その日が来る前に、2
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#376 [愛華]
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何度この場所で待ち合わせした
だろう。数えきれない。
いつも笑顔で君はやってくる。
「あ、隆則!!」
人混みをかきわけて君は俺のもとに走ってくる。
いつもと同じ。同じだ。
:10/11/23 15:27
:840SH
:rxjRbokQ
#377 [愛華]
「走るなって言ってるだろ」
「あ、ごめん………ね、今日は
病院いかなくっていーの?」
「んー……うん」
「どしたの、隆則………」
「………話があるんだ」
大切な、大切な話。
きっと君は泣くだろう。
そんな俺を、許してくれ。
:10/11/23 15:31
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:rxjRbokQ
#378 [愛華]
大分暖かくなってきた道を、
那佑とふたりで歩く。
「……もう少しで桜咲くね」
「あー……もう一年かぁ」
もうすぐ那佑と出会って一年。
なんかいろいろありすぎた一年
だったと思う。
「バケツプリン、食べた?」
「あーまだ食べてないや。
食べきれないよ、きっと。
いつか隆則と直純くんと、3人で食べれたらいーね」
:10/11/23 15:35
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:rxjRbokQ
#379 [愛華]
那佑は悲しそうに笑った。
「そうだな………」
『プリン、好きなの?』
『うん、いつかバケツプリンってゆーの食べたいなぁ』
『退院したら食べろよ』
『退院………できるかなぁ』
できたじゃんか。ざまぁみろ。
:10/11/23 15:38
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:rxjRbokQ
#380 [愛華]
着いた先は公園だ。
直純と再会したあの日。
那佑が追いかけてきてくれた公園
「え……隆則の家から来たほうが
早かったじゃん」
「那佑と歩きたかったんだよ」
俺はベンチに腰掛けた。
那佑は隣に腰掛ける。
:10/11/23 15:42
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:rxjRbokQ
#381 [愛華]
生温い風が吹いた。
「話ってなぁに?
直純くんの…………こと?」
「………まぁそれもあるかな?」
那佑がぴくっと反応する。
やっぱり敏感になってるみたいだ
:10/11/23 15:51
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:rxjRbokQ
#382 [愛華]
「………那佑は、強いな」
「…………はぁ?なにそれ?」
那佑は意味がわからない、
という顔をして俺を見た。
確かにそうだな。
でも聞いてくれ、最後まで。
「はじめて会った時はすごい
弱くて……なんつーか小さい
猫みたいなやつだったけど…」
:10/11/23 15:56
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:rxjRbokQ
#383 [愛華]
『あたし……死にたくないよ…』
泣きながら言う君を見て
君を守れるのは俺しかいない
そう思った。
願いをこめて、抱きしめた。
「ほんと……強くなった……」
「隆則…………?」
なのに俺は弱いままだった。
ごめんな。
:10/11/23 16:01
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:rxjRbokQ
#384 [愛華]
『隆則は黒が似合うね!』
黒髪が好きだったわけじゃない。
からまれるとこ見られるのが
嫌だったから、変えただけ。
そういえばクリスマスにくれた
ブレスレットも黒だった。
「ありがとな。ほんとに」
「隆則………なにいってんの」
:10/11/23 16:18
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:rxjRbokQ
#385 [愛華]
『絶対あたしのところに
帰ってきてね。約束だよ』
「那佑…………」
「隆則………なに?」
約束、だよ。
「…………………別れよう」
約束は人を強くして
そして別れには悲しみで縛る。
:10/11/23 16:25
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:rxjRbokQ
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