その日が来る前に、2
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#290 [愛華]
……でも、会いたかった。
会わなければならなかった。


あたしは梓に、おじいさんから
直純くんの住所を聞いてくれる
ように頼んだ。

見ず知らずのあたしよりも、
小さいころ面識のある梓の方が
いいと思ったから。


……直純くんに、会いたかった。

⏰:10/11/15 21:14 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#291 [愛華]
'


「……1週間来てないもんね…」

「そだね……あ、梓。おじいさんに何も言われなかった?」

あたしは住所が書かれた紙を
ポケットにしまい、尋ねた。

「あー……なんか久しぶりとか
なんとか? あと…………」

「あと………?「

⏰:10/11/15 21:22 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#292 [愛華]
「…あんなクソガキに構うのは
やめたほうがいい……とか」

梓は言いずらそうに言う。
悔しかったんだろうな……
あたしがそこにいてもきっと
同じ気持ちになっただろう。


「……那佑、あたしも行かなくて
ほんとにいいの?」

「大丈夫だよ。………1人で、
行きたいの。会いたいの」

ひとりで会いに行く。
直純くん。 だから待っていて。

⏰:10/11/15 21:43 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#293 [愛華]
きっと直純くんもいっぱい悩んだはずだよ。
辛かったのは隆則も直純くんも
同じだったはずだよ。

そうだよね?直純くん。

だから、隆則を憎まないで。

大切な人を傷つけて
自分も傷ついたりしないで。




「……………で、でか……」

⏰:10/11/15 22:57 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#294 [愛華]
梓にもらった紙を頼りに、放課後
あたしは直純くんの住むアパートに向かった。

方向音痴なあたしは四苦八苦
しながらもなんとかたどり着いた。 でも着いたそこは……


「マ、マンション………?」

すごく立派なマンション。
え……?アパート……??

⏰:10/11/15 23:08 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#295 [愛華]
あれ?話とは違う…………
梓は確かボロいアパートだって
言ってたような………


マンションの周りを何周も回る。
どれくらい繰り返したのか……
道行く人がさすがに怪しがる。

でもここで諦めるわけには……
泣きそうになってきた。
……梓と来ればよかったかなぁ…


地べたに座り込む。
動きようがない。
どこだかわかんないんだもん。

⏰:10/11/15 23:16 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#296 [愛華]
あたりも暗くなってきた。
このままだと帰れなくなる。
人に道を聞いて駅まで………

明日、梓ともう一度来よう。

立ち上がりかけたその時。



「………なにやってんの」


「……………へ?」

後ろを振り向くと、そこには
スーパーの袋を持った直純くんが
立っていた。

⏰:10/11/15 23:20 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#297 [愛華]
「……直純くん………」

「え、ちょ、なに泣いてんの」

直純くんはオロオロする。

「み、道……直純くんの。
アパート……マンションになってて。わかんないし………
暗いし……帰ろうと…思っ…」

一気に話したけど、多分言葉に
なってなかったと思う。


直純くんだ。
1週間会えなかった……
直純くんだ。

⏰:10/11/15 23:25 📱:840SH 🆔:MWLvGU.k


#298 [愛華]
「………意味、わかんない」

直純くんはため息をついた。
でも優しさが見えたため息。

「……俺んとこ、来ようと
してくれてたのか?」

あたしは一生懸命うなずく。
上手く声が出なかったから。

「……直純くん……に……
言いたいことがあって」

「……俺に?」

頑張ってしぼりだした言葉。
直純くんはちゃんと聞きとって
くれた。

⏰:10/11/16 00:58 📱:840SH 🆔:/kNM1FVE


#299 [愛華]
「………俺は白石になんも
言うことはないよ。隆兄への
復讐は別の形で考える。」

「……………」

直純くんは少しだけ息を吸って
ゆっくり言葉を吐き出す。


「………ひどい男だろう?
あんたの大事な男を傷つけるんだ
こんな男忘れろよ」

……嘘だよ、そんなの。

⏰:10/11/16 17:02 📱:840SH 🆔:/kNM1FVE


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