
部屋に戻った。


「……ただいま」

「隆則!おせぇよお前!!
先生ごまかすの大変だったし…
達也も帰ってこねぇし……」

達也……まだ帰ってないのか

「……わりぃな。寝るわ」

俺は布団に潜って目をつむる。

⏰:10/10/05 20:55 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#971 [愛華]
離れない感触。心地好い。
そんな自分が気持ち悪い。

たかがキスだろ。
自分がこんなに女々しいなんて
知らなかったな。だせぇ。


眠れない夜。
結局、朝まで達也は戻っては
来なかった。



一睡もできなかった夜が明けた。

⏰:10/10/05 21:10 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#972 [愛華]
「班員確認して移動しろー」

長い宿泊研修も終わる。
ふと真理菜ちゃんのほうを見ると目が合ったが、俺から反らした

「よっ!たーかのり!!」

後ろからの衝撃。

「た、達也……」

「おぃ、なんだその反応!」

⏰:10/10/05 23:33 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#973 [愛華]
ちょうどバスにのるところ。

「お前今までどこに……」

「昨日見事にふられてさ!!
部屋に戻ろうとしたら先生いたから階段の後ろのスペースで寝てたんだ!ばれなくてさー!
今まで寝ちまってて……」

「ば、かじゃねぇの……」

フラれた。真理菜ちゃんに。
あのあと行ったんだ…テラスに。

⏰:10/10/05 23:41 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#974 [愛華]
「スルメくせぇ部屋よりは全然
ねやすかったぜ!!」

「スルメはお前がもってきたんだろーがよ……」

達也の空元気は見ててもわかった
どう言えばいい?
わからない。わからない。


「……でさ、なんてフラれたんだと思う?」

「え………」

⏰:10/10/05 23:47 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#975 [愛華]
達也は視線を真理菜ちゃんに
移して、言った。

「真理菜ちゃんさ……
お前が好きなんだってさ!」


ドクン


「でも俺、だからってお前に
遠慮なんかしねぇよ?壁なんかも作りたくねぇしさ。
でも……ちょっと考えてみろよ」

考える?なにを?

⏰:10/10/05 23:51 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#976 [愛華]
「真理菜ちゃんとのこと……
好きじゃなくてもいーからさ
ちょっと考えてみてくれよ」


お前……ばかじゃねぇのか
フラれた相手気遣ったり
してんじゃねーよ。
最低なのは俺だ。この俺。

昨日のことを言うか、言わないか

罪を打ち明けるか打ち明けないか

「………ああ」

友情を信じることにも……
強い友情が必要だった。

⏰:10/10/05 23:55 📱:840SH 🆔:I4HAW/vM


#977 [愛華]
「おう!俺らの友情はそんな
簡単には壊れねぇからな!」


幼い俺は罪による罰を恐れた。
達也との関係が壊れるのが
怖くて怖くてたまらなかった。

俺にとっての初めての罪。


そんなものに気づくはずもなく
俺は胸に思いをしまったまま
宿泊研修を終えた。

⏰:10/10/06 00:00 📱:840SH 🆔:ZQKECwM.


#978 [愛華]
………だいじょうぶ。

ばれない。ばれていない。

黙ったままでいれば達也とは

友達のままでいられる

こんなにもイイヤツを

傷つけたくはない、これ以上。

だから黙っておくんだ。

達也のために黙っておくんだ。

達也のために……

⏰:10/10/06 00:03 📱:840SH 🆔:ZQKECwM.


#979 [愛華]





「………ただいま」

「隆兄!おかえりー!」

家に帰ると、直純が笑顔で
迎えてくれた。

「隆則、おかえりなさい」

「母さん……父さんは?」

「リビングにいるわよ!」

⏰:10/10/06 00:07 📱:840SH 🆔:ZQKECwM.


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