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#303 [愛華]
……まずい、20点に下がった。
天宮の周りの空気が冷たい。
それに気づいたのか、隣で
談笑していた要君と皐月ちゃんの動きもピタリと止まる。
「……で、でもね。
天宮は松矢君のことあまり
好きじゃないみたいだけど。
あの人、あまり悪い人じゃない
みたいだよ。多分……」
あたしは焦ったように弁解する。
:11/03/22 01:15
:840SH
:1HSINVcg
#304 [愛華]
「……多分、でしょう?
いいやつだっていう確信はない」
冷たい、天宮の言葉。
たまに天宮は冷たい。
いつもは優しいけど……
あれも本当の天宮なの?
「……あたし……は。
天宮の嫌いな人とは仲良く
しちゃダメなの………?」
:11/03/22 01:18
:840SH
:1HSINVcg
#305 [愛華]
「…………」
「天宮が心配してくれるのは
わかるよ。別に嫌じゃない。
でも、どんな人と関わっていくかは自分で決めたいよ……」
ただ、真っ直ぐに天宮を見つめる
あたし今どんな顔してるかな……
きっとすごく不細工だ。
心配してくれてる天宮に
こんなこと言うのは……
きっと恩知らずなこと。
:11/03/22 12:36
:840SH
:1HSINVcg
#306 [愛華]
先に目をそらしたのは天宮。
まるで、「もういい」って
言ってるみたいで。
見捨てられたような気になった。
お母さんが出ていった時と
似てる。 この感覚。
:11/03/22 12:40
:840SH
:1HSINVcg
#307 [愛華]
「……ごめん、ちょっと
今日は先に帰るね……」
「え、陽向……HRは…」
「上手く言っておいて」
あたしはカバンも持たずに
教室を出た。
天宮の顔は見なかった。
見たくなかった。
あたしは……天宮の考えてること
全然わかんないよ。
:11/03/22 12:45
:840SH
:1HSINVcg
#308 [愛華]
心配はしてくれるのに
『家族』にはなりきれない。
いっぱい感謝してるのに
たまにどうしようもなく冷たい。
天宮にとってあたしは何?
家族じゃないなら………
「…………あれ」
:11/03/22 12:48
:840SH
:1HSINVcg
#309 [愛華]
フワッと香る甘い香り。
天宮の………香り。
なんだろ、この香り。
香りにつられて普段使わない
階段の横のドアから外に出ると
そこはまだ来たことのない裏庭。
色とりどりの花が咲いている。
……このにおいだったんだ。
誰かが手入れしてるみたいで
花は全部元気に風に揺れてる。
………綺麗だなぁ。
:11/03/22 12:59
:840SH
:1HSINVcg
#310 [愛華]
あたしはそっと花に触れた。
「……かわいいね」
天宮が隣にいるならきっと。
黙って微笑んでくれるのかな。
そんなことを考えていると、
あたしがさっき出てきたドアから話し声が聞こえてきた。
誰か、来た?
:11/03/22 13:02
:840SH
:1HSINVcg
#311 [愛華]
ガチャッ
「あははは、マジで?」
「そうそう………」
出てきたのは女の子3人。
見たこともない顔だ。
そのうちの一人と目が合う。
「………あれ、あんた……」
「こいつじゃん、羽田って」
:11/03/22 13:05
:840SH
:1HSINVcg
#312 [愛華]
「え………この女なの?」
舐めるようにあたしを見回す
3人の女子生徒。
その視線が気持ち悪い。
「あの………なにか?」
「あんたさぁ、羽田陽向でしょ」
「そうだけど……」
「不正転入したってほんと?」
体がドクンと脈打った。
:11/03/22 20:26
:840SH
:1HSINVcg
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