【統合】ﾌｧﾝﾀｼﾞｰなおしりＨ

それでも私は諦めずに法皇様に熱意を伝えた。

すべての生きとし生けるものが、和解して平和に暮らせるように。

法皇様にも私の熱意が伝わり、許しを得ることができた。

そして、私の旅は始まった。

……………

メルーザの城…

戦士達が激しい戦いから帰還し、休息の時を迎える。

そんな戦士達にメルーザは労いの言葉を掛ける。

「皆の者、よくぞ帰ってきてくれた。皆の功績を讃える！そしてナメナメ、パックン。二人はあの憎き人間の勇者を見事捕らえて参った！」

『オオォォォォ

』

モンスター達の歓声が鳴り響く。

ナメナメとパックンは誇らしげな表情をしている。

「二人には約束通り、報酬を与える。」

二人はメルーザの前に立ち、その手に巨額の報酬を受け取った。

「…我々が安心できるにはまだ道程は長い。人間の勇者はまだ根絶した訳ではない。諸君の健闘を祈る。」

『ははー

』

「そして…剣士エイミーと魔法使いポロンは城の地下牢に監禁しておいた。既に抵抗する力など残っていないようだから後は皆の好きにするがいい。」

『おおおぉぉっ

』

モンスター達がどよめく。

そんな中、ホイミンは一人寂しげにたたずんでいた。

「ナメナメ君とパックン君はやっぱりすごいなぁ。僕もみんなからすごいって思われたい…。」

ホイミンは密かに闘志を燃やしはじめた。

「ヤリもしないでボクは何をためらっているんだ？やってみなきゃわからないじゃないか。…よし、ボクはやる！ボクは勇者をやっつけてヒーローになるんだ

」

ホイミンは衝動を抑えきれずに城を飛び出した…。

人間の勇者を探し、ホイミンは走った。

山へ入り、その中腹に差し掛かった時だった。

ホイミンの目に二匹のモンスターの姿が映った。

それはホイミンの先輩のマンドラとキャンドルだった。

正直、少し寂しかったホイミンは二人に話しかけた。

「マンドラさん！キャンドルさん！こんにちは

」

「んん、なんだ？」

「お前は…ザコのホイミンじゃねぇか。こんな所で何してんだよ。自分から人間に殺られにきたのか？」

「はっはっは！バカなヤツだ！」

ホイミンは少しムッとした。

「そんな…ヒドいじゃないですか！ボクがこの手で人間の勇者を捕まえて見せますよ！」

「はぁ？何寝ぼけたこと言ってんだよコイツ。」

「ザコは帰ってメルーザ様の影に隠れてろよ！」