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#241 [愛華]
あ………まただ。
この胸がしまる感じ。

多分あたし、妬いてる。
家では天宮の優しさを独り占め
できているのに、学校では
知らない天宮が多すぎて。

同じような優しさを他の女の子
にも見せているのかな、とか
思うと心がモヤモヤする。


大好きなお兄ちゃんに
妹が妬くような。


そんなつまらない独占欲。

⏰:11/03/12 00:45 📱:840SH 🆔:0WJzdUcA


#242 [愛華]
「あ、陽向!そのケーキ滝に、
渡すんでしょう?」

手をたたきながら、思い出した
ように皐月ちゃんが言った。

い、今言う!?それ!!
当然のように女子たちがあたしをすごい目で見る。

「え……羽田さんそうなの?」

「ち、違うよ!うん、違う!
食べるの!自分で食べる!」

「ふぅん……」


女の子って……怖いな…

⏰:11/03/16 19:48 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#243 [愛華]
あたしは女子たちの視線を
背中に感じながら、チャイムが
鳴るのと同時に教室を飛び出した
なんとなく、あの空気が嫌で。


後ろで皐月ちゃんが何かあたしに言ってたような気がするけど
多分、聞こえてなかった。





「はーぁ……なんだかなぁ…」

手の中にあるのはケーキ。

⏰:11/03/16 20:03 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#244 [愛華]
天宮を見る目。
あの女の子とあたしは違う。


あの子は『男子』として。
あたしは『家族』として。

たかがケーキひとつでも
そこに宿る想いは全然違う。



「………これどうしよう…」


屋上に向かう階段に座り、
膝に顔を埋める。

⏰:11/03/16 20:07 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#245 [愛華]
あたしは何がそんなにショック
だったのかな。わかんないや…



「……なに、してるの?」

「………?」


男の声。
顔を上げるとそこには
知らない男子。


制服を着てるから生徒だ。


「………誰ですか?」

⏰:11/03/16 20:10 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#246 [愛華]
「俺はあんたを知ってるよ。
今日転校してきた羽田陽向。
天宮滝と同居中。」


いや、あたしが誰だって
聞いてるんだけどな………


ここの階段はめったに誰も来ないから一人になりたい時に来たら
いいって天宮が言っていたのに。


…………天宮の嘘つき。

⏰:11/03/16 20:15 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#247 [愛華]
男は白い歯を見せて笑うと、
あたしの顔を覗き込む。
壁にある窓から差し込む光が
男の茶色い髪を金色に光らせた。


「俺は3組の松矢蓮。今さ、
なんでこんなとこに人が来るんだって思ったでしょ?」

「……まぁね。ここは人来ないって聞いてたから」

「残念。俺もたまに来るの。
帰りのHR始まるけどいいの?」

「多分、友達がなんとかしてくれてると思うし……」

⏰:11/03/16 20:28 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#248 [愛華]
「ふぅん……」

松矢はそう呟いて、あたしの
隣に腰を降ろした。


「……なんか嫌なことでも?」

「それをあんたに話す義理は
米一粒ほどもない」

「冷たいなぁ。仲良くしようよ」

「仲良くしたくない」


知らない男と初対面で打ち解け
られるほどあたしは人間が
できていない。

⏰:11/03/16 20:37 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#249 [愛華]
松矢はあたしをじーっと
見つめる。そして視線をあたしの手の中のケーキに移した。


「………ははぁん。なるほど」

「なるほどってなにが?」

「それ、天宮にあげるつもり
だったんだ?」

「………!?」

「でも、あいつはライバル多い
からねぇ……それで落ち込んでるんでしょ。……当たり?」

⏰:11/03/16 20:41 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


#250 [愛華]
な、な、なにこいつ!!
まるで見てたみたいに……


「俺の家、心療内科の病院。
なんとなーく人の考えてること
わかっちゃうんだよね。」

「………なに、それ…」

「あはは、ごめんね。そっか、
陽向ちゃんは天宮が好きなんだ」

「いや、違うよ」

「そーなの?まぁいーや。
ねぇケーキいらないなら
食べていい?腹減っちゃった」

⏰:11/03/16 20:48 📱:840SH 🆔:Bf5.KdGs


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