その日が来る前に、3
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#200 [愛華]
叶わない願いを神様に。






叶わない確率のほうが高くても



もし、叶ったら。



そんな奇跡を信じて願う。

⏰:11/01/21 02:00 📱:840SH 🆔:FLDDbvz.


#201 [愛華]
何十個ものお願いをして
その中の絶対に叶いそうにない
願いが叶ったとしたら?





それが幸せに繋がる。

と、思う。




多分。

⏰:11/01/21 02:05 📱:840SH 🆔:FLDDbvz.


#202 [愛華]
「ばからし……………」





我ながら馬鹿みたいなこと
考えたな。


奇跡を信じる、とか。

ドラマかっつの。



神様なんか信じないよ。

⏰:11/01/21 02:07 📱:840SH 🆔:FLDDbvz.


#203 [愛華]
今まで何回も神様にお願いして
裏切られてきたんだし。




目をつぶってると、ウトウト
まどろんできた。



………寝よう。
明日起きれなくなっちゃうし。


頭に最後に浮かんだのは隆則。


………おやすみなさい。

⏰:11/01/21 02:11 📱:840SH 🆔:FLDDbvz.


#204 [愛華]
-隆則side-

⏰:11/01/22 00:01 📱:840SH 🆔:tdgufmR.


#205 [愛華]
それを望んでいなかった
わけじゃない。





『無理なんかしてない』



そういった那佑の瞳の奥に


強い決心が見えた気がして。


『時間がない』と言ってるようで

なにも言えなかった。

⏰:11/01/23 00:18 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#206 [愛華]
今まで怖かった。


大切で、大切すぎて。



その腕のなかに那佑を収めると


那佑が壊れてしまう気がした。



だから今まで、ずっと自分を
理性でおさえてた。

⏰:11/01/23 00:28 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#207 [愛華]
今じゃなくてもいい。

時間はあるんだから。

焦んなくてもいい。





…………時間?




焦ってるのは俺じゃなくて那佑。

⏰:11/01/23 00:32 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#208 [愛華]
那佑はどうして『時間がない』
なんて思ってるのか。


ないわけないだろ。


だからゆっくりでいいんだ。


そう言ってやりたかった。


でも俺は。



那佑を…………抱きたいって。

⏰:11/01/23 00:46 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#209 [愛華]
こんなこと言ったら、
怒られるかもしれないけどさ。


目の前で精一杯抱きしめて
くれてる那佑をかわいいと
思った。ちょっと震えてたけど。


那佑が何に焦ってるのかなんて
俺は知ってるんだろうけど…


今は知らないふりでいい。


本能に忠実なままでいい。

⏰:11/01/23 00:53 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#210 [愛華]
そう思った。



………俺ってダメなやつかな。







外は明るくなりはじめていた。

⏰:11/01/23 00:55 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#211 [我輩は匿名である]
あああああああーーー
頑張れぇぇぇぇぇぇーーって
あは
はよ下記な

⏰:11/01/23 01:53 📱:PC 🆔:SRQ4syZM


#212 [愛華]
>>211

んと……がんばりますね!
感想板のほうにもぜひ来て
下さい。ありがとうございます。

⏰:11/01/23 15:35 📱:840SH 🆔:1GT4RiK6


#213 [愛華]
>>210


-那佑side-

⏰:11/01/24 00:08 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#214 [愛華]
「んじゃ先生。いってきます」

「いってらっしゃい。
くれぐれも………」

「ハイハイ。運動は厳禁ね」

「それだけじゃないでしょ」

「…………なんだっけ?」

「ほら、もう忘れてるし!!」



久しぶりの、外の世界。

⏰:11/01/24 00:10 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#215 [愛華]
青空を直接見上げるなんて
本当に久しぶりなんだ。



「あ、思い出した!!薬ね!」

「毎朝忘れないでね。咳が
酷いときは別の薬あるから」

「はいはーい」



先生と別れを告げると、
お母さんがトイレから
戻ってきた。

⏰:11/01/24 00:15 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#216 [愛華]
「あ、お母さんおかえり。
先生いっちゃったよ」

