… 極 楽(18禁)愛 戯 …
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#182 [夢。*]
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ホストして1年記念日は俺のバースデー。 その1回目のバースデーは滑りに滑った誕生祭で、いまだに俺にとっては嫌な思い出だった。

営業をかけすぎて必死になってる俺に、いつもの常連客たちは冷たかった。

当日気合い入れたのに自分のお客さんは5人前後しかきてなかった。

また楓さんが俺を鼻で笑う…とおもったら、楓さんは俺を引っ張って裏方に連れ込まれる。

「お前いい加減にしろ!」

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⏰:11/03/02 01:28 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#183 [夢。*]
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「お前は俺を抜きたいんだろ?…なんでお前バースデーこけたか教えてやろうか?お前かっこいいくせに、いい男じゃねんだよ。 もっと自分磨けよ!!!!」

先輩から頂く最初で最後の一番いいアドバイスだった。 俺は何かを言い返そうと思ったけれど、あまりにも楓さんの言葉が、パズルが合ったようにぴったりで、俺は何もいえずその日は悔し泣きした気がする。

「…いい男かあ」

当時働いてて同期で仲良しだった優雅に俺はいろんなことを話した。 優雅は俺のヘルプとしてついてくれてることが多かった。

「…お前なら大丈夫だよ。 なに焦ってんだ?そんなすぐ楓さん抜けちゃったら、ホストやってる価値なくなるんじゃね?」

確かに。

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⏰:11/03/02 06:08 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#184 [夢。*]
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その日から優雅とふたりでプライベートでも色んな女の子と連絡して、仕事でもまめに行動するようになった。

冴子姉からまだたまに連絡がはいる。 今度ご飯でもいきましょうよ、とか…とってつけたような理由。 あの女が欲しいのは若い男の体。

ホストにきてる女の子のほうが比べものにならないくらい可愛らしく感じる。 好きになったホストのために、身をけずって仕事する。 そんな感じも悪くない。 純粋じゃないか。

ただ、腐った親父と、自分の息子を棄てた母親、それから童貞を奪った親父の浮気相手に育てられた自分がそのころ、【嫌い】で仕方がなかった。

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⏰:11/03/02 06:13 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#185 [夢。*]
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ナンバー1に上り詰めたのは、それから数ヶ月後のことだった。 確か夏の夜。 楓さんが衰えたわけではない。 ただ、俺自身《龍咲レオン》ていう役を完璧にこなせるようになった…それだけ。

色多め、枕はするとしても前戯まで。 絶対にキスとセックスはしない。 休みの日に客と遊ぶことも、同伴・アフターも徹底させたし、有名な風俗店には、週に1回は絶対足を運んだ。

常に新規客を求めて、リピに繋げて常連にする…そのルールを自分の中でちゃんときめた頃くらいから、極秘の【お客様ノート】をつくるようになった。

でも酒飲んで女を口説いて…莫大な金に溺れるだけの悲しい人生。

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⏰:11/03/02 06:19 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#186 [夢。*]
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感想板はこちら
>>002

あんか~
>>003-100
>>101-150
>>151-200

黒咲龍の過去
>>167-200

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⏰:11/03/02 06:22 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#187 [夢。*]
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……─

あったかい手。

自分に向けられる愛しい目とその優しい笑顔。

あったかすぎて俺には刺激的すぎるよ、凛。

「…ありがとう」

シーチキン手巻き寿司をまたぱくり、と食べるといつもの優しく微笑む龍に戻った。

あたしはただ膝のところに手を置いて彼にかける言葉もないままだった。

何もいう必要もないのかもしれないけれど…

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⏰:11/03/02 06:25 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#188 [夢。*]
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愛に飢えていた分をあたしで埋めてあげたい。 それを龍が望むなら、あたしは龍のために精一杯の愛を注ぎ込める。

本当は優しい人、柔らかい人なのに…周りの環境のせいで簡単にひとは変われてしまう。 よい風にも悪い風にも。

「龍?」

「凛も食べろよ☆美味しいってまじで♪」

少し目を赤くしたまま、いつも通り笑う龍は子供みたいだ。

あたしはただ、特別なんて望まないから、龍と【普通の幸せ】が欲しい。

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⏰:11/03/02 06:29 📱:F02B 🆔:CwmzywTk


#189 [夢。*]
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普通の幸せ。

誰でも簡単に手にいれれるはずなのに、人間は凄く欲張りだ。

少し幸せの感覚を覚えると、絶望なんてあれば死んでしまう気になれるし、少し幸せの感覚を覚えると、もっと刺激求めてしまう。

「ほんと……俺の記憶というか人生がお前と出会ってからだとうれしいのに…」

と、言いながら赤味噌を食べ終わると、ごちそうさまでした、と優しく微笑みかけてくる。

「消えてなくなったら、あたしが好きになった龍はいなかったかもしれないね…」

そう、過去があるから。 その過去がなかったらあたしが立ってる筋を龍は通らなかったかもしれない。

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⏰:11/03/03 07:10 📱:F02B 🆔:RVQf8DHY


#190 [夢。*]
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「確かにそうかもな…」

と少し難しそうに龍は笑って言った。

その日は色んな種類の手巻き寿司を食べて、いつもは腕枕を龍がしてくれるのだけど、なぜかあたしが龍の頭を胸にうずめて、ぎゅうっと抱きしめて眠りについた。

…たぶん、龍もだろうけど、ふたりとも色んな過去を思い出しただろう。

あたしは龍みたいな複雑な過去なんてないし、とっても普通だ。

でもただただ、龍を好きになってから、彼にどんなことがあってもこの関係を大切にしたいと思うようになった。

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⏰:11/03/04 06:08 📱:F02B 🆔:VKiV9NvQ


#191 [夢。*]
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─…

あたしの名前は、"花梨"なんかじゃない。 あたしをちゃんと蓮って…偽りじゃないあたしの名前を呼んで。

その声であたしの耳に吹き込んで、嘘でも好きだよと言って愛して?お願い、金のためなんてやめて…ただあたしを見て好きとだけ言って。

それであたしは貴方のために頑張れるから。 何人ものアレをくわえて、汚い金なのかもしれない…でもあたしの純粋な気持ちはそこにある…《あなたのため》。

「蓮、……」

あなたは一度も言ってくれない。 あたしが欲しい言葉を。

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⏰:11/03/07 04:08 📱:F02B 🆔:LyyTSzLE


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