その日が来る前に、3
最新 最初 全 
#445 [愛華]
人生なにがあるかわからない。
それでも生きてる。
多分明日も生きてる。
生きてる意味とか、そんな
小難しいものを探してるうちに
すぐに明日はやってくる。
だから俺は生きるよ。
何よりも大事なひとのために。
:11/02/13 10:57
:840SH
:DGZtWYG.
#446 [愛華]
'
「…………おそっ……」
約束の時間から20分。
あたしのイライラは最高潮。
:11/02/13 11:00
:840SH
:DGZtWYG.
#447 [愛華]
携帯を取り出すと、打ち慣れた
番号に電話をかける。
イライラしすぎて、何度も
打ち間違えた。
「…………もしもし…」
「もしもしじゃないですよ…
誨さん今どこですか!?」
「渋滞に引っ掛かっちゃって…」
よりによってこんな日に……
なにやってんだろあの人。
:11/02/13 11:04
:840SH
:DGZtWYG.
#448 [愛華]
「あたし、那佑のお母さんに
手伝い頼まれてるから先に行ってますけどいいですか?」
「梓、そりゃないでしょう…
俺、道知らないんだもん…」
「なんとかしなさい」
ブチッ
あたしは一方的に電話をきると
急いでバスに乗り込んだ。
:11/02/13 11:10
:840SH
:DGZtWYG.
#449 [愛華]
誨さんはいつのまにかあたしを
呼び捨てにするようになった。
嬉しいようなムカつくような…
てか、告白の返事結局もらって
ないしね。ふざけんなっつの。
あれから、2年たったね。
今日もあの日みたいな晴天。
あたしはバスの窓から空を
眺めていた。ずっと。
:11/02/13 11:17
:840SH
:DGZtWYG.
#450 [愛華]
「あ、梓ちゃん!」
入口のところで、那佑のお母さんが手をふってるのが見えた。
「こんにちは。遅れてしまって…すいませんでした」
「いいのよ、そんなの。
2階にいるから…いってあげて」
「…………はい」
あたしは強く頷くと、ホールにあるでっかい階段に向かう。
:11/02/13 11:22
:840SH
:DGZtWYG.
#451 [愛華]
階段を上がる間、あたしは
今まで感じたことのない寂しさをすぐ側で感じていた。
大切なひとの大切なひと。
いつからかあたしにとっても
大切なひとになった。
あんたはあたしを優しいと
言ったけれど、それは違うよ。
那佑が、優しすぎるから。
ひねくれてる自分が馬鹿みたいに思えたんだよ。
:11/02/13 11:28
:840SH
:DGZtWYG.
#452 [愛華]
あたしは今すごく幸せです。
那佑も今幸せですか?
ガチャ…………
あたしはゆっくりドアを開けた。
:11/02/13 11:29
:840SH
:DGZtWYG.
#453 [愛華]
目に1番に飛び込んできたのは
純白のドレス。
それに身を包んでいるのは……
「………梓!!びっくりした!」
「那佑………めちゃくちゃ綺麗」
「ありがとーへへ」
:11/02/13 11:33
:840SH
:DGZtWYG.
#454 [愛華]
あたしはわけもわからず、
泣きたい気分になった。
そんなあたしを見て、那佑は
にっこり微笑む。
「………おめでとう!!」
「へへ………照れますねー」
那佑も泣きそうな顔してるけど
メイクが崩れるので、必死で
我慢してるみたいだ。
:11/02/13 11:36
:840SH
:DGZtWYG.
#455 [愛華]
那佑の細い肩がチョコンと
出された、キラキラと宝石が
ちりばめられたドレス。
それを着ている那佑は本当に
幸せそうだった。
今まで頑張ったねって
抱きしめてあげたかった。
でもそれはあたしの役じゃない。
たまらなく悔しかったり。
:11/02/13 11:40
:840SH
:DGZtWYG.
#456 [愛華]
「………タカは?もう見た?」
「さっきお披露目したの!!
