その日が来る前に、2
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#262 [愛華]
強い強い風が吹いた。
誨さんの手はさっきよりも強く
あたしの左手を握っている。
………調子狂うな、ほんと……
直純のことやタカのこととか
いっぱい考えることがあって
さっきまでぐちゃぐちゃだった。
でも今はかいろも貼っていない
お腹がホカホカして……心地好い
少しだけ、楽になってる。
:10/11/04 18:26
:840SH
:si2Qn6yo
#263 [愛華]
ちらっと横目で誨さんを見た。
………いつまでこんなふうに
かまっててくれるんだろ……
親友の幼なじみ。ただそれだけ。
いずれ離れるときがくる。
胸がちくんとした気がしたけど
あたしはその痛みにまだ気がつかない。気がつきたくなかった。
少しずつ、いろんなものが
動きはじめた 三月の寒い日。
:10/11/04 18:31
:840SH
:si2Qn6yo
#264 [愛華]
-隆則side-
:10/11/05 20:07
:840SH
:aqKRS9iY
#265 [愛華]
頼む。頼むから。
俺の名前を呼ぶな。
お願いだから
俺の罪を、 掘り起こさないで。
知らないふりさせてくれ
:10/11/05 20:17
:840SH
:aqKRS9iY
#266 [愛華]
俺を縛っていたのは『約束』
そして『誓い』。
直純との『会いに行く』という約束を破ってしまった。
自分との『直純を守る』という
誓いを破ってしまった。
「6年間、音信不通になっただけたいしたことはない」
普通の人ならそうかもしれない
笑って再会できるかもしれない
でも俺はちがうんだ。
:10/11/05 20:20
:840SH
:aqKRS9iY
#267 [愛華]
幼かった俺はどうしようもなく
苦しんで……やがて苦しむことを忘れようとした。
そのほうが楽だと思ったから。
でも忘れてなんかなかった。
ずっと眠っていただけだった。
俺の『約束』と『誓い』。
直純に再会した瞬間、
それは一気に溢れ出し
俺は黒い闇へ戻された。
:10/11/06 00:01
:840SH
:GLQ4XmxY
#268 [愛華]
でも期待もした。
もし直純がこの6年間の間、
幸せに笑ってすごしていたのなら
俺の罪も軽くなって
また笑いあえるのかもって。
でもあとで那佑から聞かされた
真実は、それとは遠くかけはなれたものだった。
「直純は虐待されていた」
:10/11/06 00:03
:840SH
:GLQ4XmxY
#269 [愛華]
苦しみの再発。
直純。ごめんな。ごめんな。
約束やぶってごめんな。
助けられなくてごめんな。
俺だけ幸せになったりして……
ごめんな。
ごめん。それしか言えない。
:10/11/06 00:05
:840SH
:GLQ4XmxY
#270 [愛華]
再会から3日。
直純とは会っていない。
復讐されてもしかたがない。
でも俺にだって守らなきゃいけないものがある。
いくらお前にだって、譲れないものがあるんだよ。
たとえ罪悪感に潰されたとしても
:10/11/06 00:09
:840SH
:GLQ4XmxY
#271 [愛華]
「………顔色わるいな、お前」
「…………ん……」
誨が心配そうに粥をつくって
俺のところにやってきた。
この3日、ろくに寝ていない。
「………直純くんのことで
寝てないんだろーが……」
誨には昨日すべて話した。
那佑が送別祭の翌日に、すべてを話しにきたので
いい機会だと思い、誨にも打ち明けた。
:10/11/06 00:15
:840SH
:GLQ4XmxY
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