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#72 [愛華]
「はい、ごめんなさいは?」

………お前は親父か。

「悪かったってば…あたしが
朝弱いの知ってるでしょ?」

「謝る時は目を見て!!」


天宮はあたしの顔をぐいっと
自分の顔に近づける。


だから近いっつの!!
天宮はたまになんのためらいも
なくこうやって顔を近づける。

天宮との距離数センチ。

⏰:11/02/21 23:03 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#73 [愛華]
「ごめ……なさ…い」

「はい、いいですよ!」

天宮はにっこり笑うと
水玉のエプロンを外して
朝食を食べ始めた。







天宮はたった2週間であたしの
心をときほぐしていった。

まるで本当の家族に接するような
そんなあたたかさで。

⏰:11/02/21 23:08 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#74 [愛華]
'






「一緒に暮らす?何言ってんの」

あたしは手当を終えたばかりの
腕をぎゅっと握りしめる。

「だって行くとこないんでしょ?ここなら部屋はありますし。
お母さんを探すのだって俺、
手伝いますから」

⏰:11/02/21 23:11 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#75 [愛華]
何言ってんの、この男。



「…………そんなことして。
あんたになんの得があんの?」

「そんなの考えてないです」

「じゃあ、同情?」

「残念、それも違います」

「じゃあ何が目的」

「なんだと思います?」

天宮は優しく笑った。

⏰:11/02/21 23:14 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#76 [愛華]
あたしの胸がきゅうっとなる。
しめつけられるような………


「………助けたい。だけです」


天宮はあたしをゆっくりと
同じ目線で抱きしめた。


あたしよりもずっと大人で
包みこんでくれるあたたかさ。


こんな温もりを忘れていた。
ずっと昔のどこかに置いてきて
しまっていたもの。

⏰:11/02/21 23:18 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#77 [愛華]
信用するわけじゃ、ない。


でも少しなら。
お母さんと同じにおいのする
このひとなら。

見知らぬ土地で出会った人。
だけどこのひとなら。


頼るわけじゃ、ない………。
利用するだけ…………。


あたしは天宮の背中に手を回す。
なぜかわからないけれど、
一粒だけ涙が流れた。

⏰:11/02/21 23:22 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#78 [愛華]
'






まぁそんな感じで始まった
あたしと天宮の2人暮らし。

あたしが一方的に居候してる
だけだけれども………。


この2週間で『天宮』という
人間の優しさにたくさん触れた。

⏰:11/02/21 23:25 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#79 [愛華]
それは強張ったあたしの心を
ほぐすのには十分な温かさで。


あたしは心のどこかで寂しかった
頼る人が誰もいない土地で
ただお母さんを心に想うことで
自分を保っていた。


完全に信用したわけじゃない。
でも。


天宮なら大丈夫なんじゃないか
あたしの何かがそう言ってる。

だから、それに従う。

⏰:11/02/21 23:29 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#80 [愛華]
「それじゃ、陽向さん。
行ってきますね。」

「掃除しといたほうがいい?」

「気が向いたらでいいですよ」

ぽん、と頭にのせられた手。
そこだけが熱くなる感覚。



「それじゃ」





ガチャン………

⏰:11/02/21 23:36 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


#81 [愛華]
天宮が学校に行った後の部屋は
ひどく寂しくて、冷たい。



……ペットってこんな気持ち
なんだろうか………。

お兄ちゃんがいたら、
あんな感じなのかな?



天宮を信じたい。
でも、どこかで裏切られるのを
恐れている自分がいる。


天宮はあたしのこと、
どう思ってるんだろう………

⏰:11/02/21 23:41 📱:840SH 🆔:RLLSXJ5o


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