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#252 [愛華]
「別に………」
松矢はにーっと笑って
ケーキを口に運んでいく。
………敵では、なさそう。
でも油断はできない。
「……はい、ごっそさん。じゃあ俺行くね。ケーキありがと」
「うん、さよなら」
「あ、それからさ…」
:11/03/16 20:59
:840SH
:Bf5.KdGs
#253 [愛華]
口についた生クリームをぺろっとなめる。その仕草が妙に
色っぽかった。
「……次、会う時は。もう少し
くだけた態度だと嬉しいな」
「………は?」
「なんか色々辛いことあったん
だろ。警戒するのはわかるけど
俺は敵じゃないから安心して。
なんかあったら相談してよ。
強制はしないけどね」
その笑顔は、柔らかかった。
そして、温かかった。
:11/03/16 21:29
:840SH
:Bf5.KdGs
#254 [愛華]
天宮と初めて会ったときも、
確かこんな目をしていた。
「君はひとりじゃないよ」って
安心させてくれる。
「…………ばいばい」
「ばいばい、陽向ちゃん」
ドアが閉まる音とチャイムの音が重なった。
今まで感じたことのない、
不思議な気持ちだった。
:11/03/17 11:16
:840SH
:IxilAXrk
#255 [愛華]
いつもどおりの天宮との帰り道は今日はずっとお説教。
「……ったく!急にいなくなる
なんて心配するでしょう?」
「うん、ごめんね」
「本気で悪いと思ってます?」
天宮ははぁーっとため息をついてあたしの頭をなでる。
「……黙っていなくならないで」
:11/03/17 11:21
:840SH
:IxilAXrk
#256 [愛華]
「………わかった」
あたしがそう言うと、天宮は
満足そうに笑ってなでていた手をあたしの前に差し出した。
「………ケーキ。下さい?」
「……あ、違う人にあげたよ。
天宮にあげる人がクラスにいた
から2つもいらないかなって
思ってさ……」
「違うひと……?」
「うん。ともだちだよ」
:11/03/17 11:26
:840SH
:IxilAXrk
#257 [愛華]
「ともだちって……男ですか?」
「うん、そうだよ」
「ふーん………」
あ、不機嫌になった。
ケーキあげなかったのがそんなに
嫌だったのかな……。
でも、さっきの女子が天宮に
ケーキをあげているはず。
2つなんていらないじゃん…
「天宮、怒ってんのか」
「別に?珍しいなって思って」
:11/03/17 11:29
:840SH
:IxilAXrk
#258 [愛華]
「珍しい?なにが?」
「だって教室では俺の後ろに
隠れてばっかだったのに。
俺がいないとこで男の友達が
できるなんて思ってなかった」
「……天宮がいなきゃなにも
できないってわけじゃないよ」
「なにより。初対面の男に気を
許してるってとこが驚きです」
気を許してるわけじゃないん
だけどなぁ。でもあのひとは。
悪い人ではない気がするんだ。
てゆーかまた天宮の機嫌悪く
なってるし………全くもう。
:11/03/17 11:34
:840SH
:IxilAXrk
#259 [愛華]
「……天宮、ごめんね?」
「なんで謝るんですか?」
「ケーキそんなに好きだった
なんて知らなかったからさ」
「…………」
「今度つくるから。ね?」
あたしは天宮の顔を覗き込む。
……怒ってるというより……
呆れ顔?なんで?
:11/03/19 19:55
:840SH
:6u.1D6jM
#260 [愛華]
もう本当に訳わからん………。
あたしは大袈裟にため息をついて天宮から視線を外そうとしたけど、それを天宮が許さなかった。
天宮の手があたしの顔を優しく
包み込む。
「……なに、天宮」
「……陽向さんて目綺麗ですね」
「え、そう?……ていうか
今そんな話だっけ……」
:11/03/19 20:20
:840SH
:6u.1D6jM
#261 [愛華]
あたしの言葉と同時に、天宮の
顔があたしの顔に近づく。
………え、これって……。
「天宮、あの………!?」
「……………」
天宮の息がすぐそこに近づく。
え!?え!?なに!?
パニックのまま、なんとなく
そうした方がいい気がして
目をぎゅっとつぶった。
:11/03/19 20:34
:840SH
:6u.1D6jM
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