有空
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#72 [y]
第三話
:11/03/11 22:44
:SH04B
:Q5SNdNTU
#73 [y]
わざとらしいくらいきゅっきゅっと音をならしてコップを磨く。
この作業嫌いじゃない。
物を綺麗にすることはすきだ。
「全然、客こねぇな」
達也さんが呟いた。
今日のお客さんは愛理ちゃん一人。
『平日だしねー』
余り広い店内ではないけれど、人がすくないとやっぱり寂しく感じる。
:11/03/11 23:19
:SH04B
:Q5SNdNTU
#74 [y]
「そういえばさぁ、小百合さん髪の毛のこと怒んなかった?
気に入ってたじゃん、髪色。」
黒染めをされてから1週間ほどたった。なんとなく馴染んできたかな?
『あー…まだ見せてない』
「なんで?」
『小百合さん今ねー、出張で北海道行ってんの』
毎日2.3通だけどメールをくれる。お仕事だけど何だか楽しそう。
:11/03/11 23:20
:SH04B
:Q5SNdNTU
#75 [y]
「へぇー…じゃあ、小百合さんいなくて寂しいだろー」
からかうようにけらけら笑ってくる。
『…うん。』
寂しくて何が悪い。
「俺があっためてやろうか」
『うん、あっためてよ』
:11/03/11 23:25
:SH04B
:Q5SNdNTU
#76 [y]
「お前、まじマザコンだよな」
笑っている達也さんにぎゅうと抱き着く。
香水くさい。
『…達也さん』
「…マキ」
ぎゅうぎゅうされるとちょっと痛い。
:11/03/11 23:28
:SH04B
:Q5SNdNTU
#77 [y]
『…』
「…」
「男同士で抱き合って楽しいの?」
俺らを見てた愛理ちゃんが烏龍ハイをカラカラ回しながら呟く。
:11/03/11 23:30
:SH04B
:Q5SNdNTU
#78 [y]
『楽しいよ。ね、達也さん?』
俺より少しだけ背の高い達也さんを見上げてキスを求めると達也さんのスイッチも入る。
口の中にタバコの苦い味が広がる。美味しくない。
こういう悪ノリが通じる達也さんが好きだ。
LoveじゃなくてLikeの方。
言っておくけど、俺は消してホモじゃない。
:11/03/11 23:31
:SH04B
:Q5SNdNTU
#79 [y]
「…もう良いって。」
半ば飽きれ気味の愛理ちゃん。
「つれないなぁ…。そういえば、仕事は?順調?」
達也さんは俺を離して愛理ちゃんに微笑む。
「うん、順調!雑用ばっかしてるけど楽しいよ。」
:11/03/11 23:32
:SH04B
:Q5SNdNTU
#80 [y]
『たまには、俺とも遊んでよ』
愛理ちゃんは昼の仕事を始めるようになって、見た目が別人のように変わった。清楚な感じ?
中身は全然変わってないんだけど。
「マキには達也さんがいるじゃん〜」
なんとなくさみしいよね。
『俺は女の子がいいの!』
そのうち俺の相手なんてしてくれなくなるんだろうなって思う。
幸せそうに微笑む愛理ちゃんが眩しいかった。
:11/03/11 23:36
:SH04B
:Q5SNdNTU
#81 [y]
仕事を終えて携帯を開くと1件の着信。
『もすしもすし』
かけ直すと、何そのあいさつーって笑う声が聞こえる。
『電話したー?』
:11/03/12 07:47
:SH04B
:Fk2RvAQA
#82 [y]
「うん、今から暇?相手してよー」
『暇。どこいったらいい?』
「ホテルー」
『わかった。今からいくね』
「まってるー」
俺を必要としてくれるひとはいっぱいいるんだ。
:11/03/12 07:48
:SH04B
:Fk2RvAQA
#83 [y]
ホテルから出てうろうろしていると、いつのまにか夕方になっていた。
ぽつぽつ降っていた雨がだんだん強くなってくる。
…あれ?
俺鍵どこに入れたっけ。
マンションの前で鍵を探す。
キーホルダーにはほかの鍵は着いているものの、家の鍵だけがない。落としたかな?
:11/03/15 08:27
:SH04B
:TAiN1Cb6
#84 [y]
まぁいっか…
誰かに泊めてもらおう
そう思って携帯を開く。
『…。』
ぷーぷーぷーと音をたてて画面に大きなバッテンがついている。
充電きれた。
…ついてない。
:11/03/15 08:28
:SH04B
:TAiN1Cb6
#85 [y]
今日バーも休みだしなー
どうしよっかなー
『ずぶ濡れー』
空を見上げても、雨がふってくるだけだから、下を見る。
…と、マンションの茂みに子猫を発見した。
『もしかして、お腹すいてる?俺今、ハイチュウしかもってないけど』
:11/03/15 08:30
:SH04B
:TAiN1Cb6
#86 [y]
ポケットに入っていたハイチュウを開く。
ヨーグルト味だから大丈夫だよなー?
