その日が来る前に、2
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#266 [愛華]
俺を縛っていたのは『約束』
そして『誓い』。
直純との『会いに行く』という約束を破ってしまった。
自分との『直純を守る』という
誓いを破ってしまった。
「6年間、音信不通になっただけたいしたことはない」
普通の人ならそうかもしれない
笑って再会できるかもしれない
でも俺はちがうんだ。
:10/11/05 20:20
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:aqKRS9iY
#267 [愛華]
幼かった俺はどうしようもなく
苦しんで……やがて苦しむことを忘れようとした。
そのほうが楽だと思ったから。
でも忘れてなんかなかった。
ずっと眠っていただけだった。
俺の『約束』と『誓い』。
直純に再会した瞬間、
それは一気に溢れ出し
俺は黒い闇へ戻された。
:10/11/06 00:01
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#268 [愛華]
でも期待もした。
もし直純がこの6年間の間、
幸せに笑ってすごしていたのなら
俺の罪も軽くなって
また笑いあえるのかもって。
でもあとで那佑から聞かされた
真実は、それとは遠くかけはなれたものだった。
「直純は虐待されていた」
:10/11/06 00:03
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#269 [愛華]
苦しみの再発。
直純。ごめんな。ごめんな。
約束やぶってごめんな。
助けられなくてごめんな。
俺だけ幸せになったりして……
ごめんな。
ごめん。それしか言えない。
:10/11/06 00:05
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#270 [愛華]
再会から3日。
直純とは会っていない。
復讐されてもしかたがない。
でも俺にだって守らなきゃいけないものがある。
いくらお前にだって、譲れないものがあるんだよ。
たとえ罪悪感に潰されたとしても
:10/11/06 00:09
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#271 [愛華]
「………顔色わるいな、お前」
「…………ん……」
誨が心配そうに粥をつくって
俺のところにやってきた。
この3日、ろくに寝ていない。
「………直純くんのことで
寝てないんだろーが……」
誨には昨日すべて話した。
那佑が送別祭の翌日に、すべてを話しにきたので
いい機会だと思い、誨にも打ち明けた。
:10/11/06 00:15
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#272 [愛華]
「とりあえず飯食え。
俺がつくってやったんだからな」
………くさい……
お粥ってこんな臭いだっけ…
画用紙の臭いがする。
「さ、さんきゅな………」
文句を言う気力もなかったので
ゆっくりソファから起き上がり
恐る恐るさじをはこんだ。
…………予想通り……
図画工作の味だ。
食べたことはないけれど…
これは食べるものじゃない。
:10/11/06 00:19
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#273 [愛華]
「………うまいか?」
「………ごめん。まずい」
ただ米を水と煮るだけなのに…
美味しくしようとしていろいろ
入れたんだろう。
その結果、図画工作の味。
米から見えてるのは、梅干し、ニンニク、高菜、ウナギ……
あとは原形がなく、わからない。
「えー頑張ったんだけど……」
頑張ったかどうかじゃねぇ。
食べれるか食べれないかだろ。
そう思ったがさすがに悪いなと思い口には出せなかった。
:10/11/06 00:24
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#274 [愛華]
半分くらい食べたところで
俺は食べるのをやめた。
「うぅっぷ……ごちそーさん…」
「まだ残ってるじゃんかぁ」
無茶いうな。
俺を殺したいのか治したいのか
はっきりしろ。わざとか?
「わりぃ。とりあえず横んなる」
俺はごろーんとソファに横になる
:10/11/06 01:22
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#275 [愛華]
那佑は今なにしてるだろうか。
直純は今どこにいるのか。
直純は那佑のことが好きなんだ。
俺はどうやって償えば………
「………なにも考えるな。」
自分で自分を制する。
今はなんも考えなくていい。
そのうち自分の中で
絶対に生まれてはいけない感情が
でてきてしまうかもしれない。
:10/11/06 16:27
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