有空
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#321 [y]
第十二話
:12/01/04 21:26
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:P9F6v3c.
#322 [y]
『達也さん、もってきましたよっと…』
達也さんから指示された荷物を倉庫から持ってきた。
「おー!重たかっただろ。サンキュー。
そこらへんおいといてな?」
荷物を床においた瞬間、外で物音がした。
『?』
:12/01/04 21:29
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#323 [y]
「…いや!っ…やめて、」
叫び声もきこえてきた。
「ちょっと、マキ見てきて」
『わかった』
また喧嘩かよーって思いながら扉を開ける。
:12/01/04 21:29
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#324 [y]
『どーしましたか…!』
そこには頬っぺたに刺し傷みたいなのがある愛理ちゃんとナイフを持ったホストっぽい男。
「マキちゃん!助けて…」
愛理ちゃんは俺に抱き着いてくる。
『は?どうしたの!?』
全く状況が読めない。
:12/01/04 21:31
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#325 [y]
「お前がわりぃんだよ!!!」
そういって愛理ちゃんにナイフを振りかぶる男。
…あ
あの時の光景と重なる。
小さい頃の記憶。
−あんたなんか…っ
うるさいくらい耳鳴りがする。
:12/01/04 21:33
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#326 [y]
すべてがスローモーションに見える。
でも身体がうごかない。
やべー、逃げれねぇ…
愛理ちゃんにナイフが当たらないようにぎゅっと抱きしめた。
10秒ほどたったかな?
どこもいたくない。
…どうして?
つむっていた目を開ける。
:12/01/04 21:36
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#327 [y]
達也さんが男と俺らの間にたちはだかり、向けられたナイフを握っていた。
『…え?達也さん』
「マキぃぃ、こんな男くらいちゃんとやっつけろよ」
そのまま男を蹴りあげ、殴り込む。
:12/01/04 21:37
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#328 [y]
「…マキっ…ありがとう…」
ぎゅっとしがみついてくる愛理ちゃん。
ガタガタと身体が震えていた。
…刃物向けられたらこわいよな。
頭をゆっくりと撫でる。
:12/01/04 21:38
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#329 [y]
「愛理ちゃん、大丈夫か?」
「…達也さんもありがとう」
「マキもよく守ったな。」
『すっげーびびった』
遠くでサイレンの音がした。
だれかが警察と救急車を呼んだのだろう。
「やべえな、マキ隠れろ」
未成年が働いていたらまずい。
立ち上がり、通りへ逃げようとする。
:12/01/04 21:40
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#330 [y]
「…ふっざけんなよ!!!」
伸びていたと思っていた男がいきなり立ち上がり達也さんを刺した。
「…っ」
とっさのことでよけきれなかったらしく、刺された脇腹を抑えてよろめいた。
『達也さん!!!』
:12/01/04 21:41
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#331 [y]
俺は男を殴って地面に倒す。
そのまま馬乗りになって抑えこみナイフを取り上げた。
「…っー、有空いいから隠れとけ!」
達也さんは辛そうに叫ぶ。
『でも、』
俺がどいたらこいつは逃げるだろう。
どくにどけないまま警察がきた。
:12/01/04 21:44
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#332 [y]
達也さんと愛理ちゃんは救急車で運ばれて、俺や他の従業員は参考人?として警察に連れていかれた。
「君、いくつ?」
細い警察の人が尋ねてくる。
身体だけじゃなくて、目や鼻も細い。
『18です』
とりあえず14ではまずいと思い、嘘をつく。
:12/01/04 21:57
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#333 [y]
「高校生?」
『はい』
「…ばか」
となりにいた肇ちゃんがつぶやく。
…は?ばか?
:12/01/04 21:58
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#334 [y]
「高校生があの時間働くことは禁止されてるのしってるかい?」
『…』
…そういうことかよー。
そんなの知らねーよ!