「今あいさつしたから平気よ。
それより………


本当に大丈夫なの?
隆則くんのところで一泊する
なんて………」


「大丈夫だってば。納得して
くれたんでしょ、お父さんも」

「そりゃそうだけど………」

⏰:11/01/24 00:18 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#217 [愛華]
お母さんの顔から不安の色が
消えない。


「………お母さん。あたしだって『女の子』なんだよ?」



「……………万が一、なにか
あったらすぐ連絡してね?
夜にも電話すること。」


「うん。わかってるよ」


あたしはVサインを出した。

⏰:11/01/24 00:22 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#218 [愛華]
お母さんが心配でたまらないのは痛いほどにわかる。


でもお母さんとお父さんは、
あたしじゃなくて、隆則を
信頼してくれたんだよね。



それも嬉しいことだ。




「あ、もう出てたのか」


「隆則!!こんにっちはー♪」

⏰:11/01/24 00:25 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#219 [愛華]
お母さんと玄関の前にいると、
隆則が来た。


「こんにちは、隆則くん」

「こんにちは。遅れてすいませんでした」

「いいのよそんなの。今日と
明日、那佑をよろしくね」

「はい」


お母さんと隆則が話してる……
なんか変な感じするなぁ………

⏰:11/01/24 00:29 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#220 [愛華]
そういえば、あたしが倒れた時
って救急車呼んでくれたのは
隆則なんだったっけ………


あの時、隆則はお母さんたちと
何話してたんだろう?



「那佑さんとお付き合いさせて
もらってます」 とかかな…?



あ、でもあの時は別れたまま
だったし………

⏰:11/01/24 00:32 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#221 [愛華]
「…………なーゆ!行くぞ!」

「へぁ?あ、うん!」


ま、いっか。
あとで聞いてみよう。



「んじゃね、お母さん」

「うん。また明日」

「失礼します」


お母さんと別れると、たまらず
あたしは吹き出した。

⏰:11/01/24 00:34 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#222 [愛華]
「オイ、なに笑ってんの?」

「だって失礼します、とか!
隆則似合ってないんだもん」

「やかましい」


あ。


隆則と二人になると、急に
現実感が沸いてきた。




明日まで、隆則とずっと二人きりなんだ………ずっと。

⏰:11/01/24 00:37 📱:840SH 🆔:XeKd0N62


#223 [愛華]
あたしだってさ。
緊張しないわけじゃない。
初めてだし………女の子、だし。



そう。
明日まであたしは普通の女の子。


病気のことは考えなくていい。


隆則のことだけでいいんだよね。

⏰:11/01/25 20:42 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#224 [愛華]
「………たーかのり♪」

「え、なに急に。歩きにくいし」

「そう言うなって!」


あたしは隆則の腕にぎゅうっと
抱き着く。


隆則と並んで歩くのも久しぶり。


やっぱり………嬉しいな。

⏰:11/01/25 20:45 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#225 [愛華]
「あ、俺車取りに行かなきゃ」


歩きながら、隆則が思い出した
ようにいった。


「………車!?隆則、免許
なんか持ってたっけ?」

「うん。この前取った」

「え、車買ったの…?」

「うーん……と。もらった?」

「もらったぁ!?」

⏰:11/01/25 20:54 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#226 [愛華]
「うん」


いやいや………免許取ってた
ことも知らなかったし。

おまけに車もらった?

誰に?


