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#377 [愛華]







ガチャンッ


鈍い音を立ててお茶が落ちた。


………あれ。


「………やべ、しくった」

⏰:11/03/28 23:36 📱:840SH 🆔:d2TRB.q6


#378 [愛華]
ペットボトルを押したつもり
だったのにどうやら間違って
缶を押してしまったらしい。

これじゃ開閉ができない。



「………かえたげよっか?」


優しくて甘い声。
あたしの心を見透かすような……


「……心の中読まないでよね。
松矢君もお茶買ったの?」

⏰:11/03/28 23:40 📱:840SH 🆔:d2TRB.q6


#379 [愛華]
松矢君は汗をかいているのか、
首にタオルをかけていた。

何もしていないのに妙に
色気があるというか………。

いつ見ても女として
敗北感を感じてしまう。



「ペットボトルがいいんでしょ?俺、口つけてないから
かえたげるよ」

「あ、いいの?やったー」

⏰:11/03/28 23:50 📱:840SH 🆔:d2TRB.q6


#380 [愛華]
「はは、どーぞどーぞ」


にっこり笑う松矢君から
お茶をうけとると、あたしは
近くの階段に腰掛けた。


その様子を松矢君は
不思議そうに見つめる。


「天宮んとこ戻んないの?」

「んー歩くの疲れちゃったし
昼休みは長いから平気だよ」

「そう?」

⏰:11/03/28 23:54 📱:840SH 🆔:d2TRB.q6


#381 [愛華]
「うん。松矢君も座りなよ」


あたしは自分の隣を指差す。
それを見た松矢君は遠慮がちに
腰を下ろした。



「…最近、天宮の機嫌はどう?」

「普通かな?」

「それはよかった」

「あたしもよかった。松矢君も
あたしの友達なんだもん」

⏰:11/03/28 23:58 📱:840SH 🆔:d2TRB.q6


#382 [愛華]
涼しい風が廊下に吹き抜ける。
もう秋のにおいがする。
家を出てから……3ヶ月、か。



「……松矢君って一匹狼?」

「はは、なにそれ?」

「友達あたし以外にいないの?
他の人といるの見たことない」

「うーん、群れるのが苦手
なんだよね。めんどくさいし」

「ふぅん。っていうかあたしは…

⏰:11/03/29 00:03 📱:840SH 🆔:FS3Myf2Y


#383 [愛華]
………他の人に触れるのを
嫌がってるように見える。

壁をつくってる、みたいな」



誰も、寄せつけない。
前までのあたしのよう。


そっか、あたしがずっと
松矢君に感じてたものって……



「………さみしくないの?」

⏰:11/03/29 00:08 📱:840SH 🆔:FS3Myf2Y


#384 [愛華]
「…………さみしくないよ」



そう言った松矢君の目は
言葉とはまるで正反対で。

さみしくない、という言葉は
まるで自分に言い聞かせている
ようで。



あたしは何も言えなくなった。


その瞳の奥に何があるのか
あたしにはわからなくて

怖くなった。

⏰:11/03/29 00:15 📱:840SH 🆔:FS3Myf2Y


#385 [愛華]
「信頼できる人と一緒にいる
ことはめんどくさくなんかない。

……松矢君も、そんなひとに
会えるといいね」



多分、このひとも。
色々な悲しみを背負ってる。

それは不本意に探っていいような
安っぽいものじゃない。

そんな気がした。

⏰:11/03/29 00:23 📱:840SH 🆔:FS3Myf2Y


#386 [愛華]
松矢君は瞳に色を戻すと
ちょっとだけ微笑んだ。


「……アトバイスありがと」

「え!?や、そんなつもり……
ていうか偉そうなこと言って
ごめんね……」

「んーん。うれしかったよ」



……今考えるとあたしほんとに
何偉そうに言ってたんだろ…

恥ずかしい。恥ずかしい!!

⏰:11/03/29 00:29 📱:840SH 🆔:FS3Myf2Y


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