その日が来る前に、2
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#686 [愛華]
「……あ、直純………」
「梓か。なんだよ」
息をきらして教室に入ってきた
のは梓だった。窓の外を見てた
ので、顔は見えないけど……
きっと泣きそうな顔してる。
「……あのさ、バイトのこと。
隠してたわけじゃなくってさ」
「別にいーよ。もう」
俺は振り返って微笑んだ。
:11/01/03 00:30
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:8TNSGwW2
#687 [愛華]
隆兄がバイトにいるのを知った
のはついさっき、梓から聞いた。
『那佑、バイト頑張ってるよ。
タカがフォローしてくれてるし』
梓とバイトの話をしていた時、
梓が口を滑らせた。
問い詰めて、全部聞いた。
白石と隠していたことを全部。
:11/01/03 00:37
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:8TNSGwW2
#688 [愛華]
隆兄と白石が再会した。
そんなことよりも………
白石に隠されていた。
白石に……信用されてなかった。
なんか辛かったのかも。
梓が今にも泣きそうだけど……
泣きたいのこっちだっての。
:11/01/04 22:41
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:SJMj34kI
#689 [愛華]
いや…………違うか。
今泣きたいのは白石か。
きっとこの瞬間も泣いてる。
俺の、せいで。
「………直純………」
「俺、白石にひでぇことした。
嫌われてっかもしんねぇわ」
「な、に…………それ」
:11/01/04 22:50
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:SJMj34kI
#690 [愛華]
空気が冷えてゆく感じがした。
違うところにあった気持ちが
自分のところに戻ってきた。
そんな感覚。
「……………潮時、かな」
諦めるなら今なのかな。
:11/01/04 22:58
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:SJMj34kI
#691 [愛華]
「直純…………」
「俺、白石から病気が進行した
こと聞いてさ………白石は
手術受けないって言ったけど
俺は受けてほしいって思った。
病気が治って、ここに戻って
きてほしいって。
でも言えなかった。
梓、なんでかわかるか?」
「…………」
:11/01/04 23:07
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:SJMj34kI
#692 [愛華]
「俺には自信がなかったんだ。
白石にそう言ったとして。
『成功しなかったら……』
って不安をもらされたら。
受け止められる自信がなかった。
だから、言えなかった」
冷えた空気を吸い込む。
冷えていたように感じたのは
俺だけかもしれないけれど。
:11/01/04 23:16
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:SJMj34kI
#693 [愛華]
窓の外ではたくさんの生徒たちが
疲れた顔で走り回ってる。
あ、梓のやつも授業抜け出して
きたのか。
………なんで俺、こんなに
冷静なんだろ。
すごい辛いはずなのに。
:11/01/04 23:26
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:SJMj34kI
#694 [愛華]
「………………やっぱ、さ。
隆兄はすげぇよなぁ」
あの日から。
白石は俺の側にいてくれて。
いっぱい時間はあったはずなのに
白石には近づけなかった。
:11/01/04 23:28
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:SJMj34kI
#695 [愛華]
だから、もういいんだ。
白石が一緒に居たいやつと
一緒にいればいい。
その前に、君に伝えたい。
俺が思ってること全部。
たくさん傷つけてごめん。
兄弟そろって馬鹿でごめん。
でも好きだった。ということを。
:11/01/04 23:36
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:SJMj34kI
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