その日が来る前に、2
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#286 [愛華]
すごくうれしかったよ。
でもどうしてかな。
見つめられた瞳に不安を覚えた。
一瞬だけ……不安になったの。
直純くんはきっと隆則にとって
すごく大切なひとで。
直純くんに罪悪感を抱いていて。
あたしと直純くん…………
どちらが大切ですか……?
聞きたくても聞いちゃダメなこと
:10/11/15 20:47
:840SH
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#287 [愛華]
そう思う度に自己嫌悪する。
自分がすごく汚い生き物に感じて
しまうんだ。苦しいよ。
直純くんはあたしにとっても
いつのまにか大事な存在になって
いて。
幸せになってほしいと思う。
直純くんは…学校に来ていない。
:10/11/15 20:51
:840SH
:MWLvGU.k
#288 [愛華]
「………那佑!!」
「…………ん?」
夢から引き戻される。
机は日の熱をたっぷり蓄えて
あたたかくなっていた。
「あんた寝すぎ。大丈夫?」
「………うん。平気だ、よ?」
あくびが混ざって変な声になる。
…………色々疲れてきたな……
:10/11/15 20:57
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#289 [愛華]
「それより、梓。頼んだもの…
大丈夫だった?」
「あぁ………うん、一応」
そう言って梓は一枚の紙をくれた
それは直純くんの住所。
数日前、先生に直純くんの住所を聞いて会いに行った。
でもそこは虐待していた直純君のおじいさんの家だった。
かなり大きな家で、一人では
入る勇気もなく………
直純くんは家を出たと言っていた
どうやらここにまだ住んでいる
ことになっているらしい。
:10/11/15 21:06
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#290 [愛華]
……でも、会いたかった。
会わなければならなかった。
あたしは梓に、おじいさんから
直純くんの住所を聞いてくれる
ように頼んだ。
見ず知らずのあたしよりも、
小さいころ面識のある梓の方が
いいと思ったから。
……直純くんに、会いたかった。
:10/11/15 21:14
:840SH
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#291 [愛華]
'
「……1週間来てないもんね…」
「そだね……あ、梓。おじいさんに何も言われなかった?」
あたしは住所が書かれた紙を
ポケットにしまい、尋ねた。
「あー……なんか久しぶりとか
なんとか? あと…………」
「あと………?「
:10/11/15 21:22
:840SH
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#292 [愛華]
「…あんなクソガキに構うのは
やめたほうがいい……とか」
梓は言いずらそうに言う。
悔しかったんだろうな……
あたしがそこにいてもきっと
同じ気持ちになっただろう。
「……那佑、あたしも行かなくて
ほんとにいいの?」
「大丈夫だよ。………1人で、
行きたいの。会いたいの」
ひとりで会いに行く。
直純くん。 だから待っていて。
:10/11/15 21:43
:840SH
:MWLvGU.k
#293 [愛華]
きっと直純くんもいっぱい悩んだはずだよ。
辛かったのは隆則も直純くんも
同じだったはずだよ。
そうだよね?直純くん。
だから、隆則を憎まないで。
大切な人を傷つけて
自分も傷ついたりしないで。
「……………で、でか……」
:10/11/15 22:57
:840SH
:MWLvGU.k
#294 [愛華]
梓にもらった紙を頼りに、放課後
あたしは直純くんの住むアパートに向かった。
方向音痴なあたしは四苦八苦
しながらもなんとかたどり着いた。 でも着いたそこは……
「マ、マンション………?」
すごく立派なマンション。
え……?アパート……??
:10/11/15 23:08
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:MWLvGU.k
#295 [愛華]
あれ?話とは違う…………
梓は確かボロいアパートだって
言ってたような………
マンションの周りを何周も回る。
どれくらい繰り返したのか……
道行く人がさすがに怪しがる。
でもここで諦めるわけには……
泣きそうになってきた。
……梓と来ればよかったかなぁ…
地べたに座り込む。
動きようがない。
どこだかわかんないんだもん。
:10/11/15 23:16
:840SH
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