その日が来る前に、2
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#320 [愛華]
でも直純くんの唇はあたしの
頬に優しくふれた。
「………へ……」
「んな顔すんな」
頬に唇をつけたまま直純くんは
つぶやいた。くすぐったい。
やっぱり。
直純くんは嘘つきだよ。
いつも思ってないことばかり。
:10/11/20 19:21
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:h3TbMS3A
#321 [愛華]
「直純くん。隆則も同じくらい
苦しんでたんだよ」
「……また綺麗事かよ」
直純くんはそう言って顔を背け
またソファに座りなおした。
襲う気なんて最初から
少しもなかったくせにさ。
ほんとに嘘つき。
でも、優しいんだね。
:10/11/21 19:21
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:wRh6S.zA
#322 [愛華]
「俺は憎まなきゃダメなんだ。
許しちゃいけないんだよ。
俺をほっといたあいつを……」
「しなきゃいけない、なんて
おかしいよ。直純くんだって
本当はわかってるでしょう?」
「おかしくなんてない。白石が
そう言うのは隆兄のためだから
だろ。 そんなの俺にとっては
迷惑なだけなんだよ!
同じことを言わせんなよ!」
どうしても口調がきつくなる。
:10/11/21 21:23
:840SH
:wRh6S.zA
#323 [愛華]
「……確かに直純くんを1番に
することなんてできないよ」
直純くんは少しだけ顔を歪ませた何かをこらえてるみたいに。
「…でもね、直純くんも大事なの
出会ってからの時間なんて少しも
関係ないんだよ。
あたし、欲張りなんだ。
直純くんも、隆則も大切なの」
それが綺麗事というのなら
それでもいい。
:10/11/22 00:47
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#324 [愛華]
「あたしは直純くんも隆則も
傷ついてるの、耐えられない。
あたしは………きっとまた泣く」
「白石…………」
わかってるよ。
だからこっちを向いて。
前を向くには誰かのぬくもりが
必要なの。
あなたにそれをくれる人は
たくさんいるんだよ。
気づいていないだけなんだよ。
:10/11/22 00:51
:840SH
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#325 [愛華]
気がつくと、直純くんの家に
来てから1時間経っていた。
外は真っ暗だ。
どこまで自分の気持ちが
伝わったのかわからない。
でもあたしは、伝えた。
「言いたいことは終わり」
:10/11/22 01:01
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#326 [愛華]
そう言ってあたしは立ちあがる。
直純くんを見ていると、
過去の自分を思い出す。
自分を放っておいたお父さんと
お母さんが許せなかった。
憎んで苦しんで傷ついて……
そんな世界から救ってくれたのは
隆則。
誰かが手をさしのべてくれれば
誰だって暗闇から抜け出せる。
:10/11/22 01:05
:840SH
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#327 [愛華]
きしむドアを開き、
もとの道を戻る。
「…………ばいばい」
運命の日は近づいていた。
あたしはまだ知らない。
あたしの大切な人を
失ってしまうこと。
なによりもつらい現実が
あたしを待ち受けていた。
:10/11/22 01:12
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#328 [愛華]
-直純side-
:10/11/22 20:00
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#329 [愛華]
何度も何度も考えた。
今まで俺の歩んできた道。
金だけ持ってじじいのとこを
飛び出してきてから今まで。
隆兄に復讐してやる。
それだけを考えていた。
隆兄は俺を必要となんか
していなかった。
それがなにより悲しくて…
悔しくて、仕方なかったんだ。
:10/11/22 20:04
:840SH
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