その日が来る前に、2
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#321 [愛華]
「直純くん。隆則も同じくらい
苦しんでたんだよ」


「……また綺麗事かよ」


直純くんはそう言って顔を背け
またソファに座りなおした。


襲う気なんて最初から
少しもなかったくせにさ。

ほんとに嘘つき。

でも、優しいんだね。

⏰:10/11/21 19:21 📱:840SH 🆔:wRh6S.zA


#322 [愛華]
「俺は憎まなきゃダメなんだ。
許しちゃいけないんだよ。
俺をほっといたあいつを……」

「しなきゃいけない、なんて
おかしいよ。直純くんだって
本当はわかってるでしょう?」

「おかしくなんてない。白石が
そう言うのは隆兄のためだから
だろ。 そんなの俺にとっては
迷惑なだけなんだよ!
同じことを言わせんなよ!」


どうしても口調がきつくなる。

⏰:10/11/21 21:23 📱:840SH 🆔:wRh6S.zA


#323 [愛華]
「……確かに直純くんを1番に
することなんてできないよ」

直純くんは少しだけ顔を歪ませた何かをこらえてるみたいに。


「…でもね、直純くんも大事なの
出会ってからの時間なんて少しも
関係ないんだよ。
あたし、欲張りなんだ。
直純くんも、隆則も大切なの」


それが綺麗事というのなら
それでもいい。

⏰:10/11/22 00:47 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#324 [愛華]
「あたしは直純くんも隆則も
傷ついてるの、耐えられない。

あたしは………きっとまた泣く」


「白石…………」


わかってるよ。
だからこっちを向いて。
前を向くには誰かのぬくもりが
必要なの。

あなたにそれをくれる人は
たくさんいるんだよ。
気づいていないだけなんだよ。

⏰:10/11/22 00:51 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#325 [愛華]
気がつくと、直純くんの家に
来てから1時間経っていた。

外は真っ暗だ。


どこまで自分の気持ちが
伝わったのかわからない。


でもあたしは、伝えた。



「言いたいことは終わり」

⏰:10/11/22 01:01 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#326 [愛華]
そう言ってあたしは立ちあがる。


直純くんを見ていると、
過去の自分を思い出す。

自分を放っておいたお父さんと
お母さんが許せなかった。
憎んで苦しんで傷ついて……

そんな世界から救ってくれたのは
隆則。

誰かが手をさしのべてくれれば
誰だって暗闇から抜け出せる。

⏰:10/11/22 01:05 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#327 [愛華]
きしむドアを開き、
もとの道を戻る。


「…………ばいばい」




運命の日は近づいていた。

あたしはまだ知らない。


あたしの大切な人を

失ってしまうこと。

なによりもつらい現実が

あたしを待ち受けていた。

⏰:10/11/22 01:12 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#328 [愛華]
-直純side-

⏰:10/11/22 20:00 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#329 [愛華]
何度も何度も考えた。


今まで俺の歩んできた道。
金だけ持ってじじいのとこを
飛び出してきてから今まで。


隆兄に復讐してやる。
それだけを考えていた。


隆兄は俺を必要となんか
していなかった。

それがなにより悲しくて…
悔しくて、仕方なかったんだ。

⏰:10/11/22 20:04 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


#330 [愛華]
「隆則も同じくらい
苦しかったんだよ」


なにいってんだよ。
そんなの知らねぇよ。


「隆則をお兄さんとして
慕っているからでしょう?」


そんなわけねぇだろ。
あんなやつ………
あんな男………

⏰:10/11/22 20:09 📱:840SH 🆔:dT1tHja6


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