そしたら直純くんと一緒に
顔真っ赤にして
どっかにいっちゃった。
あたしに見とれたんじゃないの?なんてねー」
…あながち、それは嘘じゃない
ような気がするな………
タカ、直純。
気持ちはわかるよ。
この那佑を見たら大抵の男は
真っ赤になっちゃいますって。
:11/02/13 11:46
:840SH
:DGZtWYG.
#457 [愛華]
「………タカも大変かなー
結婚してから……」
「え?なにが?」
「綺麗な奥さん持っちゃうと
気が気じゃないんじゃない?」
「まさか。むしろあたしが不安」
「はい?」
「隆則、フラフラ浮気しそう…」
タカに断じてそれはない!
そう言おうとするとドアが開いた
:11/02/13 11:50
:840SH
:DGZtWYG.
#458 [愛華]
ガチャッ
「てめーマジふざけんなよ!」
「いててて!冗談だろー!!」
「お前の場合、冗談に
聞こえないんだよボケ!!」
「新郎がそんなんでいいのか!」
取っ組み合いをしながら転がるようになって入ってきたのは
タカと直純だった。
:11/02/13 11:54
:840SH
:DGZtWYG.
#459 [愛華]
「ちょっとなにやってんのタカ」
「梓!来てくれてありがとうな」
「な・に・を・やってんの!?
直純、あんたも!!」
直純は大袈裟に痛がりながら、タカから離れると首を鳴らす。
「………俺が今からでも白石
ねらっちゃおっかなー愛人枠で。…………って言ったらコレ」
:11/02/13 11:59
:840SH
:DGZtWYG.
#460 [愛華]
「もう白石じゃねーし。愛人枠ってなんだよ!!」
「隆兄が与えられない温もりを
俺が補ってあげるの!」
「ふっっざけるなー!!」
タカが叫んだと同時にまた
取っ組み合いが始まった。
あー…。こんな日に……。
でもこれは直純なりの優しさ。
緊張してガチガチになってる兄をなんとかしようとしてる。
:11/02/13 12:04
:840SH
:DGZtWYG.
#461 [愛華]
…………多分。
ちょっとぐらい本気が入って…………………ないよね、うん。
一時期は周りを巻き込みながら
憎んで、憎まれて………
2人の間に壊せない壁があって。もう昔みたいには戻れない。
そう思い悩んだ夜もあった。
でも今は違うね。
二人の未来にはお互いの姿がある
:11/02/13 12:14
:840SH
:DGZtWYG.
#462 [愛華]
もう、離れたりしない。
那佑、あんたの周りには
いいひとがいっぱいだね。
幸せだね。
あたしは、幸せだよ。
那佑が幸せなら幸せなの。
:11/02/13 12:17
:840SH
:DGZtWYG.
#463 [愛華]
自分以外の誰かの幸せを
こんなに嬉しく思うのは
那佑に出会ってからだね。
自分にとって大事な人ができて
その人の幸せを願って
あたし、優しくなれた。
でも、願わくば……………
:11/02/13 12:19
:840SH
:DGZtWYG.
#464 [愛華]
「おぃーっす!!」
「おー!!誨!!」
「誨さん、ちわーっす」
誨さんは急いできたらしく、
汗でびしょびしょだ。
「……あれ、直純。お前誨と
面識あったっけ?」
「面識もなにもメル友だよ」
「はぁぁ!?」
:11/02/13 12:22
:840SH
:DGZtWYG.
#465 [愛華]
「へへー仲良しだよな、俺ら!」
「な、なんで?いつの間に?」
「「ないしょー」」
タカが頭をひねらせていると、
誨さんはあたしと那佑のもとに
やってきた。
「那佑ちゃん綺麗だねー!!
本当におめでとう!!」
「ありがとうございます!!
次は誨さんですよ。」
:11/02/13 12:25
:840SH
:DGZtWYG.
#466 [愛華]
「ん?うん」
………?なんの話?
那佑は意味ありげに微笑むと、
まだ首を傾げてるタカのもとに
歩いていった。
「……ずいぶん遅かったですね」
「うん。渋滞だけじゃなくて
誰かさんに置いてかれたせいで
道もわかんなくってさぁ」
:11/02/13 12:27
:840SH
:DGZtWYG.
