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#495 [愛華]











「…………あまみっ……」


言葉を紡ごうと唇から出した声も
天宮のそれによって塞がれた。

⏰:11/06/04 22:00 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#496 [愛華]
なにが起こったの。


ただ気がついたら目の前に
天宮がいて………キスされた。



「………っ……ん……」


顔を背けようとしても
天宮の手によって頭も固定されて身動きがとれない。


顔が熱を帯びていくのがわかる。
天宮は今どんな顔してる?
でも目も開けられない。

⏰:11/06/04 22:04 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#497 [愛華]
息が苦しくなり、
拳でどんどんと天宮の胸を
叩くけれどびくともしない。


『俺も男なんですよ』


そんな天宮の声がこだまする。





やっと唇が解放されると
天宮のものか自分のものか
どちらのものともとれない
甘くて熱い息が漏れた。

⏰:11/06/04 22:09 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#498 [愛華]
体に力が入らなくなり、
そのまま後ろの壁によしかかる。


ようやく言葉が出たのは
荒い呼吸が落ち着いて
惚照っていた体が今の状況により冷めてきた頃。



「…………なんで……?」



それしか、出なかった。

⏰:11/06/04 22:15 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#499 [愛華]
天宮は床に落としていた視線を
あたしに向けて呟く。

その目はいつも通りの天宮のもの


「………なんで……って?」

「なんでキスなんてしたの…?」

「キスしたかったから」

「理由になってないよ」

「嫌でしたか?」

「そういう問題じゃない!」

⏰:11/06/04 22:20 📱:840SH 🆔:synHVUKs


#500 [愛華]
あたしが怒鳴ると、天宮は
自嘲気味にクスッと笑い
あたしをただ見つめる。


「……陽向さん、無防備すぎ。
さっきも言ったでしょ?
何も知らない、じゃ済まない話も世の中いっぱいあるんです。


わかった?今みたいなことを
平気でする男もいるってこと」

「なに、それ………」

「……………」


言葉が、出ない。

⏰:11/06/05 13:20 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


#501 [愛華]
じゃあ天宮も………
天宮も、『家族』だって思ってる人に平気でキスできるような

そんな男のひとなの?



「天宮……はそんな人じゃ…」


言い聞かせるように呟くと
天宮がまるで力が抜けたように
ポスッと額をあたしの肩に乗せた


心なしか、天宮が小さく見えた。

⏰:11/06/05 13:28 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


#502 [愛華]
「天宮………?」

「ごめんね」



小さな声。
悪戯をした子供のような
そんな謝りかた。



「でもね、お願いだから。
お願いだから警戒して。

『家族』だからって俺に心を
許しすぎないで」

「…………」

⏰:11/06/05 13:33 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


#503 [愛華]
「わかってる?
俺は陽向さんを…………」


そう言うと天宮はあたしの頭を
ぐっと引き寄せ、耳元で呟く。







「……いつだって壊せるくらいに近くにいるんですからね」


何かが、変わっていく。

⏰:11/06/05 13:41 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


#504 [愛華]
横目で見た天宮は
いつもの『優しい天宮』じゃないただひとりの『天宮滝』という男のひとで。

それにたまらなく動悸が上がった




『家族』だと思っていたのは誰?
天宮?それともあたし?


どちらにしたってもう遅い。


囁かれた耳が熱を持ったまま
あたしを、堕としてゆく。

⏰:11/06/05 13:47 📱:840SH 🆔:dJ3XR0RI


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