その日が来る前に、2
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#271 [愛華]
「………顔色わるいな、お前」
「…………ん……」
誨が心配そうに粥をつくって
俺のところにやってきた。
この3日、ろくに寝ていない。
「………直純くんのことで
寝てないんだろーが……」
誨には昨日すべて話した。
那佑が送別祭の翌日に、すべてを話しにきたので
いい機会だと思い、誨にも打ち明けた。
:10/11/06 00:15
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#272 [愛華]
「とりあえず飯食え。
俺がつくってやったんだからな」
………くさい……
お粥ってこんな臭いだっけ…
画用紙の臭いがする。
「さ、さんきゅな………」
文句を言う気力もなかったので
ゆっくりソファから起き上がり
恐る恐るさじをはこんだ。
…………予想通り……
図画工作の味だ。
食べたことはないけれど…
これは食べるものじゃない。
:10/11/06 00:19
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#273 [愛華]
「………うまいか?」
「………ごめん。まずい」
ただ米を水と煮るだけなのに…
美味しくしようとしていろいろ
入れたんだろう。
その結果、図画工作の味。
米から見えてるのは、梅干し、ニンニク、高菜、ウナギ……
あとは原形がなく、わからない。
「えー頑張ったんだけど……」
頑張ったかどうかじゃねぇ。
食べれるか食べれないかだろ。
そう思ったがさすがに悪いなと思い口には出せなかった。
:10/11/06 00:24
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#274 [愛華]
半分くらい食べたところで
俺は食べるのをやめた。
「うぅっぷ……ごちそーさん…」
「まだ残ってるじゃんかぁ」
無茶いうな。
俺を殺したいのか治したいのか
はっきりしろ。わざとか?
「わりぃ。とりあえず横んなる」
俺はごろーんとソファに横になる
:10/11/06 01:22
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#275 [愛華]
那佑は今なにしてるだろうか。
直純は今どこにいるのか。
直純は那佑のことが好きなんだ。
俺はどうやって償えば………
「………なにも考えるな。」
自分で自分を制する。
今はなんも考えなくていい。
そのうち自分の中で
絶対に生まれてはいけない感情が
でてきてしまうかもしれない。
:10/11/06 16:27
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#276 [愛華]
「あ、そーいや隆則。
今日、那佑ちゃん来るって言ってなかったっけ?」
「あ、そーいえば………。
多分もうすこしでくるかな」
時刻は午後4時。
「じゃー俺、どっか行くな」
なんか気をつかわせたみたいだ。
ていうか、今までも何回もこういうことはあったけれど
誨のやつ、どこ行ってたんだ?
:10/11/06 16:38
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#277 [愛華]
「お前、いつもどこ行ってんの」
「ん?梓ちゃんのとこ」
……………ピシ。
「はぁ!?おま、梓に手ぇだし…
いつから!?いつからだよ!!」
「んーと……クリスマスん時」
あ、あの時か!!
:10/11/06 16:56
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#278 [愛華]
「ふざけんなよおまえ〜」
俺はへなへなと枕に顔を埋める。
ちっとも知らなかった。
「別にふざけてねーよ?」
…………ん?
「え、誨おまえ………」
「俺、梓ちゃん好きだよ」
誨はさも当たり前かのように
でも真剣に言った。
:10/11/06 17:04
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#279 [愛華]
「……え、だって………」
「だーいじょうぶだっつの。
同じことは繰り返さない。
俺なりに頑張るからさ」
誨は笑ってそう言った。
同じことは、繰り返さない。
誨は前に進もうとしてる。
過去を糧にして正しい道を
迷わず前に。
俺も前を向けるだろうか。
:10/11/06 17:30
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#280 [愛華]
誨が出ていったあとも考えていた
俺が今まで笑ってられたのは
那佑が側にいてくれたから。
懸命に生きるお前が
俺の足元を照らしてくれたから
でも直純は違う。
直純には誰もいないんだ。
前を向きたい。お前も一緒に
:10/11/06 17:59
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