「あたし知らないんだけど。
そんなこと聞いてないし……」

「あー免許取ったのは言い忘れ
てたんだけどさ。車もらったのは3年くらい前だから」

⏰:11/01/25 20:56 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#227 [愛華]
「3年………前?」

頭の中が?でいっぱいに
なっていると、いつの間にか
駐車場についていた。

そこにあった隆則の車は
フツーの車。


「……てか誰にもらったの?」

「あー…高校の時にケンカ
売られた族のやつに」


………………。

⏰:11/01/25 21:01 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#228 [愛華]
「まぁ俺も荒れてたし。

そしたらブッ飛ばしたやつが
族だかヤクザだかのお偉い人
だったみたいでさー。

組に入れとか言われて、断ったら
車やるから免許取ったら乗れって車くれたんだよ。

なんかよくわかんないけ……ど




って那佑どうした?」

⏰:11/01/25 21:17 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#229 [愛華]
「いや……なんかリアルすぎて。あたし若干ひいてるよ……」

「んなこと言ったって!!
返しようもないだろ今さら!
その時だって正直組入るの
断るので精一杯だったし!!」


ヤクザブッ飛ばしといて
何言ってんだか………。



でも。そっか。



あたし隆則の高校時代、
よく知らないんだ。

⏰:11/01/25 21:43 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#230 [愛華]
車に乗ると、新車特有の
シートのにおいがした。



「………あれ、新車?」

「んーみたいだな。乗ったの
昨日が初めてだし」

「大丈夫なのそれ………」


まだ知らない、隆則のこと。





知りたい。

⏰:11/01/25 21:51 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#231 [愛華]
「………さて、どこ行く?」

運転席に乗り込んだ隆則が
キーを差し込んだ。



「………どこでも、いいよ」

「行きたいとこあるだろ?
車だから遠出もできるけど」


久しぶりの外出だけど、

ほんとうはね。


隆則がいるならどこだっていい。

⏰:11/01/25 21:59 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#232 [愛華]
「………じゃあね、ドライブ」

「ドライブ?そんなんでいい?」

「うん。ぶらぶらするだけで」

「りょーかいしましたー」


ブゥン!!


「発進ー!!」


小さな子供みたいに。あの時のあたしはワクワクしてた。

⏰:11/01/25 22:03 📱:840SH 🆔:kjUW4466


#233 [愛華]
隆則といる時だけだよ。
あたしは子供に戻れる。


強がってばかりだったあの時。
甘えることを知らなかった
子供時代。


隆則は簡単にあたしの心を
持っていっちゃうんだよ。


それだけは
出会ったころと何も変わらない。

⏰:11/01/26 19:57 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#234 [愛華]
「ねー隆則」

「んー?」

「隆則の高校時代ってどんなの?あたし知らないんだよねー」

「え?俺の話聞きたいの?」

「うん!!ダメ?」

「ダメじゃねーけど……
聞いてもつまんねーよ多分」

「それでもいーいーの!」

「えー……」

⏰:11/01/26 20:04 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#235 [愛華]
隆則は嫌そうな顔だ。


あ。ケンカばっかだったって
言ってたし……嫌な過去なのかな



「……高校、嫌だったの?」

「嫌っつーか…つまんなかった。金髪だから目立ってたしさ。
友達っつー友達も誨ぐらいしか
いなかったしなぁ。」

「高校の時から金髪だったの?」

⏰:11/01/26 20:26 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#236 [愛華]
「うん。なんかカッコつけたい
時期とかだったんじゃん?

あとは大体、那佑の想像通り
だと思うけど」

「ケンカばっかしてたの?」

「まーね。俺強かったよ〜」


隆則は笑いながら言った。



…………なんか、オトナ。

⏰:11/01/26 21:56 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#237 [愛華]
「…………隆則と、もっと前に
会いたかったなぁ………」

「え、なんで」

「なんとなく」

「なんだそりゃ」

「…………」

「なんだそりゃ」

「なんで2回言うのさ」

「いや、意味わからんから」

「………うん。そっか……」

⏰:11/01/26 22:03 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#238 [愛華]
「一人で納得すんなっつの!」


………なんか、もったいない。
そう思ったんだ。
あたしが知らない隆則の部分が
いっぱいありすぎて。


隆則に出会ってなかった時間が
もったいなかったなって。



そんなこと言えるわけないけど。

⏰:11/01/26 22:16 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#239 [愛華]
「それよりさ、今看板で
ナントカ海岸って書いてたよ!」

「海岸?海ってことか?」

「行きたい!!海!!」

「海ぃ?行きてーの?」

「行きたい!行きたいっす!」

「わかったわかった」


隆則はあたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

⏰:11/01/26 22:53 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#240 [愛華]
「………へへっ」

「なに笑ってんだよ」

「もー隆則だいすきー」

「……知ってるってば」




こんな穏やかな時間を


あとどれくらい過ごせる……?



