その日が来る前に、2
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#626 [愛華]
「あ、はい」

「もう来ると思うんだけど……」

店長が言い終わらないうちに
ドアが開く音がした。


あ、来た。
あたし人見知りするからな……
上手く話せるかなぁ……




「すいません、遅れましたー
つーか店長。裏口しまってたんすけど。入れませんでしたよ」

⏰:10/12/23 00:30 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#627 [愛華]
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……………………え?




「え?俺閉めてないけど……
あ、白石さんたちか。2人とも
裏口は閉めなくていーからね」

「………え、白石……?」

⏰:10/12/23 00:32 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#628 [愛華]
聞き慣れた声。
ずっと聞いていない声。


うそ。そんな……




その声の男の人はゆっくりと
振り向く。
黒が似合うそのひとは。




「……………隆則……」

⏰:10/12/23 00:37 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#629 [愛華]
「あれ?2人知り合い?」



時が止まった気がした。
周りの音がなにも聞こえない。



「……那佑………」

「隆則なんでここに……」

言葉が出ない。
息ができない。

…………苦しい。

⏰:10/12/23 15:35 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#630 [愛華]
「…………タカ!!あんた
こんなかわいい店でバイトして
たの!?知らなかったよ!」

いきなり梓が声をあげた。



「えー!速水さんも知り合い?」

「はい、幼なじみなんです」

「へーそうなんだ。いろいろ
都合いいかもね。じゃ、裏で
仕事教えてあげて、隆則くん」

⏰:10/12/23 15:40 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#631 [愛華]
「あ…………はい」


隆則はあたしから目をそらして
ドアからでていった。
冷たい。前とは別人みたい。


「………気持ちはわかるから。
普通にしてな。今は。」


梓の声で我にかえる。



どうして?こんな形で…………

⏰:10/12/23 15:45 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#632 [愛華]
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「……えーと、じゃあ仕事教えるから。ちゃんと覚えろよ」

「その前にタカ。いつからここでバイトしてたの?」

「んーと……1ヶ月くらい前?
時給いいし。材料運ぶだけだし」

「確かに、ケーキづくり
とか似合わないしねー」

⏰:10/12/23 15:49 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#633 [愛華]
2人の会話を黙って聞く。


なんだろ、これ…………

あたし、なんでここにいるの?





「…………那佑も、久しぶり」

「…………え、うん」


隆則があたしに笑顔を向ける。
笑顔だけは、前と同じで。

⏰:10/12/23 15:54 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#634 [愛華]
「お前また小っさくなったな。
ちゃんとメシ食ってんのか?」

「た、食べてるよ!!」


そういって乱暴に頭をなでる。
大きくて、あったかい。


隆則の、手。



そっか。隆則はもう『普通』。
もうぎくしゃくしなくても
いいんだ。

⏰:10/12/23 15:57 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


#635 [愛華]
気まずくなる必要なんてない。


前と同じように。
接すればいいんだ。


笑って挨拶すればいい。



それができたら……


あたしの傷は完全に『癒える』。

⏰:10/12/23 15:59 📱:840SH 🆔:dtgS1Dxc


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