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#492 [愛華]
分からないまま、側にいることを望み続けていた。
それは正しいことなのか
ずっと迷いながら。



側にいたいのに
もうひとりのあたしが言うの。


「あたしと天宮は家族なんかじゃない。あたしがいるべき場所はここじゃない」って。


天宮。

あたしは天宮の家族、でしょ?
そう言ってくれたよね?

⏰:11/06/04 21:49 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#493 [愛華]
だって『家族』としてしか。
天宮の側にはいられないの。

『家族』としてでしか
天宮との繋がりは持てないの。



なら壊さないで。
まだ離れたくなんかないから
『家族』のままで……。


そうやってもうひとりの
自分に言い聞かせてきたの。

⏰:11/06/04 21:54 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#494 [愛華]
そんなあたしの想いは今



目の前にいる天宮によって
まるでドミノが倒れるみたいに


ぱた、ぱたと



収拾がつかなくなるくらいに




崩されて…………。

⏰:11/06/04 21:58 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#495 [愛華]











「…………あまみっ……」


言葉を紡ごうと唇から出した声も
天宮のそれによって塞がれた。

⏰:11/06/04 22:00 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#496 [愛華]
なにが起こったの。


ただ気がついたら目の前に
天宮がいて………キスされた。



「………っ……ん……」


顔を背けようとしても
天宮の手によって頭も固定されて身動きがとれない。


顔が熱を帯びていくのがわかる。
天宮は今どんな顔してる?
でも目も開けられない。

⏰:11/06/04 22:04 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#497 [愛華]
息が苦しくなり、
拳でどんどんと天宮の胸を
叩くけれどびくともしない。


『俺も男なんですよ』


そんな天宮の声がこだまする。





やっと唇が解放されると
天宮のものか自分のものか
どちらのものともとれない
甘くて熱い息が漏れた。

⏰:11/06/04 22:09 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#498 [愛華]
体に力が入らなくなり、
そのまま後ろの壁によしかかる。


ようやく言葉が出たのは
荒い呼吸が落ち着いて
惚照っていた体が今の状況により冷めてきた頃。



「…………なんで……?」



それしか、出なかった。

⏰:11/06/04 22:15 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#499 [愛華]
天宮は床に落としていた視線を
あたしに向けて呟く。

その目はいつも通りの天宮のもの


「………なんで……って?」

「なんでキスなんてしたの…?」

「キスしたかったから」

「理由になってないよ」

「嫌でしたか?」

「そういう問題じゃない!」

⏰:11/06/04 22:20 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#500 [愛華]
あたしが怒鳴ると、天宮は
自嘲気味にクスッと笑い
あたしをただ見つめる。


「……陽向さん、無防備すぎ。
さっきも言ったでしょ?
何も知らない、じゃ済まない話も世の中いっぱいあるんです。


わかった?今みたいなことを
平気でする男もいるってこと」

「なに、それ………」

「……………」


言葉が、出ない。

⏰:11/06/05 13:20 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


#501 [愛華]
じゃあ天宮も………
天宮も、『家族』だって思ってる人に平気でキスできるような

そんな男のひとなの?



「天宮……はそんな人じゃ…」


言い聞かせるように呟くと
天宮がまるで力が抜けたように
ポスッと額をあたしの肩に乗せた


心なしか、天宮が小さく見えた。

⏰:11/06/05 13:28 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


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