その日が来る前に、2
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#372 [愛華]
梓は強く言った。
目は赤く腫れていたけれど
まっすぐな、瞳。
「…………強いな」
「………え?」
「梓も………那佑も強い。でも
俺は…………臆病で。
ほんとは弱いんだ」
「タカ……………」
:10/11/23 15:15
:840SH
:rxjRbokQ
#373 [愛華]
そう。俺は弱い。
自分を守るのに精一杯で
周りなんか少しもみえなくて。
それでも守りたいものがあった。
だから今まで歩いてこれた。
何度でも言う。
それは那佑のおかげなんだ。
だから、言いたいことがある。
:10/11/23 15:18
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:rxjRbokQ
#374 [愛華]
泣きたい夜もあったし。
叫びたい夜もあった。
でも、あの日。
あの桜の木の下で泣いている
君を見て。強く、強く。
守りたいと。
はじめて自分が強くなれた
そんな気がしたんだ。
ありがとう。
:10/11/23 15:22
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:rxjRbokQ
#375 [愛華]
'
プルルル…………
「………もしもし?隆則!?」
「……興奮しすぎ。びくるわ」
俺はふっと笑った。
すごく久しぶりな気がした。
「今から会えるか?」
:10/11/23 15:24
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:rxjRbokQ
#376 [愛華]
'
何度この場所で待ち合わせした
だろう。数えきれない。
いつも笑顔で君はやってくる。
「あ、隆則!!」
人混みをかきわけて君は俺のもとに走ってくる。
いつもと同じ。同じだ。
:10/11/23 15:27
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:rxjRbokQ
#377 [愛華]
「走るなって言ってるだろ」
「あ、ごめん………ね、今日は
病院いかなくっていーの?」
「んー……うん」
「どしたの、隆則………」
「………話があるんだ」
大切な、大切な話。
きっと君は泣くだろう。
そんな俺を、許してくれ。
:10/11/23 15:31
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:rxjRbokQ
#378 [愛華]
大分暖かくなってきた道を、
那佑とふたりで歩く。
「……もう少しで桜咲くね」
「あー……もう一年かぁ」
もうすぐ那佑と出会って一年。
なんかいろいろありすぎた一年
だったと思う。
「バケツプリン、食べた?」
「あーまだ食べてないや。
食べきれないよ、きっと。
いつか隆則と直純くんと、3人で食べれたらいーね」
:10/11/23 15:35
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:rxjRbokQ
#379 [愛華]
那佑は悲しそうに笑った。
「そうだな………」
『プリン、好きなの?』
『うん、いつかバケツプリンってゆーの食べたいなぁ』
『退院したら食べろよ』
『退院………できるかなぁ』
できたじゃんか。ざまぁみろ。
:10/11/23 15:38
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:rxjRbokQ
#380 [愛華]
着いた先は公園だ。
直純と再会したあの日。
那佑が追いかけてきてくれた公園
「え……隆則の家から来たほうが
早かったじゃん」
「那佑と歩きたかったんだよ」
俺はベンチに腰掛けた。
那佑は隣に腰掛ける。
:10/11/23 15:42
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:rxjRbokQ
#381 [愛華]
生温い風が吹いた。
「話ってなぁに?
直純くんの…………こと?」
「………まぁそれもあるかな?」
那佑がぴくっと反応する。
やっぱり敏感になってるみたいだ
:10/11/23 15:51
:840SH
:rxjRbokQ
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