子猫はゆっくり起き上がるとハイチュウの匂いを嗅いでいた。
やっぱり食べれないの?
子猫は細くてちいさくてぶるぶる震えてて守ってあげなきゃ生きていけなさそうだった。
:11/03/15 08:37
:SH04B
:TAiN1Cb6
#87 [y]
『?』
突然、俺にかかる雨がなくなった。
振り返ると傘を差した先生がいた。
「…おまえ、何してんの?」
『ねこ』
「え?」
『お腹すいてるらしいからハイチュウ上げてたの』
にゃーおって猫がなく。
:11/03/15 08:39
:SH04B
:TAiN1Cb6
#88 [y]
「じゃなくて!なんでお前ずぶ濡れなんだよ!」
カバンからハンカチをだして頭をふいてくれる。
『マンションの鍵どっかいっちゃったー』
「はぁ?」
:11/03/15 08:41
:SH04B
:TAiN1Cb6
#89 [y]
半ば強引に先生の家に入れられた。
2階の角部屋。
なんか生活感あふれてる。
『ぶへっく…ちゅん』
うー…、寒い。
:11/03/15 08:44
:SH04B
:TAiN1Cb6
#90 [y]
「ったく『ねこ』じゃねーよお前!とりあえず風呂!風呂いってこいよ。風邪ひいてもしらないからな」
タオルとパンツを渡されて、お風呂に押し込まれる。
「言っとくけどパンツ新品だから!あとで1000円な」
…買えって事かよ
:11/03/15 08:46
:SH04B
:TAiN1Cb6
#91 [y]
同じマンションなだけあって風呂の形も一緒だった。
でも、俺の部屋の風呂とは違ってこちゃこちゃとした小物が多かった。
蛇口をひねってシャワーをだす。冷めた身体がじんわりと温まってくる。
:11/03/18 17:28
:SH04B
:pX/CtHMU
#92 [y]
風呂から上がると先生の姿がなかった。
どっかいった?
さっき一緒に拾ってきたにゃんこ1匹がソファーでくつろいでいる。
洗ってもらったのか石鹸のいいにおいがする。
俺からも石鹸のにおい。
『お揃いだねー』
:11/03/18 17:30
:SH04B
:pX/CtHMU
#93 [y]
テーブルに置いてあるタバコを拝借。子猫を撫でながら火を付ける。
『まずい。』
苦い煙りの味が口いっぱいに広がる。
うん、俺の銘柄のほうがおいしいよ。
「こら、未成年タバコ禁止」
後ろから蹴りが入れられる。
:11/03/18 17:32
:SH04B
:pX/CtHMU
#94 [y]
『大丈夫だよ』
買い物袋を持った先生がいた。
どうやら買い物にいってたらしい。
「なにが大丈夫なんだよ」
『1本だけー』
苦いなー、これ
達也さんの銘柄と一緒かな?
:11/03/18 17:33
:SH04B
:pX/CtHMU
#95 [y]
「たく、…この傷どうした?」
先生は俺の背中に触れる。
『ちょっとね』
「ちょっとってなんだよ」
『ふふふー』
「笑ってごまかすな!…あまりやんちゃするなよ」
:11/03/18 17:36
:SH04B
:pX/CtHMU
#96 [y]
『うん、大丈夫だよ。てかパンツだけじゃなくてジャージかなんか貸してよ』
他人の家でパン1ってなんか抵抗ある。意外と常識あるよ俺。
「おー、ちょっとまてよ」
タンスから緑色のスウェットを取り出した。
:11/03/18 17:38
:SH04B
:pX/CtHMU
#97 [y]
『先生ってメタボ?』
ウエストゆるゆる。紐ないし。
「お前が長細いんだよ。身長何cm?」
『計ってないからわかんない』
新学期入ってすぐに身体測定あったらしいけどサボってたみたい。
「170は余裕であるよな…ったく、タバコ吸ってんのになんでこんなに成長してんだよ」
:11/03/18 17:39
:SH04B
:pX/CtHMU
#98 [y]
『成長期だからまだまだのびるよ』
「うぜー…」
『教師もうぜーとか言うんだ』
「教師だって人間なんだよ。」
じゃあ、菊地もうぜーとか言うのかな?
