その日が来る前に、2
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#391 [愛華]
「たかの………なに………」
那佑は震えた声で言った。
怖がっているのかもしれない。
俺の次の言葉を聞くのを。
「…………そのまんま、聞いて」
俺は那佑の肩に顔を埋める。
那佑のにおい。
温かくてしめったような
俺を安心させてくれるにおい。
:10/11/24 22:17
:840SH
:e5xjNigI
#392 [愛華]
きっとこれで最後。
最後にするから。抱きしめたい。
「………俺、那佑と会えて
すっげぇ幸せだったよ」
「あたしもだよ。だから……」
「今までの人生で一番幸せだった
多分、ダントツだよ。
めちゃくちゃ大事だった」
大事………だよ。今も。
:10/11/24 22:23
:840SH
:e5xjNigI
#393 [愛華]
「………なんで……?
どうして………あたしのせい?」
「那佑はなにも悪くないよ」
「じゃあ理由を言ってよ……」
那佑が震えているのがわかる。
でも俺は、もうなにもできない。
大切なものは全ては守れない。
いずれ離さなくちゃいけない時が
来てしまう。
大事なものをつくりすぎて
失うことが恐怖となった。
:10/11/25 21:00
:840SH
:/ryHTVQM
#394 [愛華]
大切すぎて失うことが恐い。
そんな悩みさえも幸せだった。
俺にたくさんの幸せを教えて
くれて………
ほんとうに、ありがとう。
何度言い尽くしても足りないけど
:10/11/25 21:03
:840SH
:/ryHTVQM
#395 [愛華]
強い風が吹いた。
もうすぐ春がやってくる。
那佑と出会った季節。
その前に君に別れを告げる。
「……隆則……なんか言ってよ」
絞りだしたような那佑の声。
君を傷つける。
きっと、今までにないくらいに
残酷に。強く。
:10/11/25 21:08
:840SH
:/ryHTVQM
#396 [愛華]
'
「…………重いんだよ」
「………………え?」
頼む。耐えろ。あと少しでいい。
「那佑のことを背負い続けるの。
俺、弱いからさ…………
もう、限界なんだよ……」
:10/11/25 21:11
:840SH
:/ryHTVQM
#397 [愛華]
「なに…………それ」
「そのまんまだよ………
ごめんな、俺にはもう無理だ」
大丈夫。あと少し。
あと少し耐えられる。
「約束………したじゃんかぁ…」
「そーゆーのが重いん……」
あれ………
:10/11/25 21:14
:840SH
:/ryHTVQM
#398 [愛華]
なんでだ?声でねぇ。
苦しい。張り裂けそうだ。
あぁ……終わってしまう『実感』
嘘ばっか並べて
いまさら苦しくなって
俺はほんとうに馬鹿者だな。
:10/11/25 21:16
:840SH
:/ryHTVQM
#399 [愛華]
俺は那佑を更に強く抱きしめた。
忘れたくない。この体温。
強く、強く、
こわれてしまうほどに。
悲しみがばれないように。
:10/11/25 21:19
:840SH
:/ryHTVQM
#400 [愛華]
好きだ。好きだ。
誰よりも大好きだ。
もうそんな言葉じゃ表せない。
それくらい、大切だった。
君もそうであったのなら
それでもう充分だよ。
:10/11/25 21:21
:840SH
:/ryHTVQM
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