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#511 [愛華]
『お願いだから警戒して下さい』
そう言ってあたしにキスした
あの体育祭の後。
あれからいくら考えても、
天宮があたしに何を伝えたかったのか全然わからない。
何のためにキスしたのかも。
ただ、なんとなく怖くなった。
天宮はいつも通りにあたしに
接しているけれど、本当は
どんな気持ちであたしに
向かっているのか
わからなくなってしまったから。
:11/06/19 23:32
:840SH
:292N.W/M
#512 [愛華]
「陽向さん、箸止まってますよ」
「へぁ?あぁ……うん」
天宮の声で我にかえり、
次は何を食べようかと弁当に
目を戻すと、端っこに入っているヤツの存在に気づいた。
「む…………」
あたしはそれをひょいっと掴み
隣の要君の弁当に紛れこませる。
:11/06/19 23:38
:840SH
:292N.W/M
#513 [愛華]
要君は何事もなかったかのようにそれを黙って口に運ぶ。
「かーなーめー…?」
が、それを天宮が
見逃すはずもなく。
「陽向さんを甘やかすな!」
「えーこれ、俺のせいかよ…」
「陽向さんも!ピーマンぐらい
食べれるでしょ!いい加減要に
頼るのやめて下さい!」
:11/06/19 23:43
:840SH
:292N.W/M
#514 [愛華]
「だってマズイもん。要君、
ピーマン好きでしょ?」
「うーん、好きか嫌いかで言うと普通だけどね〜」
「ね?ほら!」
「なにが、ほら!なんですか?
晩御飯抜きにしますよ」
天宮がじとっとした目で
あたしを見つめる。
:11/06/20 07:45
:840SH
:UpmhJRIM
#515 [愛華]
’
あ。これだ…………。
「……か、要君は優しいから。
食べてくれるよね?」
「俺は食べてあげたいけど、
滝に怒られるのは俺なんだ
けどねぇ…………」
:11/06/26 11:27
:840SH
:3bKqr/YU
#516 [愛華]
あたしはさりげなく天宮から
視線を外し、弁当に目を戻した。
以前と変わったことのひとつ。
天宮の視線に耐えられなくなった
前は天宮が見つめてくれるだけであたしの存在を認めてくれて
いるようで安心できたのに。
今は天宮の目を見る度に
あの日のことを思い出して
心臓の音に心が乱される。
:11/06/26 11:33
:840SH
:3bKqr/YU
#517 [愛華]
「………陽向、次体育だよ!
食べるの遅すぎ。もう行くよ」
「え?ちょ、待って皐月!」
呆れたような皐月の声に
慌てて答えると、まだ食べ終えていない弁当にフタをした。
……あぁ、また自分の世界に
入るとこだった。
あたしはため息をついた後、
皐月と共に屋上を出た。
:11/06/27 20:23
:840SH
:ZExqMvxU
#518 [愛華]
’
「やれやれ……………」
まるで妹を見送るような目線で
扉を見つめる要。
あの日から1週間。
何も変わらないはずなのに。
変わったのは俺と陽向さん。
どっちなんだろうか?
:11/07/01 07:25
:840SH
:0m7ARGzo
#519 [愛華]
「………つーかそろそろ話せよ」
「んぁ?」
「陽向ちゃんと何があったか。
お前ら、あきらか様子変だろ」
「………はは、なーんでも
ばれちゃうね。要君には」
「茶化すなっての」
別におかしいことなんてない。
当然の結果だ。
俺のつまらない独占欲がまねいた当然の結果。
:11/07/10 16:01
:840SH
:JPLGslaw
#520 [愛華]
「………近づきすぎた。」
「は?なにが?」
要は訳がわからないという顔で
俺の次の言葉を待つ。
近すぎては駄目。
ある程度の距離が必要。
そうわかっていたはずなのに
近づいて、 壊した。
「馬鹿だなー……俺。」
ま、後悔しても遅いんだけど。
:11/07/10 17:35
:840SH
:JPLGslaw
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