その日が来る前に、3
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#154 [愛華]
「……なーんでもなーいよ!!」
あたしはニヒッと笑った。
「あ、隆則!明日はさー売店の
イチゴチョコミルクバナナプリン買ってきて!!二つね!!」
「甘そうな名前だなおい……
つか俺はいらないっつの」
「違うよーあたしが二つとも
食べちゃうんだもーん」
:11/01/17 14:38
:840SH
:ZDXgRsOI
#155 [愛華]
『なんでもない』
が口癖になった気がする。
不安を口にすることすらも不安。
強がることが上手くなった。
最近よく思う。
明日もあたしは…………
ここに在られるんだろうか。
:11/01/17 14:43
:840SH
:ZDXgRsOI
#156 [愛華]
あたしが笑っている。
そこに隆則がいる。
そんな未来が上手く想像できない
「…………マジでヤバいかも」
あたしは本当に………
『諦めてない』の?
:11/01/17 14:45
:840SH
:ZDXgRsOI
#157 [愛華]
庭にある桜の木を見ると、
今までの隆則との想い出が
よみがえってくる。
……これって、余命が短い人間
にありがちなことのような……
ドラマとかでよく見るよなぁ。
なんて1人の病室で思って
笑ってたりする。
:11/01/17 14:50
:840SH
:ZDXgRsOI
#158 [愛華]
隆則といると安心する。
でもそれはあたしだけ。
隆則は不安なんだよね。
あたしはいなくなっちゃえば
それでおしまい。
でも隆則は………苦しみ続ける。
:11/01/17 14:53
:840SH
:ZDXgRsOI
#159 [愛華]
あ…………まただ。
涙が頬を静かにつたう。
隆則といる時は絶対に流さない
のに。1人の時に出るんだ。
………どうすればいい。
:11/01/17 15:02
:840SH
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#160 [愛華]
もし、あたしが死んだとして。
そのあとのあたしの記憶が
隆則を苦しめるのだとしても。
あたしは隆則の中に残りたい。
時々思い出してくれればいい。
そして笑ってくれればいい。
:11/01/17 15:05
:840SH
:ZDXgRsOI
#161 [愛華]
ぎゅうっと胸に手をあてる。
そして1つのことを決める。
やっぱり少し怖いけど。
あたしが隆則の記憶に残る。
1つの方法。
:11/01/17 15:09
:840SH
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#162 [愛華]
'
「…………え…外出許可…?」
「うん!!一泊二日だけどね」
「よく出たなー許可なんて…」
「最近調子そこまで悪くないし。贅沢言えないけどねー」
:11/01/17 19:18
:840SH
:ZDXgRsOI
#163 [愛華]
今、じゃなくてもいいのかも
しれない。
でもこれが最後になったり
したら……きっと後悔する。
あたしが上手に笑えるうちに。
「そっかーよかったな!!
家族で過ごすのか?」
:11/01/17 19:20
:840SH
:ZDXgRsOI
#164 [愛華]
嬉しそうに隆則が言う。
いつも通り、 なんだけど。
「………ううん、違うの」
「ん?なんだって?」
あたしは隆則のほうに向き直る。
:11/01/17 19:22
:840SH
:ZDXgRsOI
#165 [愛華]
「……………この日は。
隆則とずっと一緒にいたい」
「……………?」
「2日間…………隆則といる。
ずっといる。どこでもいいから」
だから。
:11/01/17 19:25
:840SH
:ZDXgRsOI
#166 [愛華]
「『なんとなく』じゃなくて…」
ずっと前の、隆則の言葉。
『こんななんとなくで那佑と
するのは嫌なんだよ』
なんとなく、じゃなくて…
:11/01/17 19:28
:840SH
:ZDXgRsOI
#167 [愛華]
「……………那佑?」
上手く言葉にできない。
なんか………顔あつい……
「……えと……あの、その……」
顔が熱くなるのがわかる。
あたし………何言ってんの…
:11/01/17 19:32
:840SH
:ZDXgRsOI
#168 [愛華]
頭が真っ白だ。
なんも考えられない。
「…………えっとね、つまり…」
「…………無理しなくていーよ」
隆則が静かに言った。
:11/01/17 19:35
:840SH
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#169 [愛華]
……………無理……?
隆則はあたしの言いたいことが
わかったのか、微笑んだ。
「………那佑のことだろーから
多分色々考えて、その答えに
なったんだろーけどさ。
そりゃ俺は嬉しいけど。
無理してる那佑と無理矢理
やるのはなんか違うだろ……?」
:11/01/17 19:39
:840SH
:ZDXgRsOI
#170 [愛華]
優しい隆則の声。あたしを
気遣ってくれてるのがわかる。
でも、あたしは………。
ゆっくり隆則に抱き着いた。
隆則の体温を確かめるように
腕に力をこめる。
「………無理なんかしてないよ」
:11/01/17 19:51
:840SH
:ZDXgRsOI
#171 [愛華]
「……………」
隆則は黙ったまま。
「無理なんかじゃない……!
無理なんかしてない……」
ぽろぽろ涙が流れる。
悲しいわけでもないのに。
:11/01/17 19:53
:840SH
:ZDXgRsOI
#172 [愛華]
隆則の呼吸が聞こえる。
無理なんかじゃ、ないよ……
「…………………いいの?」
「いい。隆則がいい。」
初めては隆則がいい。
隆則じゃなきゃやだ。
:11/01/17 19:57
:840SH
:ZDXgRsOI
#173 [愛華]
あたしはもう、いついなくなる
のかわからないから。
いつまで笑顔でいられるのか
自分でもわからないから。
だから、その前に…………
隆則と、結ばれたいの。
:11/01/17 20:30
:840SH
:ZDXgRsOI
#174 [愛華]
「………………うん」
隆則は優しくうなずいた。
時間が止まればいいって。
そう本気で願った。
でもそんなの叶うわけなくて。
まるであたしを嘲笑うかのように
時間は、過ぎていった。
:11/01/17 21:01
:840SH
:ZDXgRsOI
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