レイン
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#11 [◆It9is9ljoQ]
それは自分がいかに綺麗かと
いう訳じゃない
只、凄く汚れて見える彼が
私の視界に写れば
酷く滑稽にみえてしまう。
:10/09/17 18:00
:SH706i
:DNLPCdoc
#12 [◆It9is9ljoQ]
「"アイ"、むっちゃ好きやで」
彼の部屋に着いた瞬間
彼は後ろから私を抱きしめる
抱きしめて、しがみついて
首筋に舌を這わせる
それをいつものことだと言わんばかりに
私は只々それを受け入れる
:10/09/17 18:01
:SH706i
:DNLPCdoc
#13 [◆It9is9ljoQ]
やっぱり、貴方を汚れたように思う
愛だとか、愛しい気持ちだとか
離さないで欲しい、とか
傍に居たい、傍に居てほしい
なんて
なにひとつ沸いて来やしない
:10/09/17 18:02
:SH706i
:DNLPCdoc
#14 [◆It9is9ljoQ]
行為自体、好ましくはない。
只、彼が求めるから応えるだけ
所謂、私には愛がないのかもしれない
"人を愛し、人にも愛されるように"
そう名付けられた名前とは
まるで正反対の人間になってしまった様
:10/09/17 18:06
:SH706i
:DNLPCdoc
#15 [◆It9is9ljoQ]
私は知ってる、
彼が私だけを見ていない事
抱きしめられた時に伝わる彼の体温も、
柔らかな髪も、花のようなその笑みも
私だけのものじゃないって事を。
もう一つ、
その原因が私だということも
何もかも解っている。
:10/09/17 18:07
:SH706i
:DNLPCdoc
#16 [◆It9is9ljoQ]
「やから、こうやって!
ちゃうちゃう、右!そっちは左!」
「あーもう煩い、静かにしてや」
「お前絶対免許取らん方がええ」
「普通の道路にバナナの皮なんか
落ちてへんよ」
彼の間に挟まれて、もう数時間。
彼の予定では
今夜は朝までゲームらしい。
:10/09/17 18:16
:SH706i
:DNLPCdoc
#17 [◆It9is9ljoQ]
私の自宅は彼の済むマンションから
徒歩で15分程の所。
帰りが遅くなろうとも焦る距離ではない
終電に乗り遅れることもない
泊まりにでようが、親は夜勤
幸い明日は学校も休みで
朝方まで彼の部屋に居ることになる。
:10/09/17 18:37
:SH706i
:DNLPCdoc
#18 [◆It9is9ljoQ]
風呂に入ってくる、と言い残して
部屋を出た彼を見送って
ソファーへと移動した私は無防備にも
放り出された彼の携帯電話に
視線をやる
慣れた手つきでそれを手に取れば
ロックすらかかっていない
メールフォルダに目を通す
:10/09/17 18:38
:SH706i
:DNLPCdoc
#19 [◆It9is9ljoQ]
芹沢 なのは
受信ボックス、明朝体の字で
並んだその名前
"ハートマーク"の絵文字
目がちかちかする
私が使うことのない、カラフルな絵文字
私が打つことのない、愛してるの文字
:10/09/17 18:38
:SH706i
:DNLPCdoc
#20 [◆It9is9ljoQ]
それらが
ざっと私の名前を挟んで数十件
「だあいすき、はよ会いたい」
「ぎゅってされな寝られへん」
「次は何時泊まり来れるん?」
:10/09/17 18:39
:SH706i
:DNLPCdoc
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