「君、どこの高校だい?」
『えー…と』
「高校に報告するんですか?」
肇ちゃんが講義してくれる。
:12/01/04 22:00
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#335 [y]
「一応、報告しないとね。
あと親御さんも呼んでもらって…」
「…マキちゃん、適当に嘘ついてうまくやれよ…」
警察の人には聞こえないように肇ちゃんは言う。
:12/01/04 22:01
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#336 [y]
「で、高校は」
『柴山学園』
たしか隆之介がいくっていってた学校。
「…名前は?」
『真木 隆之介』
我ながらいい名前を考えついたと思う。
:12/01/04 22:03
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#337 [y]
「じゃあ、後日連絡するから、親御さん呼んでもらえるかな?」
『あ、はい。』
外に出て電話をかける。
こんなときに限って小百合さんは電話にでない。
代わりにかけた鈴嘉さんも電話にでない。
未央さんは新婚なのに邪魔しちゃ悪いし、愛理ちゃん達はちょっと若いしなぁ…
残るは…
:12/01/04 22:05
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#338 [y]
-幸-
0時すぎ、滅多にならない俺の携帯が鳴った。
しかも、槙原からの着信。
…悪い予感しかしない。
「…?もしもし」
恐る恐る出る。
:12/01/04 22:09
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#339 [y]
『こーちゃんっ!一生のお願い!
俺のお父さんになって!』
「…。は!?なんで!?」
…お、お父さん!?
『警察につかまっちゃった』
いやいや、つかまっちゃったじゃねーよ!
:12/01/04 23:10
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#340 [y]
「タバコか!?見つかったのか?」
『ううん、タバコじゃなくて…』
「じゃーなんだよ!」
深夜徘徊か?女遊びか?
酒か?喧嘩か?
心あたりがありすぎる。
『バイト先でトラブルが起きちゃって…』
「自分でなんとかしろよ−…」
:12/01/04 23:12
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#341 [y]
『だって俺のママ、電話つながんないんだもん…。
こんなことで迷惑かけたくないし−…』
だんだん声が小さくなる槙原。
「自分のせいだろ…。」
『…ごめんなさい。』
「ったく、どこの警察にいるんだよ」
とりあえず、迎えに行くことにした。
どーせ、俺が行かなくても他の人に頼むのだろうから俺が行って怒ってやろう。
:12/01/04 23:14
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#342 [y]
『ごめんなさい。ありがとう』
いつもみたいに『ありがとう!先生愛してる』とか言うと思っていたから少し驚いた。
珍しく反省しているようだ。
:12/01/04 23:15
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#343 [y]
「すいませーん、うちの息子が迷惑をかけて…」
高槻幸、29歳。
まさかこの歳でこの台詞を言うことになるとは思わなかった。
「いや、息子さんは男らしい行動しましたよ。」
「…は?」
何もわからない俺に細い警察官は今回の事件の内容を説明してくれた。
:12/01/04 23:16
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#344 [y]
どうやら、ナイフをもった男から女の子を守ったらしい…。
やるじゃん。
「まぁ…あの時間帯にバイトしていたことは悪いことですし、また後日連絡します。
今日の所はもう遅いですし帰っていただいて結構ですよ。」
警察官に一礼をしてから槙原を連れて警察所をでる。
:12/01/04 23:19
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#345 [y]
すっかり季節は秋にかわっていて、この時間になると肌寒かった。
車に乗り込み、エンジンをつける。
「…ったく、なにしてんだよお前は」
『…えへ』
「えへっじゃねーよ…。
怪我は?してないか?」
:12/01/04 23:21
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#346 [y]
『うん。それは大丈夫』
「もー、びっくりさせんなよ」
『ごめん。』
槙原に元気がなかったので怒るに怒れない。
「…女の子守ったんだって?…えらいじゃん」
『…。』
:12/01/04 23:22
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#347 [y]
『…達也さん、大丈夫かな?』
「あぁ…オーナーさんか?」
『うん。…刺されたら痛いよね』
「そりゃ、痛いだろうけど…大丈夫だろ。」
根拠はないけれど、へこんでいる槙原をみたらそういうしかなかった。
:12/01/04 23:37
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#348 [y]
『…ごめん』
「?槙原?どうし…」
信号で止まり、助手席の方を見ると槙原は膝を抱えてちっちゃくなっていた。
『…ごめんなさい…』
表情はわからないけどきっと泣いている。
:12/01/04 23:39
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#349 [y]
「槙原?もう大丈夫だからな?な?
俺も怒ってないから…」
車を道路脇に止める。
槙原の背中は震えていた。
いつもへらへらしている槙原からは想像もつかない姿をみて、焦っていた。
:12/01/04 23:40
:SH04B
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#350 [y]
「…大丈夫だから。な?」
しばらく背中を撫で続けるがなかなか泣き止まない。
この時は、たださっきの事件を思い出して、怖くなって泣いているのだと思っていた。
槙原が泣きながら謝っていた意味がわかるのはずっとずっと後だった。
一時間ほどたって、槙原はゆっくりと眠りについた。
:12/01/04 23:42
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:P9F6v3c.
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