レイン
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#120 [◆It9is9ljoQ]



 「‥‥は?本間に言うてるん?
 熱出ても会いにきとったお前が。
 今度こそ風邪でも引いたん?」

 「読みかけの本溜まってるし
 またにする、」

 「あー‥さよか
 ほなまた学校でやな」

⏰:10/09/19 10:35 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#121 [◆It9is9ljoQ]








 電話を切った、
 無性に‥やりきれんなった

 直ぐに都合のええ女に、無意識に
 芹沢なのはに、連絡を取った

⏰:10/09/19 10:35 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#122 [◆It9is9ljoQ]



 「何で昨日メール
 返してくれへんかったん?」

 甘い声、甘い香水の匂い

 アイはこないにして話はしよらん
 何で?なんていう束縛地味た言葉は
 一切使われたことない



⏰:10/09/19 10:37 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#123 [◆It9is9ljoQ]




 「あぁ、見てへんかった」

 「じゃあ何で今日電話くれたんっ?」

 「別に何やったってええやん、
 はよやらせてや」

 肩にすりよせる此奴に小さく笑った
 その笑いは、自分への嘲笑


⏰:10/09/19 10:38 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#124 [◆It9is9ljoQ]


 「なぁ、次何時会える?」

 「また連絡するわ」

 「ほんま気まぐれやねんから‥うち、
 いつでも待ってるし連絡してな?
 朔くんの為やったら時間あけるから」

「ほなまた」

 下着姿のまま甘い声を出すこの女を
 一度も振り返る事なく部屋を出た

⏰:10/09/19 10:40 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#125 [◆It9is9ljoQ]


 いつまでこんなん続けんねやろ

 何度もこの女が言うた「愛してる」に
 安堵してる自分に一番苛立った


 携帯を開けば、
 やはり目立ったアイコンは無い

 それがまた、
 余計に俺を虚しくさせた

⏰:10/09/19 10:40 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#126 [◆It9is9ljoQ]





 「今日どないする?
 新しいゲーム買うてんけどやりに
 来ぇへん?アイが出来るよう
 簡単モードにしたるし」

 「今日は帰るわ、また誘って」

 「読みかけの本でもあるん?」

 「そうそう」

⏰:10/09/19 10:42 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#127 [◆It9is9ljoQ]



 「またあの堅苦しい本け?
 そないなん読んどったら自分
 いつか洗脳されてまうで」

 「それはそれでいいかもしらへんわ、
 じゃあまた明日」

 手を振って、ふわりと笑う
 此処最近のアイは生き生きしてるように
 見えるんは気のせいなんか

⏰:10/09/19 10:44 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#128 [◆It9is9ljoQ]



それと裏腹に、此奴は俺との時間を
段々減らしていきよった


⏰:10/09/19 10:44 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#129 [◆It9is9ljoQ]


 会うんは放課後と行きしだけ。
 クラスがちゃうから、って何時もは
 昼休み俺が顔出しにきて話しよるのに
 昼休みは教室にすら居てへん

 顔が見たくて、どーせまた一人で
 図書館やろ、
 思うて向かうたって居らへん

⏰:10/09/19 10:45 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#130 [◆It9is9ljoQ]




 友達は比較的少ない
 女子特有のグループ行動なんか
 してる様子なんか見えへん

 それは彼奴が一番苦手なようにも
 みえるし、俺と付き合うてることすら
 苦手なんやないかって思うて
 前に聞いてみたらそんな事はないって
 いいよった、けど。

⏰:10/09/19 10:45 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#131 [◆It9is9ljoQ]




 「どないしてん、
 ついに振られたんか?」

 「そんなんちゃうわ、
 なぁ一樹、アイ‥見てへんか?」

 「見辺らへんのかいな
 せやなぁ‥図書館とかに
 転がってそうやんか、あの子」

⏰:10/09/19 10:47 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#132 [◆It9is9ljoQ]


 「アイの事何やと思うてんねん、阿呆
 それが居てへんねん」

 「そういや昼は一緒やないなぁ
 自分らが一緒に居るとこ
 最近見てへんし」

 「‥‥‥」

⏰:10/09/19 10:48 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#133 [◆It9is9ljoQ]






 「やっぱ、振られたんや」

 「行き帰りは変わった様子ないねん」

 「ほなあれや、委員会とかちゃうん
 あの子逐一報告するタイプちゃうやろ
 あんま心配せんでも放ってたら
 戻ってくるやろ、どんと構えときぃや
 飼い主さん」

 けらけらと笑う友人に、
 俺はやっぱ考えすぎか、と予鈴と共に
 席へと戻った

⏰:10/09/19 10:48 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#134 [◆It9is9ljoQ]



 「アイちゃん
 今日ケーキ食いに行こや」


 「アイ〜、はよ帰るで」


 「せや、映画のチケット!
 手に入ったんやで、あれやん
 アイがぼーっと見とった奴の続編」

⏰:10/09/19 10:50 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#135 [◆It9is9ljoQ]




