レイン
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#60 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 「なぁー、」
 
 「んー」

⏰:10/09/18 18:48 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#61 [◆It9is9ljoQ]

 
 「なぁー、なぁー、なぁー、」
 
 「何よ、どないしたん?」
 
 「好きやで」
 
 「知ってる」
 
 普通は逆なもんじゃないの?
 
 彼はにこにこと笑っていた筈なのに
 ふと、切なそうに目を細めた
 

⏰:10/09/18 18:48 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#62 [◆It9is9ljoQ]





 それ、その表情――――‥
 
 「ス・キ」
 
 
 無意識に、笑みが零れた
 

⏰:10/09/18 18:49 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#63 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 
 
 一人は寂しい、だから
 二人がいい。それ以上は要らない
 
 「ね、朔也のいう好きって何?」
 
 「どないしたんや、いきなり」
 
 「答えたくないなら別にええんよ」
 
 「"YES or はい"やん、アイちゃん」

⏰:10/09/18 21:00 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#64 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 昔は、出会った頃は、彼の笑顔が
 眩しかった。スキだった。
 
 くすりとまた、彼が笑う。
 最近はそれが"エゴイスト"の象徴
 ‥‥じゃないかなんて、
 
 むかつく。

⏰:10/09/18 21:00 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#65 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 
 「せやなあ、傍に居りたいとか
 こうしたいとか」
 
 立ち上がった彼は柔らかな笑みを
 浮かべ机を挟んだ私の手前、
 くるりと回り込めば背中に伝わる体温
 

⏰:10/09/18 21:00 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#66 [◆It9is9ljoQ]





 
 "愛してる"
 
 耳元で囁かれた甘い台詞
 何時もより、彼の体温が高く感じる
 背中が熱い、抱きしめる力が強く
 感じるのは私の気のせいなのか

⏰:10/09/18 21:01 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#67 [◆It9is9ljoQ]




 
 
 「で、満足シマシタカ?」
 
 「‥‥ね、」
 
 「んー?」

 「一人の寂しさを埋めるためやないん?
 誰でもええ、一人が寂しいから
 二人がいいんやないの?」
 
 「せやなあ‥アイちゃん
 ついに本に洗脳でもされたんか?」

⏰:10/09/18 21:01 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#68 [◆It9is9ljoQ]






 茶化してみせる彼に、ふわりと笑う
 
 「朔也、終わりしよ」
 
 ゆっくりと、目を見開いた朔也に
 冗談やろ、そう唇を小さく震わす彼に
 冗談なんかやないんよと目を細めた
 
 夕日が差し込む、二人が決まって
 視線を交じ合わせるのはこの時刻
 この場所か、少し固い、ベッドの上

⏰:10/09/18 21:02 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#69 [◆It9is9ljoQ]

 
 そんな毎日に退屈を感じた
 愛を知らない、愛せない
 
 だから、リセットしたくなった
 それには彼は要らない


⏰:10/09/18 21:07 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#70 [◆It9is9ljoQ]




 ゲームのデータのようにセーブ出来ない
 上書きも出来ない
 
 リセットするには、
 周りは全て崩さなきゃならない
 

⏰:10/09/18 21:07 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#71 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 
 「俺も、二人がええ」
 
 「でも、もう終わり」
 
 「‥俺の何処があかんの?」
 
 強いて云うなら、彼の笑った顔

⏰:10/09/18 21:17 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#72 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 「何もないんよ」
 
 それは少し酷過ぎるから。
 
 「じゃあ‥何、やねん
 なあ、急過ぎんねんお前」
 
 縋り付くように、今にも泣きそうな
 私が居なくちゃ生きていけないと
 
 そんな表情

⏰:10/09/18 21:18 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#73 [◆It9is9ljoQ]






 「さよなら」

 もっと早く気付けばよかった
 もっと早く、こうしていれば
 私は満たされていた

⏰:10/09/18 21:24 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#74 [◆It9is9ljoQ]


 
 
 「なあ、理由云うてくれな
 俺どないにも出来ひんやんけ」
 
 「嫌い」
 
 「‥‥嫌、い?本間に言うてるん」
 
 「嫌い、笑った顔も
 愛しそうに私を見るその瞳も全部」
 

⏰:10/09/18 21:25 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#75 [◆It9is9ljoQ]






