その日が来る前に、2
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#351 [愛華]
それだけは耳によく響いた。



「………そゆことゆーな。
兄ちゃんもきっと探してる」

「嘘だよ。きっとお菓子とか
買ってひとりで食べてるよ」

「じゃあ買ってもらえばいい。
お前の兄ちゃんだろ?
探しに行け。兄ちゃんもお前を
探してるんだから」

自分のことじゃないと、こんな事
言えるもんだな。
少し自分にびっくりした。

⏰:10/11/23 01:00 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#352 [愛華]
「…………恭介!!」

横を見ると、道路の向こう側で
男の子の兄らしき人が手を振っているのが見えた。
息をきらしている。
探し回ったんだろう。


「兄ちゃん!!」

「ほらな。探してたろ?」

「うん。ありがと、お兄さん!」

男の子は走っていった。
あの男の子は笑顔で会える。
会えるんだ。

⏰:10/11/23 01:04 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#353 [愛華]
目に入ったのは走りゆく男の子と
青になった信号。


………え。

道路の向こうで男の子の兄ちゃんが何か叫んでいる。


男の子は止まらない。


全てがスローモーションになる。
走ってくる車が見える。

⏰:10/11/23 01:07 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#354 [愛華]
気がつくと走りだしていた。


おい、止まれ。
なにやってんだよ。

口に出てたのかわからない。


男の子を突き飛ばし、それを
抱き留めた兄を見て安心した。


よかったな。会えたな。


ブレーキ音と衝撃音が
あたりに響いた。


あぁ…………よかった。

⏰:10/11/23 01:13 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#355 [愛華]
-隆則side-

⏰:10/11/23 14:12 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#356 [愛華]
笑顔で会えるはずだった。

一緒に泣くつもりでもいた。

お互いいっぱい苦しんだから

もう充分だろって……思って。



なのに。直純。
お前こんなとこで何寝てんだよ。
傷だらけの顔で………


いっぱい管につながれて。

⏰:10/11/23 14:15 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#357 [愛華]
あの公園で待っているとき。
じいさんから電話がはいった。

『直純が事故ったらしい。
俺は行く気はないが伝えておく』

直純が…………事故った?


頭のなかが真っ白のまま
病院に走った。

多分、タクシーのなかで
じいちゃん、ばあちゃん、那佑
にも連絡したんだと思う。

全然覚えていないけれど。

⏰:10/11/23 14:19 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#358 [愛華]
那佑が病院に到着したのは
それから30分後のこと。



「…………隆則!!」

息をきらした那佑がはいってきた


「……お前、走って大丈夫かよ」

「ちょっとなら、大丈夫。
それより………直純くんは?」

⏰:10/11/23 14:22 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#359 [愛華]
「……意識、戻んないかも。
外傷はあんまひどくないけど
頭強く打ってるらしい。
このままってこともありえる」

「そん、な…………」


「じいちゃんとばあちゃんも
そのうち来ると思う。
九州からだから時間はかかると
思うけど…………


お前はもう少ししたら帰れ」

⏰:10/11/23 14:26 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


#360 [愛華]
「帰れないよ。隆則をひとりに
なんてできるわけないじゃん。
あたしも意識もどるまで待つ!」


意識、もどるのかな………


あ、梓に連絡してねぇや……
那佑がしてくれたのかな?




なんで俺、こんな冷静なんだ?

⏰:10/11/23 14:28 📱:840SH 🆔:rxjRbokQ


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