その日が来る前に、2
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#631 [愛華]
「あ…………はい」
隆則はあたしから目をそらして
ドアからでていった。
冷たい。前とは別人みたい。
「………気持ちはわかるから。
普通にしてな。今は。」
梓の声で我にかえる。
どうして?こんな形で…………
:10/12/23 15:45
:840SH
:dtgS1Dxc
#632 [愛華]
'
「……えーと、じゃあ仕事教えるから。ちゃんと覚えろよ」
「その前にタカ。いつからここでバイトしてたの?」
「んーと……1ヶ月くらい前?
時給いいし。材料運ぶだけだし」
「確かに、ケーキづくり
とか似合わないしねー」
:10/12/23 15:49
:840SH
:dtgS1Dxc
#633 [愛華]
2人の会話を黙って聞く。
なんだろ、これ…………
あたし、なんでここにいるの?
「…………那佑も、久しぶり」
「…………え、うん」
隆則があたしに笑顔を向ける。
笑顔だけは、前と同じで。
:10/12/23 15:54
:840SH
:dtgS1Dxc
#634 [愛華]
「お前また小っさくなったな。
ちゃんとメシ食ってんのか?」
「た、食べてるよ!!」
そういって乱暴に頭をなでる。
大きくて、あったかい。
隆則の、手。
そっか。隆則はもう『普通』。
もうぎくしゃくしなくても
いいんだ。
:10/12/23 15:57
:840SH
:dtgS1Dxc
#635 [愛華]
気まずくなる必要なんてない。
前と同じように。
接すればいいんだ。
笑って挨拶すればいい。
それができたら……
あたしの傷は完全に『癒える』。
:10/12/23 15:59
:840SH
:dtgS1Dxc
#636 [愛華]
そう信じて。
あたしも『普通』に接するんだ。
「……で、月曜日と火曜日は
このダンボールを3箱。
フルーツは傷つきやすいから
丁寧に運べよ。水曜日はこの
倍の量になるからな」
「うわーいいにおいー!!」
「梓……聞いてんのお前?」
隆則の説明を聞いて、せっせと
メモをとる。
:10/12/24 16:31
:840SH
:amrEgRJU
#637 [愛華]
「那佑、けっこうハードだけど
お前に大丈夫なのか?」
それは……病気のことで?
聞きたくても聞けない。
隆則には話していないから。
病気の進行のこと………。
「……うん。平気だよ」
かすれた声しか出なかった。
隆則の目が、見れない。
:10/12/24 16:42
:840SH
:amrEgRJU
#638 [愛華]
久しぶりに見た隆則を改めて
見ても、少しも変わってなくて
ちょっとだけ安心した。
でもあなたにまだ言ってない
ことがあるから………
後ろめたくなった。
「……それじゃ、これを向こうに運んで並べて」
「………なんかタカ先輩みたい」
「みたい、じゃなくて先輩なんだっつの!!」
:10/12/25 13:53
:840SH
:3uZIMuUg
#639 [愛華]
'
いつのまにか初日は終わった。
隆則が言っていたとおり
ハードだったけど、梓は
なんてことなさそうにこなして
いたので、びっくりした。
「あー終わったー!!疲れた!」
「梓楽勝そうだったじゃんー」
:10/12/26 20:05
:840SH
:G5R.aRfw
#640 [愛華]
チラッと隆則のほうを見ると
あくびをしながら上着を着てた。
………ほんとに普通だなぁ…
ちょっとガッカリしてる自分が
いるのはなんでだろう?
こんな自分に自己嫌悪するよ。
「なーゆちゃん!!」
:10/12/26 20:08
:840SH
:G5R.aRfw
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