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#305 [愛華]
「…………」

「天宮が心配してくれるのは
わかるよ。別に嫌じゃない。
でも、どんな人と関わっていくかは自分で決めたいよ……」


ただ、真っ直ぐに天宮を見つめる


あたし今どんな顔してるかな……
きっとすごく不細工だ。


心配してくれてる天宮に
こんなこと言うのは……
きっと恩知らずなこと。

⏰:11/03/22 12:36 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#306 [愛華]
先に目をそらしたのは天宮。



まるで、「もういい」って
言ってるみたいで。


見捨てられたような気になった。




お母さんが出ていった時と
似てる。 この感覚。

⏰:11/03/22 12:40 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#307 [愛華]
「……ごめん、ちょっと
今日は先に帰るね……」

「え、陽向……HRは…」

「上手く言っておいて」




あたしはカバンも持たずに
教室を出た。


天宮の顔は見なかった。
見たくなかった。


あたしは……天宮の考えてること
全然わかんないよ。

⏰:11/03/22 12:45 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#308 [愛華]
心配はしてくれるのに
『家族』にはなりきれない。

いっぱい感謝してるのに
たまにどうしようもなく冷たい。



天宮にとってあたしは何?
家族じゃないなら………






「…………あれ」

⏰:11/03/22 12:48 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#309 [愛華]
フワッと香る甘い香り。
天宮の………香り。

なんだろ、この香り。

香りにつられて普段使わない
階段の横のドアから外に出ると
そこはまだ来たことのない裏庭。


色とりどりの花が咲いている。
……このにおいだったんだ。


誰かが手入れしてるみたいで
花は全部元気に風に揺れてる。

………綺麗だなぁ。

⏰:11/03/22 12:59 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#310 [愛華]
あたしはそっと花に触れた。


「……かわいいね」


天宮が隣にいるならきっと。
黙って微笑んでくれるのかな。


そんなことを考えていると、
あたしがさっき出てきたドアから話し声が聞こえてきた。



誰か、来た?

⏰:11/03/22 13:02 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#311 [愛華]
ガチャッ



「あははは、マジで?」

「そうそう………」


出てきたのは女の子3人。
見たこともない顔だ。

そのうちの一人と目が合う。



「………あれ、あんた……」

「こいつじゃん、羽田って」

⏰:11/03/22 13:05 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#312 [愛華]
「え………この女なの?」


舐めるようにあたしを見回す
3人の女子生徒。
その視線が気持ち悪い。


「あの………なにか?」

「あんたさぁ、羽田陽向でしょ」

「そうだけど……」

「不正転入したってほんと?」


体がドクンと脈打った。

⏰:11/03/22 20:26 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#313 [愛華]
この人たちは………噂を
信じているんだ。

わかってはいたけど目の前で
言われるとやっぱり辛い。



「……そんなの嘘だよ」

「とぼけないでよ。あんた
天宮校長の親戚なんでしょ?
あんたみたいなやつ、この
高校に入れるわけないじゃん」

「なに、それ………」

⏰:11/03/22 20:36 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#314 [愛華]
「努力もなしにこの高校にコネで入ったとか恥ずかしくないの?
笑えないんだけど」




この人たちは。


あたしの何を知ってるんだろう。



何も言えなかった。
全てが否定された気がした。

⏰:11/03/22 22:55 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


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