 「なあなあアイちゃん
 明日どっか行かへん?」

 悉く振られ、やけど毎日のように
 俺はアイとの時間を
 作ろうって必死やった

 生き生きしとった筈の
 アイが段々また、いつもみたいな
 表情に変わっていくんが
 日に日に手にとるように解った

⏰:10/09/19 10:51 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#136 [◆It9is9ljoQ]

 







 
 「話、あんねやけど」
 
 苛立った声を隠し、
 ぎこちない笑みを浮かべた

⏰:10/09/19 12:12 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#137 [◆It9is9ljoQ]


 放課後の教室でアイは
 相変わらず窓側の一番端の席に
 ぽつんと腰を下ろして本に没頭していた


 それは彼女が不審な行動を取り始めて
 2週間が経った頃。




⏰:10/09/19 12:13 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#138 [◆It9is9ljoQ]


 
 他の女と居ったって寂しさは紛れん

 好きやって囁かれる度に
 逆に、その声がアイと重なって
 息をする事すら
 器用に出来ひんなってしもた

 やから、何言われても
 向き合う覚悟で口を開いた

 

⏰:10/09/19 12:14 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#139 [◆It9is9ljoQ]



 
 「何?」

 顔を上げた彼女は何時もと変わらず
 何も考えていないんじゃないかって
 いうくらいに大人しい声で口を開いた。
 


 「"アイちゃん"俺に最近冷たない?」
 
 「冷たいんは今始まった事やないやん」
 
 どしたの、いきなり。とクスリと笑みを
 漏らした彼女に苛立ちが起こる

⏰:10/09/19 12:14 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#140 [◆It9is9ljoQ]




 俺の苛立っている原因を、此奴は
 解ってるんじゃないのか
 わざとこうして俺の心を揺さぶるような
 事をして楽しんで居るんじゃないか

 そんな考えばかりが脳裏を掠めた


⏰:10/09/19 12:14 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#141 [◆It9is9ljoQ]




 
 「そんなん言うてるんちゃうわ」
 
 苛立った声、違う、
 こんなつもりじゃなかった

 苦痛に顔を歪める、ソレとは裏腹に
 また、この表情

 此奴はふわりと笑った
 とても綺麗に、生き生きとした笑み

⏰:10/09/19 12:15 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#142 [◆It9is9ljoQ]


 
 「何が可笑しいねん」

 気が付けば、俺の声は小さく震える

 
 「なあ、何が可笑しいねんって
 言うてんのが聞こえへんのか!」




 
 ガタ―――‥
 
 鈍い音がして、近くにあった椅子を
 手にとれば音を立て床にたたき付けた

⏰:10/09/19 12:16 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#143 [◆It9is9ljoQ]


 びくりと、肩を振るわせたアイはまた
 可笑しそうに笑った

 本間に此奴、洗脳されたんちゃうか
 何が面白いねん。
 

⏰:10/09/19 12:16 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#144 [◆It9is9ljoQ]



 「何やねん、お前‥最近可笑しいわ
 どないしてん、何かされたんか!?」
 
 彼女に近づけば肩に手を置いた
 強く揺すれば、
 揺するほど肩を振るわせて
 この女は笑いよる。

 絶望、一人きり取り残されたと
 言わんばかりに悲しそうな目をした
 俺の手前
 やはり浮かぶのは笑みだけ。

⏰:10/09/19 12:17 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#145 [◆It9is9ljoQ]





 幸せそうな、笑み
 その意味が俺には解らへん
  


⏰:10/09/19 12:17 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#146 [◆It9is9ljoQ]


 
 「‥‥もう、冷めたん?」
 
 「そんなんやないよ」
 
 「じゃあ何やねん!何でそんなんやねん
 お前が無愛想なんも今始まったこと
 ちゃうんも解ってるわ、」
 
 「うん」
 
 「でも、何時もとちゃう」
 
 「うん」

⏰:10/09/19 12:17 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#147 [◆It9is9ljoQ]



 
 「不安やねん、お前が、アイが
 どっかに行ってまいそうで怖いんや。
 俺どないしたらええんか解らんわ」




 
 しゃがみ込んで震えがとまらん。

 依存でもええ、何やってええ
 自分一人が堕ちてったってかまわへん

⏰:10/09/19 12:18 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#148 [◆It9is9ljoQ]







 愛しくて、たまらん
 傍に居てくれな俺は壊れてしまう

⏰:10/09/19 12:18 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#149 [◆It9is9ljoQ]


 小さな笑みを浮かべたアイ
 表情はとても優しい、すたすたと
 近づいてくれば背伸びをして、

 俺をそっと抱きしめた、
 好きだよって微笑んだ



 俺の心は段々満たされてって
 アイはアイで何か心境の変化が
 あったんか、幸せそうな顔をしよる

⏰:10/09/19 12:19 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


#150 [◆It9is9ljoQ]



 愛しくて、堪らなくて
 私の名前を呼んだ

 目を合わせて微笑んだ俺に見せたのは
 また、遠くを見る目


⏰:10/09/19 12:49 📱:SH706i 🆔:uijvO.N2


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