その日が来る前に、2
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#62 [愛華]
俺が何も言えないでいると、
玄関の戸が開く音がした。


「やぁやぁ、こんにちは」


弘樹じいちゃんだった。




「話は………聞いたかな?」

「嫌だ!!隆兄と離れるなんて
絶対にいやだ!!」

⏰:10/10/11 19:34 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#63 [愛華]
「直純!!落ち着け!!」

俺は直純をなだめた。

ゆっくりと深呼吸する。
胸の中をぐちゃぐちゃと掻き混ぜられたみたいだ。
気持ち悪い。


「……直純は連れていかせません絶対にだめです。」

「……でも、二人を引き取ることは無理なんだよね?
直純くんの将来のためにもそっちの方がいいと思うんだけど」

⏰:10/10/11 19:39 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#64 [愛華]
何も言ってないのに図々しく
ドカッと腰を下ろす。
気に入らない。なにもかもが。

弘樹じいちゃんは静かに言った

「直純くんの幸せを保障するよ」


直純の…………幸せを?


生活に困らない。約束された
将来もある。
直純には………そっちの方がいいのか?

⏰:10/10/11 19:43 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#65 [愛華]
「………隆兄!!」

直純に呼ばれハッとする。

「……俺は、隆兄が一緒じゃないと意味がないんだよ……」


直純の幸せを、見届けなければならない。


「………条件が、あります」

俺は背筋を伸ばし言った。


負けてたまるかよ。

⏰:10/10/11 19:50 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#66 [愛華]
この先なにがあったって

絶対に絶対に

直純の幸せだけは

絶対に

それが俺のやるべきこと。

なにもできなかった俺

友を失い両親を失い

罪による罰を知り

でももう泣かないと決めた俺の

⏰:10/10/11 22:21 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#67 [愛華]
「………俺も引き取って下さい」

「た、隆則!!」

「……君だけなら、そちらが
引き取れるんだよ?」

弘樹じいちゃんとばあちゃんは
明らかに嫌な顔をした。
じいちゃんも驚いている。

直純だけでも嫌なのに俺まで
取られることはばあちゃんには
耐えられないんだろう。

でも、ごめんな

⏰:10/10/11 22:24 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#68 [愛華]
直純が一人なのに、俺だけばあちゃん、じいちゃんと暮らすなんてことはできない。


「……じゃなかったら、直純は
そちらにはあげれません」

弘樹じいちゃんは顔を歪めた。

――――俺が来ると困ることがあるのか?


弘樹じいちゃんはばあちゃんの方を見た。

⏰:10/10/11 22:35 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#69 [愛華]
「………隆則と、同じです」

ばあちゃんは凜と言った。
その目からは涙が流れていた。
直純を離したくない俺の気持ちが痛いほどにわかったようだった
ばあちゃんも辛いはずなのに…
じいちゃんも同じようだった。


「……隆則……くんもか…」

弘樹じいちゃんは嫌そうだ。

⏰:10/10/11 22:57 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#70 [愛華]
「……なら一人で暮らします」

「えっ…………」

「生活費だけ、弘樹じいちゃんが出して下さい。直純の様子を
見に行きます。会いに行きます」

「た、隆則…………」

ばあちゃんの家は九州だ。
めったに会いに行けない。
それでは意味がないんだ。

「ひ、一人暮らしなんて……」

⏰:10/10/11 23:07 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


#71 [愛華]
「……名義は弘樹じいちゃんでいいから。頼むよ…なぁ」

「………隆兄………」





俺は一人暮らしをすることに
直純は弘樹じいちゃんのもとで


たった一日で運命が決まった。

⏰:10/10/11 23:12 📱:840SH 🆔:16SkwPpw


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