その日が来る前に、3
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#391 [愛華]
世間話もほどほどに、
隆則が急にあたしに言った。



「具合どうだ?」




これも、いつもと同じセリフ。
なのに今日はいつもと重みが
全然違う気がした。



茶化しちゃいけない気がした。

⏰:11/02/11 10:12 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#392 [愛華]
ベッドがぎしぎしときしむ。
その音が妙に耳に響く。




「絶好調ですよーだ」

「ほんとに?」




あ、今…………。



空気が冷える感覚。

⏰:11/02/11 10:16 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#393 [愛華]
なに?なに?



こわい。こわいよ。



隆則は真っ直ぐにあたしを
見つめる。


強い決意のようなものが見える。



「今日は重大な話がありますっ」

⏰:11/02/11 10:20 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#394 [愛華]
「重大な………はなし?」

あたしが聞き直すと、隆則は
またにっこり笑ってVサインを
出した。


「ふたつ。話があるから。
聞いてくれるか?」



聞きたくない。


でもそれは声にならなくて。
頭の中は嫌なことしか思い
浮かばなくて。

⏰:11/02/11 10:26 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#395 [愛華]
「……………」

「那佑。俺を見て」


あたしも隆則がしてくれたように真っ直ぐと隆則を見つめる。




「…………いいよ」


「うん。ありがとな」


わしわしとあたしの頭をなでる。

⏰:11/02/11 10:29 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#396 [愛華]
この手さえあれば。
なんでものりこえてゆける。

そんな気がするよ。








「じゃーひとつめの話」

「うん」

隆則は座っていた椅子から、
あたしのいるベッドに移った。

⏰:11/02/11 10:33 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#397 [愛華]
空けていた窓から、夕方特有の
涼しくて少ししょっぱい風が
はいってくる。





優しくて、切なくて、でも
あたたかくて、さみしい。







「那佑、手術受けよう」

⏰:11/02/11 10:37 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#398 [愛華]
'






手術?





頭が真っ白になった。

どうして、そんなこと………

⏰:11/02/11 10:39 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#399 [愛華]
何度も堅く拒んだ。

絶対に嫌だったの。


手術室の中でひとりで死を
迎えるなんて絶対に。



隆則はそれを知ってるのに


今さらどうして……………?


どうしてそんなこと言うの?

⏰:11/02/11 10:42 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


#400 [愛華]
「……なに言ってんの?
するわけないじゃん手術なんか」

「今のまんまじゃダメだ」

「今のままでいいよ」


声が震える。


隆則はわかってくれてると
思ってた。

話ってそれなの……?

手術を受けろって話?

⏰:11/02/11 14:16 📱:840SH 🆔:zJ6xm7Y6


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