有空
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#279 []


俺が差し出したグラスをぼーっとしばらく見つめている槙原。

だんだん目が輝きだす。


『これ!!!!え、なんで?
どこで売ってんのこれ!』

「確か、限定のなんかで…
もう売ってないんじゃないか?」


そう言うと槙原はあからさまにがっかりした。

⏰:12/01/01 13:52 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#280 []


『売ってないんだ…』

「…これやろうか?」

『え?』

「これやるよ。
今日ずっと探してたんだろ?」

『でも、限定なんでしょ?
先生のなくなっちゃうじゃん。』

「どーせ使ってなかったし。やるよ」


コツンとテーブルの上におく。


『やったぁ、先生ありがとう、愛してる』

⏰:12/01/01 13:58 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#281 []


無邪気に笑う槙原。
このグラスがよっぽど大事だったみたいだ。


「そのかわり…新学期授業をさぼらないこと。約束だ。」

『…うーん。…わかった。』

「微妙な返事だな」

『へへっ先生ありがとう』



⏰:12/01/01 14:00 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#282 []



「飯できたぞ…」


ラーメンをもっていくと、槙原はテーブルに突っ伏したまま寝ていた。
嬉しそうにグラスにほっぺにくっつけて。

ふっ、可愛い奴。

なんとなく、こいつがモテる理由わかったかも。
顔が整っててスタイルがいいってだけじゃなくて、内面的な理由。

⏰:12/01/01 14:04 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#283 []


こいつ可愛いんだ。

癒し系っていうの?

のんびりしゃべって、人懐っこくて、ガキみたいに素直に笑ったり悲しんだりする。

母性本能くすぐられるんだろうな。


じっと見つめていると槙原の頭に異変を感じる。

髪の毛をさぐる。

⏰:12/01/01 14:05 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#284 []


『…ん?あれ…寝てたー?』

「あー、わりぃ。起こしちゃったな。
…てか、槙原、脱色した?」

『?』


眠そうに目を擦っている槙原に問う。


「髪の毛…てっぺんのほうだけ黄色い。
…お前、もしかして自毛金髪か?」

『?うん』

⏰:12/01/01 14:08 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#285 []


「自毛なら自毛って言えよ!!!」


わしゃわしゃと頭をかきあげる。
本当に均一に金髪になっていた。


『…俺言ったよ?
言ったけど信じてくれなかったじゃんー』


確かに…。


「自毛登録しろよなー…」

『なにそれ』

「自毛だよっていう登録だよ。
…とりあえず、ラーメン伸びるし食え」

⏰:12/01/01 14:13 📱:SH04B 🆔:UT/envRs


#286 []




「外国の血、混ざってたりすんの?」


ふたりでラーメンをすする。
熱くて中々すすえない猫舌な俺。


『うーん、そんなかんじ?』

「へぇー…そういえば名前も日本人ぽくないもんな」

『俺の名前知ってんの?』


槙原の箸が止まる。

⏰:12/01/02 16:20 📱:SH04B 🆔:BPg/S1S6


#287 []


「そりゃ担任が知らねぇわけねえだろ。
"ありく"、空が有るって書いて"有空"。」


空中に箸で文字を書く。


『…。』

「"ありく"だけど"アリック"って発音すんの?」

『…どっちでもいいよ』

⏰:12/01/02 16:23 📱:SH04B 🆔:BPg/S1S6


#288 []


「へーぇ、いい名前だよな、有空。
空が有るって当たり前だけど、へこんだ時とか空が綺麗だったら元気出るじゃん?
…あれ?…俺だけ?」


俺は空が大好きだ。

だから槙原の名前を初めてみたとき少し感動した。
どういった意味が込められているのか、気になっていた。


『先生もへこむときあるんだ』

⏰:12/01/02 21:03 📱:SH04B 🆔:BPg/S1S6


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