その日が来る前に、2
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#305 [愛華]
「…めんどくさかったから」
「………ちゃんと学校来て。
それがひとつめのお願い」
「ひとつめって……まだあんの」
直純くんは反らしていた目を
あたしに向けた。
あたしのするべきこと。
今ははっきりわかるよ。
「………復讐なんてやめて」
:10/11/17 18:58
:840SH
:.5HozOI.
#306 [愛華]
強い風が窓をたたいた。
強い風は神様が風邪をひいている
昔誰かが言っていたっけ。
「………無理。」
直純くんは小さくつぶやいた。
冷たくて………哀しい声。
「無理じゃない。直純くんは
隆則を憎んでなんていない。
どうして嘘つくの?」
「嘘なんかついてねぇよ!」
:10/11/17 19:05
:840SH
:.5HozOI.
#307 [愛華]
「じゃあどうして………
まだ『隆兄』なんて呼んでるの」
「は……………?」
直純くん………
嘘なんかつかないでよ。
「隆則のこと………お兄さん
として慕っているからでしょ?」
つぶれていた痛みを。
ほぐれなかった苦しみを。
ゆっくり解き明かす。
:10/11/17 19:09
:840SH
:.5HozOI.
#308 [愛華]
「隆則だってそうだよ。直純くんが必要なんだよ。直純くんも
そうでしょう?」
直純くん。
私の声を、聞いて。
「直純くんが………」
「綺麗事ばっか言うなよ!!」
窓が、また叩かれた。
息が止まっていたことに気づいた
直純くんから目は反らさない。
:10/11/17 19:14
:840SH
:.5HozOI.
#309 [愛華]
「結局白石は隆兄を救いたいってだけだろ?俺なんか少しも関係ないだろ?もう構うなよ!」
「あたしは……隆則も直純くんも同じくらい大切なんだよ」
大切な人の大切な人は
いずれ自分にとっても大切な人になってゆく。
梓。今なら気持ちがわかるよ。
直純くんは大切な人。
だから、助けたい。
余計なお世話だって思われても
綺麗事だって言われてもいい。
:10/11/17 19:20
:840SH
:.5HozOI.
#310 [愛華]
「………ばかじゃねーの……」
『愛されてるっていう実感なんて
もう忘れちゃったし………』
それは違う。気づいてよ。
「直純くん……お願いだよ」
「なんで……………
泣くの」
:10/11/17 19:38
:840SH
:.5HozOI.
#311 [愛華]
あたし、最近泣いてばっかだ。
カッコ悪い。ばかみたい。
「………直純くんは…………
隆則のこと、憎んでないよ」
静かな時間が流れる。
「…じゃあさ、俺の気持ちは?」
…………え?
「白石が好きだっていった……
俺の気持ちは?」
:10/11/18 00:59
:840SH
:uBkUQTYM
#312 [愛華]
「俺は白石が好きだって言った。
絶対に手に入らないものが目の前にあって、見せ付けられる。
白石には、わかんないよ」
「直純くん………」
「白石は隆兄から離れないだろ?
それとも……俺のものになって
くれるわけ?」
あたしのしていることは……
もっと直純くんを傷つけるの?
:10/11/18 21:16
:840SH
:uBkUQTYM
#313 [愛華]
「あたしはそんなつもりじゃ…」
「だからさ……」
ドサッ
「そーゆーのが綺麗事だってば」
世界が逆さになった。
前にも見た、この状況。
目の前には直純くん。
あの時と違うのは………
直純くんは悲しそうに、そして
真剣な顔であたしを見てる。
:10/11/19 01:03
:840SH
:LWhAa5yQ
#314 [愛華]
「直純くん……どうした、の」
「帰れなくなるかもよって、
言ったじゃん。一人暮らしの男の家に来るなんてさ、どーぞ
食べてくださいって言ってる
よーなもんだけど。
それも、好かれてる男の家に」
床が冷たい。
直純くんの本気が伝わってくる。
体の中がどくどく脈打つ。
:10/11/19 01:08
:840SH
:LWhAa5yQ
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