その日が来る前に、2
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#53 [愛華]
なに?なんのはなし?
「ばあちゃん………」
「……大丈夫だよ。隆則と直純はじいちゃんとばあちゃんがずっと一緒にいるからね」
その言葉でわかってしまった。
あのひと………俺と直純を
引き取りにきたんだ。
今まで会ったこともないのに?
:10/10/11 15:33
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#54 [愛華]
………嫌だ。
「………俺、嫌だよ」
拳をぎゅっとにぎりしめて
なるべく冷静に俺は言った。
直純の手を握る方にも力が入り
直純は不安そうに俺を見た。
「隆則………」
「直純と離れることになったり
すんのも絶対にやだからな」
「…………隆兄?」
:10/10/11 16:29
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#55 [愛華]
神様。なんでもいい。誰でもいい
もう大切な人を奪わないで
たとえ道を踏み外したとしても
俺には守らなければならないものがあるんだ。
守らなければならない幸せがあるんだよ。
絶対にこの手は離しちゃ駄目だ。
そう誓ったんだよ。
:10/10/11 19:09
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#56 [愛華]
′
その三日後
俺達の運命は決まってしまった
あの時、あの瞬間、
あの手を離さなければ
:10/10/11 19:12
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#57 [愛華]
「ばあちゃん!!
どういうことだよ!!」
俺は怒鳴った。
だって一緒にいるって………
言ったのに。どうしてだよ。
「………隆則。落ち着いて」
「ばあちゃん………俺達、
離れちゃうの?」
「直純も………話を聞いて?」
:10/10/11 19:14
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#58 [愛華]
あれから俺達はばあちゃん達の
実家で過ごしていた。そして
直純は、弘樹じいちゃんと一緒に暮らすことになった
という話を告げられた。
どうして………直純だけなんだ?
:10/10/11 19:19
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#59 [愛華]
話はこうだった。
弘樹じいちゃんは、ある会社を
持っていて父さんは跡取り候補
だった。しかし父さんは決められた婚約者から逃れて跡取りの名も捨てた。
じいちゃんは父さんを憎んだが
跡取りがいないことで目が覚め
仲直りしようとしたところで
事故が起こってしまった
じいちゃんの会社には跡取りがいない。
その跡取りとして直純を。
:10/10/11 19:25
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#60 [愛華]
じいちゃんもばあちゃんも
年金だけの生活。
俺と直純を引き取ることなんて
到底無理だ。
一方、弘樹じいちゃんには直純を育てていく環境もお金もある
直純にとってはそっちの方がいい
と言ってるのだ。
じいちゃんとばあちゃんは
俺だけなら引き取れる。
つまり、俺と直純はばらばらになってしまうということ。
:10/10/11 19:29
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#61 [愛華]
どうして直純を跡取りに?
どうして直純だけを?
直純を跡取りとして育てる?
直純と、ばらばらになる?
頭の中はパニックだ。
:10/10/11 19:32
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#62 [愛華]
俺が何も言えないでいると、
玄関の戸が開く音がした。
「やぁやぁ、こんにちは」
弘樹じいちゃんだった。
「話は………聞いたかな?」
「嫌だ!!隆兄と離れるなんて
絶対にいやだ!!」
:10/10/11 19:34
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