悪魔と心優しい怪物の物語
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#1 [我輩は匿名である]
駄文ですが暇潰しになれば幸いと思います。
根がさぼり魔なんで更新遅いのも愛嬌って事でお願いします。
:11/02/09 21:20 :N06B :y92HHeHg
#2 [我輩は匿名である]
そこはとても暗く狭い空間。とても人間が住まう様な場所では無いだろう。
「やぁ、久しぶりだね」
黒いスーツを着た男はその暗く狭い空間に住む醜く汚い生き物に語りかけた。
「また君か。どうして僕に構うんだい?僕みたいな奴の相手をしても周りから忌み嫌われ蔑まれるだけだろう」
黒スーツの男は高らかに笑い返事を返す。
「ヒャヒャヒャ……決まっているだろう?君が僕より下等で醜い生き物だからだよ。謂わば憐れみの様な感情を君に向けているわけだ」
醜く汚い怪物は笑顔で返す。
「そうか、ありがとう。君が居てくれるお陰で僕は狂わずにいられる」
「……ふぅん、こういう言い方をされても気を害さないのかい。」
「一人は何よりも辛いからね。僕にとって君は友人だ。たとえ君が僕を化け物と蔑んでも構わない」
予想外の返答に返事が詰まった黒いスーツに身を包む悪魔は頭を掻きながら座り込んだ。
そして、暫くすると口を開いた。
「じゃあ僕の為に死んでくれるかい?」
:11/02/09 21:39 :N06B :y92HHeHg
#3 [我輩は匿名である]
「勿論いいよ」
醜い怪物は即答した。
それも、まったく動揺せず落ち着いた表情でゆっくりと答えた。
「ヒャヒャヒャ!理由も聞かずに即答か。やっぱり君は面白いな」
「それが君の望んだ事なら仕方ないんだよ」
「ヒャハ話くらい聞けよ。俺は、お前を食らう。力を手に入れる為にね」
狂った様に笑いながら悪魔は続ける。
「ヒャヒャヒャ!君の肉体を食らえば圧倒的な力を手に入れられる。それこそ人間達に語り継がれている伝説の勇者や過去に名を連ねる魔王達よりも、もっともっと強力な力をね」
醜い怪物は微笑みながら右腕を悪魔に差し出した。
悪魔はそれを見ると無言で食らいついた。食らうのに夢中で怪物が生き絶えたのにも気付かないほど必死に食らい続けた。
そう、自身が涙を流しながら食らっている事にも気付かないほど必死に。
:11/02/09 21:57 :N06B :y92HHeHg
#4 [我輩は匿名である]
そして時は流れ
‐本国の首都内酒場‐
明らかに貧相な体つきの青年が、カウンターの向こう側にいる無精髭を生やした男に座り語りかけた。
「おい店主、ビールをくれ」
「おや、お客さん旅人かい?」
「んん……そうだが」
青年はゴクッと暑さで渇ききった喉を鳴らして返答する。
「丁度いい!ちょいと頼まれ事をしちゃくれないかい?」
いきなりで返答に困った青年を横目に、無精髭の男はテーブルに地図と袋を置いて話を続けた。
「ここから北に向かったら村があるんだが、その村にいる魔物を討伐してもらいてぇんだ」
「ふぅん……魔物ねぇ……」
「勿論ただとは言わねぇし美人のねぇちゃんと一緒に行けるんだ!悪くねぇ話じゃねぇかい?」
「美人のねぇちゃん?」
「ああ、流れの傭兵を名乗るねぇちゃんが引き受けてくれてな。女一人じゃ何かと危険だからお前さんみたいな旅人を探してたんだよ。ん……もうこんな時間か。もうすぐ顔を出す頃だな」
暫くするとタタタッと走る足音が聞こえてきてガタンと戸が開けられた。
:11/02/09 22:18 :N06B :y92HHeHg
#5 [我輩は匿名である]
「おいマスター連れていく私のパートナーは決まったか?」
一人の女が艶やかな黒髪をなびかせながら駆け込んできて青年の前で立ち止まった。
「ん……初見だな。マスター、この猿みたいな男は誰だ?」
顔をしかめて青年を値踏みする様に睨み付ける。
「ああ、今回同行させて貰う事になったチェコだ。よろしくな!」
爽やかな笑顔を振りまいて、右手を前に出し握手を求める。
しかし黒髪の美女は睨み付けたまま言葉を放った。
「断る。帰れ!」
「……ハァ!?」
「断ると言ったんだ。最近の猿は顔だけでなく耳も悪いのか?」
「誰が猿だっ!誰がっ!」
「ふふん、どうやら頭も悪いらしいな。はたして貴様以外に誰がいると言うんだ?」
「あ、あんたらっ……ちょっと喧嘩は」
あたふたと慌てる無精髭の生やした店主を横目に続ける。
「ふふふ……私の剣の錆にされたくなくばさっさと立ち去った方がいいぞ」
「面白いじゃねぇか上等だ!この牛女!」
「な、なんだとっ!」
「栄養が胸にばかりいって頭まで行き届いてねぇんじゃないの?多少美人ってだけで誤魔化そうなんてそうはいかねぇんだよ!」
急に静かになった黒髪の女は笑顔でチェコの胸ぐらを掴んだ。
「ふふふ……表に出ろ。猿ごときが人間様によくもまぁ楯突いた物だ。身の程を分からせてやろう」
「う……」
胸ぐらをしっかり掴まれている状況から考えるに、どうやらもう逃げられないらしい。
:11/02/09 23:54 :N06B :y92HHeHg
#6 [我輩は匿名である]
続きばかりで読みづらいてす。
続きが出ない長さで書いて欲しいです。
:11/02/10 00:43 :T001 :1ZRK5e4s
#7 [我輩は匿名である]
>>6おお、アドバイスサンクス。
これからは文字数を気にしながら書いてみるよ。
:11/02/10 06:11 :N06B :TYY4kKak
#8 [我輩は匿名である]
「さて……言いたい事はあるか?」
黒髪の女は、チェコの首筋に剣を当て問い掛ける。
「いい剣だな」
チェコは寝癖のついている頭を掻きながら答えた。
ふんっと鼻を鳴らし黒髪の女は呆れた表情をした。
「なんだ、この状況で命乞いでもするかと思えば見上げた奴だな。猿でも命乞いくらいは出来ると思ったが」
:11/02/10 06:37 :N06B :TYY4kKak
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