#467 [愛華]
嫌味言うのほんっっとに
得意だよね、このひと。
「…………嬉しい?」
「なにがですか?」
「隆則と那佑ちゃんの結婚」
「当たり前じゃないですか」
このひと、まだあたしがタカの
こと好きだとでも思ってるの?
あたしはあんたが好きだって
言っただろーが!!
:11/02/13 12:30
:840SH
:DGZtWYG.
#468 [愛華]
………三年くらい前だけど。
「…………じゃ、するか」
急に誨さんがポツリと言った。
「なにを?」
「結婚式」
「誰と誰の」
「俺と梓の」
:11/02/13 12:32
:840SH
:DGZtWYG.
#469 [愛華]
………………………。
「なんですかその冗談」
「え、真面目だけど……」
なに言ってんの、このひと。
「いろいろ順番吹っ飛ばし
すぎじゃないですかね?」
「え、そう?………そっか」
:11/02/13 12:34
:840SH
:DGZtWYG.
#470 [愛華]
前からだけど、このひとの考え
ってほんとにわからない。
冗談でもそんなこと言わないで。
あたしは傷ついちゃうから。
「……誨さんはどーせ……」
「ん?」
「どーせあたしなんか見てない。
親友の幼なじみとしてからかって遊んでただけでしょ?
わかってるけどさぁ………」
:11/02/13 12:38
:840SH
:DGZtWYG.
#471 [愛華]
わかってるけど。
こんな男を好きになった自分に
腹がたつ。腹がたつ!!
「……結婚とかは彼女に
言わなきゃダメですよ」
ほら。あたしは強いから。
強がることなんて簡単なの。
「え、なに言ってんの?」
誨さんはわけがわからないと
言ったように首を傾げる。
:11/02/13 12:41
:840SH
:DGZtWYG.
#472 [愛華]
「俺の彼女って梓でしょ?」
………………は?
「………なに、それ……」
「え、わかってなかっ…た?」
誨さんは驚いた顔で停止。
え、え…………なにそれ?
:11/02/13 12:44
:840SH
:DGZtWYG.
#473 [愛華]
「あたし、彼女……?誨さんの」
「そう。だから梓って呼ぶようにしてたんだけど………」
「だ、だって!!なんも
言ってくれなかったし……」
「言わなくてもわかるだろ!」
「言ってくれなきゃわからん!」
あたしは……ずっと悩んで
たのに!!三年ずっと!!
:11/02/13 12:47
:840SH
:DGZtWYG.
#474 [愛華]
「言わなきゃわからん!」
あたしはもう一度繰り返す。
誨さんは顔を真っ赤にして、
あたしの目を見つめた。
「見えてんのは梓だけ。
だから結婚を前提に…………
つつつつつきあってください」
…………つ、多過ぎ………。
:11/02/13 12:49
:840SH
:DGZtWYG.
#475 [愛華]
しかも超早口。
「………俺ださくない?
ずっと俺だけがつきあってる
気でいたんだよ………」
「あたしだってダサいです。
ずっと片思いだと思ってました」
二人で笑いあった。
:11/02/13 12:52
:840SH
:DGZtWYG.
#476 [愛華]
どちらからともなく、手を繋ぐ。
「…………縁起いいね」
「なにがですか?」
「親友の結婚式に告白成功!」
「馬鹿ですね……いつもながら」
「クールですね…いつもながら」
大好きなひとの手は
こんなにも暖かい。
:11/02/13 12:55
:840SH
:DGZtWYG.
#477 [愛華]
願わくば………あたしの願いも
どうか叶えてください。
そう願う夜ももう終わり。
次の願いは。
誰かのためじゃなくて
自分のためじゃなくて
二人で願えたらいいね。
あたしはそんな未来はそう
遠くない気がして
幸せな未来を、垣間見ていた。
:11/02/13 13:01
:840SH
:DGZtWYG.
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194