その日が来る前に、2
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#346 [愛華]
白石に言われてそうわかった。


俺は白石が好きだ。
白石の幸せを願いたい。
でもそこまで大人じゃない。

笑顔が見たい。
俺のために笑っててほしい。


ほらな。
人間はいつだって欲のかたまり
なんだ。

たまに見られればいい、なんて
自分に嘘ついてるだけだ。

俺はシャツに腕を通した。

⏰:10/11/23 00:40 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#347 [愛華]
復讐とかそんなんじゃなくて
いつか白石に

俺がいいって言われたい。


心から、笑ってみたい。

白石に出会えてそう思った。


靴をはき、俺はバス停に向かう。


行く先は公園。
昔隆兄とよく遊んだ公園だ。

⏰:10/11/23 00:43 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#348 [愛華]
どんな顔で隆兄は待ってるかな。


バスにゆられながら
そんなことを考えていた。

遊園地に向かう子供のように
俺の心は騒いでいる。


バスを降りて、
公園へ歩いて向かう。


ふ、と前を見ると
5歳くらいの男の子が目に入った。

⏰:10/11/23 00:49 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#349 [愛華]
……道路わきで何やってんだ。
母親どこいってんだよ?


「……おい、そこの子。
母ちゃんどこにいった?」

俺が話しかけると、男の子は
泣きそうな顔で振り向いた。

「……母ちゃんじゃなくて。
きょうは兄ちゃんときてたの。
でも兄ちゃんいなくて………」


……うわ、泣くなよ〜

⏰:10/11/23 00:52 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#350 [愛華]
話しかけたのが間違いか?
ちょっと時間くいそうだ。

「兄ちゃん〜………」

男の子は泣き出してしまった。


「かんべんしてくれよ〜…」

「…兄ちゃんなんか嫌いだ!!」

男の子はぐしゃぐしゃの顔で
叫んだ。

兄ちゃんに置いていかれた
怒りがこもっている。

⏰:10/11/23 00:56 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#351 [愛華]
それだけは耳によく響いた。



「………そゆことゆーな。
兄ちゃんもきっと探してる」

「嘘だよ。きっとお菓子とか
買ってひとりで食べてるよ」

「じゃあ買ってもらえばいい。
お前の兄ちゃんだろ?
探しに行け。兄ちゃんもお前を
探してるんだから」

自分のことじゃないと、こんな事
言えるもんだな。
少し自分にびっくりした。

⏰:10/11/23 01:00 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#352 [愛華]
「…………恭介!!」

横を見ると、道路の向こう側で
男の子の兄らしき人が手を振っているのが見えた。
息をきらしている。
探し回ったんだろう。


「兄ちゃん!!」

「ほらな。探してたろ?」

「うん。ありがと、お兄さん!」

男の子は走っていった。
あの男の子は笑顔で会える。
会えるんだ。

⏰:10/11/23 01:04 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#353 [愛華]
目に入ったのは走りゆく男の子と
青になった信号。


………え。

道路の向こうで男の子の兄ちゃんが何か叫んでいる。


男の子は止まらない。


全てがスローモーションになる。
走ってくる車が見える。

⏰:10/11/23 01:07 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#354 [愛華]
気がつくと走りだしていた。


おい、止まれ。
なにやってんだよ。

口に出てたのかわからない。


男の子を突き飛ばし、それを
抱き留めた兄を見て安心した。


よかったな。会えたな。


ブレーキ音と衝撃音が
あたりに響いた。


あぁ…………よかった。

⏰:10/11/23 01:13 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#355 [愛華]
-隆則side-

⏰:10/11/23 14:12 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


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