:11/03/22 10:05
:SH04B
:zroSQxR2
#99 [y]
『…。』
…そんな菊地はみたくない。
「…晩飯たべた?食べてないんだったら作るけど」
『食べてない』
そういえばお腹がくーくー言ってる気がする。
「そっか、ちょっと待ってろ」
:11/03/22 10:05
:SH04B
:zroSQxR2
#100 [y]
-幸-
『わ、うまそう!いただきます!』
有り合わせの具材で適当に作ったオムライスを槙原はにこにこしながらほうばる。
:11/03/22 17:26
:SH04B
:zroSQxR2
#101 [y]
『やば!うまー!激あつ!』
こんなに嬉しそうに食べてもらえると作り甲斐があったなーと思う。
「今日親帰ってくるの遅い?」
『うーん…うん!』
「そしたらお前泊まってけよ」
『え、いいの?』
「野宿しろなんていわねーよ」
:11/03/22 17:29
:SH04B
:zroSQxR2
#102 [y]
『やったー、先生優しいー』
「今頃気づいたのかよ!」
『うん。だって先生、俺の髪の毛染めるし嫌いだった』
すっげー笑顔で言われる。
…それは俺が悪い訳じゃないだろ
「あ、そういえばさぁ、この前聞こうと思って忘れてた」
:11/03/22 17:30
:SH04B
:zroSQxR2
#103 [y]
『なにーぃ?』
毛染めの話で思い出した。
毛染めしてるときに聞こうと思って忘れていた話。
「この間の綺麗な女性はどなたなんだ?」
『この間?』
「ほらマンションで腕組んで歩いてただろ、お前」
:11/03/25 20:44
:SH04B
:tdol/MF.
#104 [y]
たしか11時過ぎ。
俺がコンビニへ向かう途中、槙原に出会った。
槙原は仲よさ気に女性と歩いていた。
『…ああ!…母親だよ』
槙原はけろっとした顔で明らかに嘘とわかる嘘をつく。
:11/03/25 20:45
:SH04B
:tdol/MF.
#105 [y]
「お前、母親と腕組んで歩くのかよ」
『先生組まないの?』
「普通、組まねぇーよ。彼女か?」
『んー…、付き合ってはないかなー』
「…お前よく、付き合ってない子といちゃいちゃ出来るな。抵抗ないわけ?」
『あったらしないよ』
:11/03/25 20:46
:SH04B
:tdol/MF.
#106 [y]
「親は?夜中女の子家に連れ込んでさ、何もいわないわけ?」
『何も言わない。』
「そうか」
『うん』
怒ってやろうと思っていたのになんだかうまく丸め込まれた気がする。
…なんだろう、この敗北感。
:11/03/25 20:47
:SH04B
:tdol/MF.
#107 [y]
「…お前、彼女作れよ。
こいつ以外無理だーって奴。」
『えー、めんどくさい』
「え、なんで」
『なんか彼女とか重いじゃん』
女の子大好きの槙原の口から重いなんて言葉がでたことにびっくりした。
「…お前性格歪んでるな」
『うん』
:11/03/25 20:53
:SH04B
:tdol/MF.
#108 [y]
「俺がお前くらいの時にはさぁー、すっげー好きな子がいてさ、その子のためならなんでもしたいって思えてさ、そいつ以外女子に見えなくなるんだよ。」
『…そんなの言ってるから先生独身なんだよ、きっと。』
「ほっとけ!!!」
けらけらと笑う槙原が憎たらしくて頭をグーでぐりぐりする。
『痛い痛いっ!!!…俺だって好きな人いない訳じゃないよ。』
:11/03/25 20:54
:SH04B
:tdol/MF.
#109 [y]
「え?誰?」
思わず手を緩める。
その隙に槙原はぐりぐり攻撃から逃げ出した。
『秘密だし!』
「教えろよ!」
『やーだ』
誰だ?気になる。
1番仲良しっぽいし月城かなー?
:11/03/25 21:06
:SH04B
:tdol/MF.
#110 [y]
結局、槙原は教えてくれなかった。
同じベッドで眠りにつく。
『あったけぇ』
背中を通して体温が伝わるあったかい。身長は負けたけど、背中は俺の方がでかい気がする。やっぱりまだ子供だな。
:11/03/25 21:07
:SH04B
:tdol/MF.
#111 [y]
『俺、男と同じベッドで寝たの初めて』
おもしれーって笑う。振動が伝わる。
「嘘つけ。昔パパと寝た事あるだろ」
『んー…』
「…眠い?」
:11/03/25 21:10
:SH04B
:tdol/MF.
#112 [y]
『…わかんにゃい』
絶対ねむいだろ!お前
「はは、お前ってなんかかわいいよな」
『…ぇー…?』
くーくーという寝息が聞こえてくる。
寝た、か。
:11/03/25 21:11
:SH04B
:tdol/MF.
#113 [y]
今日は槙原とたくさん話せたな…
謎だった槙原の素顔がちょっとわかった気がする。
―…俺だって好きな人居ない訳じゃないよ?
さっきの言葉をおもいだす。
なんかほっとした。
:11/03/25 21:17
:SH04B
:tdol/MF.
#114 [y]
『…ぅー…ん…』
槙原は寝言をいいながら寝返りをうつ。
…こいつがまだ人を愛せることが出来る人間でよかった。
:11/03/25 21:17
:SH04B
:tdol/MF.
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