その日が来る前に、3
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#253 [愛華]
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「……………那佑ー起きろー」
「…………へぁ………ん……」
:11/02/03 21:07
:840SH
:a8wAIOCc
#254 [愛華]
「お前ねー寝てんなよ……」
「あたし………寝てた?」
いつの間にか寝てたらしい。
昨日寝なかったせいか………
てゆーかこんな日に昼寝って…
「あたし変な顔してなかった?」
「あーヨダレふいてやった」
:11/02/03 22:19
:840SH
:a8wAIOCc
#255 [愛華]
「うそばっかついて……」
「わはは。ほら。外見てみ」
あたしは窓の外に目をやった。
まだまどろむ目をこする。
「……………すご……」
それしか言葉が出なかった。
:11/02/03 22:22
:840SH
:a8wAIOCc
#256 [愛華]
最後に海を見たのは
確か6歳の時。
お父さんとお母さんと一緒に
海に入って遊んだ。
少し寒かったけど、嬉しくて。
楽しくて。
こんな幸せが続くって信じた。
幼かった、あの頃。
:11/02/03 22:29
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:a8wAIOCc
#257 [愛華]
「隆則!!早く早く!!」
「そんな急いで転ぶなよー」
隆則が呆れたように笑う。
あたしは波打際まで走った。
……冷たい。海の水って冷たい。
:11/02/03 22:32
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:a8wAIOCc
#258 [愛華]
夕陽が海に沈んでいた。
映画とかで見慣れた感じ。
でもその景色は言葉が出ない
くらいに綺麗で。
夕陽ってほんとに海に沈むんだ…
なんて馬鹿なこと考えた。
:11/02/03 22:34
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:a8wAIOCc
#259 [愛華]
「………隆則、ありがと」
「なにが?」
「連れて来てくれて。海見たの
10年ぶりくらいだから嬉しい」
「あー…俺もそんくらいかな…」
隆則はニッと笑った。
たまらなく、愛しいひと。
:11/02/03 22:38
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:a8wAIOCc
#260 [愛華]
「ひといねーなぁ」
「もう夕方だしねー……」
あたしたちは砂の上に座った。
長い時間車に乗っていたので、
砂がやわらかく感じた。
あたたかかった。
「………綺麗だ、ね」
「うん。ありがたいわ」
:11/02/03 22:44
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:a8wAIOCc
#261 [愛華]
「ありがたいってなに?」
「俺前までは景色とか見て
感動することとかないって
思ってたからさー…」
「なるほどー心が荒んでたのね」
「うるせーな!」
2人で声を上げて笑った。
笑い声は波の音に消えていった。
:11/02/03 22:51
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:a8wAIOCc
#262 [愛華]
幸せだな。あたし。
でも、もしもあたしが。
病気じゃなかったら?
今までにも何度も考えたっけ。
:11/02/03 22:54
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