考えようとしてやめた。

⏰:11/01/26 22:58 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#241 [愛華]
………なに考えてんの。


今日はそんなことは
考えないって決めたじゃん。




窓の外に海が見えてきた。


太陽の光を反射して、
キラキラしてる。



…海ってこんな綺麗だったっけ。

⏰:11/01/26 23:09 📱:840SH 🆔:xNQnfUXU


#242 [愛華]
そんなことを考えながら
海を眺めていた。

でも1時間ほど走っても、
ナントカ海岸、なんて文字の
書かれた看板は見えない。



「ねー隆則ーなんか遠くない?
通りすぎたりとかしちゃった?」

「俺に言われてもなぁ………
すぐ横に海あんのにまだ先
なんかな?」

⏰:11/01/27 23:04 📱:840SH 🆔:DBi3AEWQ


#243 [愛華]
今さら引き返すのもなんか嫌。


途中でお昼を食べ、再出発。




海沿いに走るのも飽きてきた頃。
看板が見えた。



「…………あ、隆則!今看板に
『金城海岸100キロ』って!」

「100キロぉ!?遠っ!!」

⏰:11/01/27 23:09 📱:840SH 🆔:DBi3AEWQ


#244 [愛華]
「この際だから行こうよ!」

「………俺はいいけどさぁ」


隆則はふぅ、と息をついた。



「………疲れたの?運転」

「いや、別に?」

「かわったげよーか」

「ばーか」

⏰:11/01/27 23:12 📱:840SH 🆔:DBi3AEWQ


#245 [愛華]
あ、なんか………


隆則やっぱりオトナ。


あたしが子供になったの?

それとも隆則が大人になったの?



どっちにしても……



隣にいるのに遠い。

そんな気がした。

⏰:11/01/30 18:54 📱:840SH 🆔:JIvfWBzg


#246 [愛華]
そりゃあたしみたいな我が儘で
自己中な女の子と付き合えば、
誰だって大人になるのかも。


おまけに病気もち。



隆則の笑顔はまるで子供を
なだめるような感じだった。




……………気がする。


とか思っちゃうあたしが子供。

⏰:11/01/30 18:58 📱:840SH 🆔:JIvfWBzg


#247 [愛華]
「…………那佑ー?なした?
急に黙りこんで……」

「チョコで酔った………」

「え?コレお酒はいってた?」

「なんか味変だったもんー」

「てゆーかお前酒弱いの?」

「その前にあたし未成年」

「がーき。今どきみんな飲む
だろー。子供だなー」


………トドメをあんたが刺すか。

⏰:11/01/30 19:06 📱:840SH 🆔:JIvfWBzg


#248 [愛華]
なんなんだよー…



もやもやする。



なんでこんな日にこんなこと
考えちゃうんだろう?

なんかネガティブになってる…




今日は楽しくいたいのに。

⏰:11/01/30 21:40 📱:840SH 🆔:JIvfWBzg


#249 [愛華]
どれくらい時間が過ぎただろ。



なんとなく、さみしかった。



切なくて、もどかしくて。



隆則との距離。たった数十センチ


それがすごく遠く感じて。

⏰:11/02/03 20:42 📱:840SH 🆔:a8wAIOCc


#250 [愛華]
あたしは病気になってから、
弱くなったみたいだね。

強くなりたいけれど……




距離を感じる度にあなたが
足りなくなってしまう。



それは……わがままなのかな。

⏰:11/02/03 20:44 📱:840SH 🆔:a8wAIOCc


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