その日が来る前に、3
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#361 [愛華]
会いたかった。
会いたかったんだよ。
ずっとずっと会いたかった。
隆則はあたしの右手を握りしめ、その手に頬を寄せるようにして眠っていた。
寝息が伝わってくる。
:11/02/08 23:24
:840SH
:RObCb5To
#362 [愛華]
「……………隆則?」
「………………」
「隆則…………」
「………………」
何回呼んでも起きない。
3回目に隆則を呼ぼうとした時。
「たか…………」
:11/02/08 23:27
:840SH
:RObCb5To
#363 [愛華]
「……………ん……」
「わっ…………」
隆則は何も言わずに、
ムクッと起き上がった。
目は空いているけれど、
焦点があっていない。
ただ、その手は痛いほどに
あたしの右手を握りしめていた。
:11/02/08 23:33
:840SH
:RObCb5To
#364 [愛華]
「隆則、手いたい………」
「え……………」
すごく久しぶりに言葉を
発した気がする。
そして………すごく久しぶりに
隆則を見たような気もする。
嬉しい。
:11/02/08 23:41
:840SH
:RObCb5To
#365 [愛華]
「え、え……………那佑?」
「そ、そうだよ………」
隆則はパッと手を離すと
両手であたしの頬を包んだ。
さっきまで焦点があっていなかった瞳が真っ直ぐ私に向かう。
「那佑?那佑だよな?」
:11/02/08 23:45
:840SH
:RObCb5To
#366 [愛華]
「だからそうだってば」
「そっか…………」
「うん。戻ってきたんだよ」
あたしが笑うと、隆則は
ホッとしたように手を離し、
今度はあたしの手を自分の頬に
持っていった。
隆則の頬はやっぱりあたたかくて
あたしは戻ってきたんだなって
実感させてくれた。
:11/02/08 23:50
:840SH
:RObCb5To
#367 [愛華]
「…………よかった。
もう、戻ってこねぇかと思っ…」
「ばか。あたしはそんな簡単に
くたばりませんよーだ」
隆則は優しく笑いながら、
あたしの手のひらにキスをした。
神様、覚えていますか?
:11/02/08 23:54
:840SH
:RObCb5To
#368 [愛華]
きっと毎日、何千何万という人があなたに願いを託すのだろう
けれど。
その中で私の願いは届いてる?
信じない、なんて言わない。
だって私はこうやってここに
戻ってこれたんだから。
だから贅沢をいうならば。
ずっとここにいたいです。
:11/02/08 23:59
:840SH
:RObCb5To
#369 [愛華]
それからは忙しかった。
お母さんとお父さんが泣いて。
検査を受けて。
そして、次にまたいつ発作が
起こるかわからないことを
告げられた。
なんとなくわかってたから、
何も言わなかった。
:11/02/09 00:05
:840SH
:GPZpAJBk
#370 [愛華]
何を感じることもなくて。
気がつくと、
目覚めてから5日たっていた。
『次』って……いつだろ?
そんなことばかり
考えていた気がする。
隆則は、そんなあたしを朝から晩まで一緒にいて支えてくれた。
:11/02/09 00:11
:840SH
:GPZpAJBk
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