その日が来る前に、3
最新 最初 全 
#356 [愛華]
しぶといね、あたしも…………
何回死にかけてんだか。
鼻に違和感があったので、
触ろうとしたけれど、
手に力が入らなかった。
………違う人の体みたい………
:11/02/08 23:08
:840SH
:RObCb5To
#357 [愛華]
まぶたがすごく重くて。
あたし、生きてんのか。
まだ生きてんのか。
確実に命は擦り減ってるけど。
まだこらえつづけてるんだ。
手にぎゅっと力をいれた。
:11/02/08 23:11
:840SH
:RObCb5To
#358 [愛華]
あたし、どうしたんだっけ……
あ、また発作おきたのか。
体の調子からいくと
けっこう危なかったっぽいな。
静まりかえった病室。
ここは天国なんかじゃないよね?
お願いだから、
誰か証明して……………。
:11/02/08 23:14
:840SH
:RObCb5To
#359 [愛華]
今度は右手に力を入れた。
……………あれ?
ゴツゴツしてて大きくて。
それでもいつもあたたかい。
間違えるわけない。
あの手を。
:11/02/08 23:18
:840SH
:RObCb5To
#360 [愛華]
私の右手を包んでるその手は。
「……………たか……の、り」
ツーッと一筋涙が流れた。
頬をつたい落ちたそれは
枕に小さなシミをつくった。
:11/02/08 23:22
:840SH
:RObCb5To
#361 [愛華]
会いたかった。
会いたかったんだよ。
ずっとずっと会いたかった。
隆則はあたしの右手を握りしめ、その手に頬を寄せるようにして眠っていた。
寝息が伝わってくる。
:11/02/08 23:24
:840SH
:RObCb5To
#362 [愛華]
「……………隆則?」
「………………」
「隆則…………」
「………………」
何回呼んでも起きない。
3回目に隆則を呼ぼうとした時。
「たか…………」
:11/02/08 23:27
:840SH
:RObCb5To
#363 [愛華]
「……………ん……」
「わっ…………」
隆則は何も言わずに、
ムクッと起き上がった。
目は空いているけれど、
焦点があっていない。
ただ、その手は痛いほどに
あたしの右手を握りしめていた。
:11/02/08 23:33
:840SH
:RObCb5To
#364 [愛華]
「隆則、手いたい………」
「え……………」
すごく久しぶりに言葉を
発した気がする。
そして………すごく久しぶりに
隆則を見たような気もする。
嬉しい。
:11/02/08 23:41
:840SH
:RObCb5To
#365 [愛華]
「え、え……………那佑?」
「そ、そうだよ………」
隆則はパッと手を離すと
両手であたしの頬を包んだ。
さっきまで焦点があっていなかった瞳が真っ直ぐ私に向かう。
「那佑?那佑だよな?」
:11/02/08 23:45
:840SH
:RObCb5To
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194