 「それ‥どういう意味やねん」
 
 「んー、その通りの意味」
 
 苦笑が漏れた。
 そしてそのあと
 立ちすくむ彼に、笑みを向けた

⏰:10/09/18 21:25 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#76 [◆It9is9ljoQ]











 「憎んで、憎んで、嫌って?」
 
 充血させた瞳で私を見つめる
 その姿ではまだ、駄目
 

⏰:10/09/18 21:26 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#77 [◆It9is9ljoQ]

 
 「お前なんか要らない、そう
 突き放してくれたら私
 朔也のこと好きになるかもしれない」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 最後にきいた、彼女の言葉
 

⏰:10/09/18 21:26 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#78 [◆It9is9ljoQ]


side "ai" end



side "sakuya" start


⏰:10/09/18 21:27 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#79 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 
 人は、独りやと生きられへん

 "好きやで"、"愛してる"
 "ずっと傍に居てや"
 
 そないに言葉並べて、
 人を縛り付ける

⏰:10/09/18 21:47 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#80 [◆It9is9ljoQ]


 
 
 理由は簡単
 
 独りが怖いから。
 必要とされたいから。
 
 
 
 

⏰:10/09/18 21:47 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#81 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 「"アイ"」
 
 この名前が、好き
 
 ゆっくりと顔をあげた、
 彼女と目が合う

⏰:10/09/18 21:48 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#82 [◆It9is9ljoQ]


 ぼうっと俺を見る、俺の瞳を見る
 やけど、こいつは空気みたいや
 始めて会った時からそう

 ふわふわしとって、ツンケンしとって
 気ぃついたらどっかに
 飛んでってしまいそうなこの女

⏰:10/09/18 21:48 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#83 [◆It9is9ljoQ]




 「阿呆、何見とんねん」
 
 じっと見られて、照れた
 苦笑を交えて呟けば口角をあげた
 
 
 
 「いや、何もない」
 
 喋ったら、ぶすっとしよる。

⏰:10/09/18 21:49 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#84 [◆It9is9ljoQ]




 難しそーな顔して何読んでんねん
 直ぐに閉じられたアイの手元にあった
 本を手にとった‥うわ、漢字ばっかやん

 エゴ、イスト?
 よーわからんわ、
 

⏰:10/09/18 21:49 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#85 [◆It9is9ljoQ]

 
 「っ、と‥またくっそ真面目な本読んで
 自分哲学者にでもなるん?」
 
 「好きなんよ、はよ返して」


 けらけらと笑えば、瞬時に
 本を取り返せされれば鞄へと終う、
 席を立つ時ふらりと揺れた

 危な、ちゃんと立たれへんのか。
 

⏰:10/09/18 21:50 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#86 [◆It9is9ljoQ]

 
 
 アイと並んで歩く
 
 見れば見る程こいつ白い
 髪が真っ黒なせいか、余計に白い
 夏やて焼けてる様子ない
 日焼け止めなんか塗ってるとこも
 みてへん。

⏰:10/09/18 21:50 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#87 [◆It9is9ljoQ]

 
 ぼんやりと、歩くアイと目があった
 何も言わんとすぐに
 逸らしよった、ほんまかわええ
 
 
 出会ったんは高校一年の春
 付き合うたんは高校二年の春
 
 きっかけ?一目惚れして一年片思い
 言うたらそんな感じ。
 

⏰:10/09/18 21:51 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#88 [◆It9is9ljoQ]


 放ってたら先教室を出ようとする
 

 「怒んなやー、ごめんって。
 今日お前俺んちで飯食うて帰るやろ?」

 「せやね」
 
 「‥っぷ、そこ偉い素直やん」
 
 そう笑えば彼女の頭を撫でる
 大人しく撫でられる彼女は猫。

⏰:10/09/18 21:58 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#89 [◆It9is9ljoQ]


 最初程刺々しいなくなったし
 にやってした企んだ笑いやて
 見せてくるようなったし
 
 やっぱ、かわええ
 

⏰:10/09/18 21:58 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


#90 [◆It9is9ljoQ]



 「"アイ"、むっちゃ好きやで」
 
 部屋に着いてすぐ
 後ろからアイを抱きしめる
 
 甘い匂いがする
 落ち着く、すっかりこの匂いに
 俺は堕ちてた

 首筋に舌を這わせる、小さく甘い声を
 漏らしたアイに抱きしめる力を強めた

⏰:10/09/18 21:58 📱:SH706i 🆔:uqv1p28Y


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