その日が来る前に、2
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#432 [愛華]
「梓のせいじゃないよ……」
あたしはゆっくり目をつむる。
体と心が分離したみたいな感覚。
「………タカにね、電話したの。
でも俺は行かない、の一点張り
で…………」
「隆則は、来ないよ」
そう。あれはゆめなんだ。
:10/11/28 00:55
:840SH
:ht7jgmU6
#433 [愛華]
「タカと……なにがあったの」
強くなりなさい。
「隆則は…………来ない。
もう………来ないかもしれない。
会えないかもしれないよ…」
:10/11/28 00:58
:840SH
:ht7jgmU6
#434 [愛華]
笑ったつもりだったけど
溢れたのは涙だった。
あふれる涙は枕を濡らしていく。
大丈夫。今日の夜をこえれば
きっと強くなれる。
もう泣かないから。
口に出したくなかったのは
認めなくなかったから。
でも認めなくっちゃいけない。
隆則は、もう戻ってはこない。
:10/11/28 01:03
:840SH
:ht7jgmU6
#435 [愛華]
しあわせなゆめから覚める。
隆則は、いない。
どこにもいない。
直純くんも、いない。
ねぇ隆則。
今どんな思いでこの夜を
過ごしていますか。
あなたも苦しいのですか。
:10/11/28 01:08
:840SH
:ht7jgmU6
#436 [愛華]
'
スースー………
規則正しい呼吸音。
こうしてみるとただ眠ってる
だけみたいだね。
直純くん。
あなたはいつ戻ってくるのかな
:10/11/28 15:49
:840SH
:ht7jgmU6
#437 [愛華]
あたしは2週間の入院を終え、
直純くんのお見舞いに来ていた。
この2週間の間、隆則は
一度もあたしのところには
来なかった。
でも、それでよかった。
いろいろと考えて、整理が
自分の中でついたから。
まだわからないことはあるけど。
:10/11/29 01:09
:840SH
:hy/O786s
#438 [愛華]
「直純くん。あたしね、病気なの 心臓の病気。黙っててごめんね」
当たり前だけど返事は、ない。
「今のままだとね、25歳まで
生きられないんだってさ。
馬鹿みたいだよね。こんなに
あたしは元気なのに………」
少しずつ進む病状。
増えていく薬の量。
今回は軽い発作だったけれど
次がどうなのかなんてわからない
:10/11/30 01:23
:840SH
:3qS5Fofs
#439 [愛華]
未来を予想することが怖い。
今までほんとにあなたに
頼ってばかりだったんだね。
ガラッ………
「あ………那佑きてたんだ」
「あ、今きたとこだよ。
退院の時はいろいろ手伝って
もらっちゃってごめんね」
「ううん。大丈夫だよ」
:10/11/30 21:33
:840SH
:3qS5Fofs
#440 [愛華]
梓は持ってきた花を花瓶にいれ
窓の側においた。
優しいかおりの花。
「…………もう平気なの?」
梓はあたしの隣の椅子に座ると、
小さな声で尋ねた。
「うん。いろいろ考えたよ。
正直ちょっと辛かったけど。
で、結論も出したから。
梓には報告しておくね」
:10/11/30 21:43
:840SH
:3qS5Fofs
#441 [愛華]
「けつ………ろん?」
「あたし、直純くんを支える。
側にいて一緒にいるから」
「直純と………つきあうの?」
「そうじゃないよ。あたし今は
まだ隆則が忘れられないもん。
あたしだって馬鹿じゃない。
隆則が本心であたしに別れを
告げたわけじゃないって
ちゃんとわかるから。」
:10/11/30 21:51
:840SH
:3qS5Fofs
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